日本語が頭から消えるということ
日本の英語教育でまったく不足しているのは、Two Word Verbsのしくみを教えることです。ほとんどが連語だとか、イディオムだと呼ばれ、丸暗記の対象になっているのはまったく問題だといっていいでしょう。
イギリスの言語学者C.K.Ogdenが「たった16の動詞で日常会話のすべてができる」とした理由の一つにTwo Word Verbsの存在があります。
以下は、電子出版本「一週間で頭にしみ込むイディオム」からの引用です。
[休憩室-1]
●方位語に方位語が結びついて
S: ここまで学んできて、英語の発想がわかってきた感じがしてきました。でも次の文でどうして「ガミガミ言う」ということになるんですか。onにまたatが続いているんですね。
She was always on at him about his work.
彼女は仕事のことでいつも彼にガミガミ言った
T: 「ガミガミ言う」という日本語訳はさほど重要じゃないんだ。単にぼくがそんな訳が適当だと思ったに過ぎない。イメージさえ押さえていればいいんだ。
そこでonだが、これは「密着・継続」を表している。つまりShe was always on.で「彼女はいつも密着・継続していた」というわけだ。
そして誰に対してかというと、at himで「彼という一点に対して」ということになる。またatには、「ねらっている」「責めたてる」という意味もある。
S: なるほどね。「彼という一点に対していつも密着・継続していた」というわけね。
T: またさらに、about his workだ。aboutは「周囲」を表し「彼の仕事について」ということだから、ぼくは「ガミガミ言った」と訳したわけだ。
S: とにかく「くどくど不満げな状態だ」といった意味ですね。
T:その通りだ。次の例文は「ぬれ落ち葉」となった亭主に対する妻のセリフだ。これだと「うるさく鼻を鳴らす」と訳している。
He was on at me again to take him with me.
彼はまたうるさく一緒に連れていってくれと鼻をならした
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onを「上に」、atを「で」などと安易な訳語を当てはめて覚える。こんな教え方では生徒たちは混乱するばかりです。
at one o'clock(1時に)、at noon(正午に), at the end of July(7月の終わりに)などはまさしくその時の「一点」に注目した表現であり、in the morning, in the afternoon, in April, in winterなどは「期間、範囲」ととらえ、on Sunday, on the afternoon of July 7(7月7日の午後に)などは「密着」したイメージです。
あるいはbe on a diet, go on a dietといったフレーズも、いずれも「規定食に密着継続する」ということ、あるいはbe away on businessも「仕事に密着・継続して、離脱状態になっている」ということです。
それを日本語訳では「ダイエットする」「出張中だ」となりますが、それをイメージでどれだけとらえることができるか、これが英語発想をみにつけるということです。
私が言いたいのは、日本語訳を覚えるのではなくどれだけ「イメージとしてとらえるか」ということです。
つまりその時「日本語が消える」瞬間となります。
以下も「一週間で頭にしみ込むイディオム」からの引用です。
[休憩室-18]
●Holistic Approachとは
S: Holistic Approachって何ですか。
T: 日本語に訳すのは少しむずかしいが、これは全体論的な取り組み方ということだよ。個別的、あるいは局所的な取り組み方ではないということだ。
S: それが英語学習とどう関係があるのですか。
T: 私たちもそうだが、ネイティブの子供は日常生活の中で個別の表現を身につけていくわけだ。その積み重ねによって一定のイメージを体得することになる。ことばの学習には決して欠かせない。ところが、日本の英語教育といえば、個別的なことを教えるだけで、後は「もっと努力しなさい」と学習者を放り出してしまう。
S: 私たちは放り出されたわけですね。
T: もっと具体的に説明しようか。まず前ページの日本語訳を見てください。そこには、「なんとかする」「手段を講じる」「手配する」「善処する」「心配する」「やめさせる」などの意味がつけられている。この場合、see aboutの意味を一般的に「なんとかする」「手段を講じる」などと覚えても、それだけのものなんだ。
S: でも、私たちはそう覚えましたし、参考書などにもそう書かれています。
T: ぼくは、そんな学習ではダメだと言ってるんだ。なるべく多くの用例を体験し、自分なりのイメージを作り上げるべきなんだ。私が主宰している研究会では、English Treckking教材というものを編集しているが、そこにはsee aboutのフレーズは13所収されている。またget alongでは25となっている。
S: なるほど、私たちが英語という第二言語を学ぶためには、ネイティブの子供の体験を短期間で身につける方法が必要なんですね。
電子出版本「一週間で頭にしみ込むイディオム」
以上のものは、
![EnglishTrekking-sample2](http://homepage3.nifty.com/cominica/image-new/E-TRECKVOL2.jpeg)
![EnglishTrekking](http://homepage3.nifty.com/cominica/image-new/new-trekking.jpeg)
英語は方位や空間でものごとをとらえる言語です。
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