2016/1/20
・評判の良さばっかり耳に入ってきて二の足踏んでたがようやく見る。
・どんな話だっけと思い出してみると、訳ありの男が休養中に出会った女と愛し合う話。
・冷静にあらすじだけ抜き出すと、びっくりするおどありふれている。そんな話だったっけ。
・訳ありの男は綾野剛。普通にかっこいい。
・相手は池脇千鶴。TVドラマ『大奥』、映画『ジョゼと虎と魚たち』で見たっきりだったので、ギャップに驚く。つや消しが完璧。
・その池脇千鶴の弟、タクジ役が菅田将暉。まだ20歳そこそこでびっくりするくらいの怪演ぶり。脅威。思わずwikiで経歴を調べてしまう。
・「バカップルを演じられる彼女だったら最高」とか20歳の男子が言っている。大物。
・綾野剛の両脇に風神と雷神がいるような配役。磐石。
・言葉に頼らないストーリー運び。むしろ、脚本家が言葉を信用していないように見える。
・お父さんのうわ言をBGMに使ってるくらいだし、大事なシーンほど意味が通ってないことを言っている。言葉は感情を入れる容器に過ぎないという感じ。
・シナリオ読んだら、第三者でもちゃんと話が伝わるように書いてあるんだろうか。
・昔、恩師に「言葉の数が多いのが遠藤くんの作家性だからいいんじゃない」と言われたことを思い出す。ちょっと真似できない。
・客に二人の事情が明かされていくのと同じ速さで、作中で二人が仲良くなっていく。そういう話の進め方があるのか。共感の作り方がうまい。
・最後のほう、思わず「タクジやめろーだめだー」と声に出してしまう。
・「うぃーーたつおたつおうぃー」
・ただ、あの人、いくらなんでもあんなにデリカシーない人なのかな。そうは見えなかったんだけど。話の都合で悪人になったのではないかな。
・とにかく食べるシーンが多い。監督は、食べることを色っぽいと感じるタイプだと思う。
・カレーの食い方だけで誰だかわかる。そして笑える。
・アジサイ、チャーハン、イカ、車。なにもかもくすんでいる世界で、最後にはほんのちょっとだけ光が当たる。
・ラストに無駄なものが何もない。上品。