円覚寺日記 四季綴り

このお寺が建っている環境のごとく、ゆったりとした気分で書いていきたい。
浄土真宗本願寺派 円覚寺の日記帳です。

定例法座

2007年09月16日 | 日記
昨日はなぜか日記を書く気力なく就寝してしまいました。
さて本日午後1時より9月の定例法座を本堂にて行いました。台風の影響でしょうか、蒸し暑く途中で雨も降り出しましたが、お聴聞にきてくださったご門徒の皆様、誠に有り難うございました。


まもなく秋の彼岸と言うことで、彼岸にまつわるお話をさせていただきました。真西に太陽が沈むこの時期に西方浄土に思いを馳せたのが春秋2回のお彼岸のお参りの起こりといわれています。わが身を振り返って考えると最近夕日をじっくりと見ることもあまりありません。目先のことばかりにとらわれて大きな世界に生かされていることを忘れがちです。
曇鸞大師は往生論註の中で、
「三界を見そなはすにこれ虚偽の相、これ輪転の相、これ無窮の相にして、尺蠖 (屈まり伸ぶる虫なり)の循環するがごとく、蚕繭(蚕衣なり)の自縛するがごとし。あはれなるかな衆生、この三界に締(結びて解けず)られて、顛倒・不浄なり。」
と私たちの姿を、茶碗の縁をいつまでもぐるぐると回ってそこから抜け出すことのない尺取虫や、自らの身体を繭で覆ってしまう蚕に例えられて、狭い世界にしがみついているとおっしゃっておられます。
さあ、下ばかりを向いている頭を上げて夕日を眺めながら、必ず摂め取って捨てずにお浄土に生まれさせると誓ってくださった阿弥陀様のおこころに感謝しお念仏申しましょう。