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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

北海道舞台塾『悪い天気』

2016-01-31 21:43:14 | 演劇を見てきた

2016/1/30

平成26年度北海道戯曲賞大賞の戯曲を岸田國士戯曲賞作家が演出する。権威すごい。

さらにパンフに書いてあった演出の前田司郎さんの文章が観る側の緊張感を煽ってくる。

<「つまらないなあ」とお感じになったとしたら、もしかすると観るほうに問題があるのかもしれませんね>

試される観客。

煽られるとスカしたくなる性分なのでこういうことされると困る。

公園にいる三人がどうでもいいことを話す。

それだけなので、確かに「つまんない」と言ったらバカだと思われる系の話。

「聞く→答える」みたいなことから、だんだん「聞く→関係ないことを聞く」「電柱を叩く→足が痛い」という整合性はないけど因果関係のある不条理の末にドリフのような大掛かりな雨オチに至る。

…という話だと記憶を補正しているけど、途中で飽きてしまったのでよくわからず。

結局、問題のあるほうの観客になってしまった。

※パンフに平成27年度の戯曲賞の講評がついていて読み応えがある。

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井口昇監督『デッド寿司』(2012年)

2016-01-30 00:06:53 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

デッド寿司 スタンダードエディション[DVD]
クリエーター情報なし
エイベックス・ピクチャーズ

2016/1/29

・寿司職人の修行に挫折したケイコが、再就職先の旅館で人喰い寿司と戦う話。

・細かいことはどうでもいいんじゃないか。

・イクラの軍艦が人の舌を食いちぎったり、トロが人を切り刻んだり、炙りサーモンが火炎放射器みたいなもので人を焼いたりする。

・ちゃんと「考えたもん負け」の世界観になっている。

・ケイコ役は武田梨奈。確かにアクション適性高い。

・走っていく後姿ひとつとっても美しい。

・ケイコの蹴りが一発ヒットするたびに「いいね」「いいね」と声が出る。チンタラしてない。

・展開の荒さも説明的なセリフも、むしろいい。

・唐突に社員が包丁振り回し始めたり、ピストルぶっぱなしてもいい。

・テンポが悪くなる整合性ならいらない。

・お座敷の乱闘シーンも唐突。でも爆笑した。くだらないにもほどがある。

・「ああ、玉子が強い酸を出したわ!」なんだ、その説明的で狂気じみたセリフは。

・慣れるまで効果音がぶんぶんうるさい。

・首すぱーんで爆笑できるのがすごい。

・巨大イクラの軍艦がトビッコに見えてしまう。

・見る側の緊張感を煽らないスタイル。グロとエロ、しょうもないギャグばかり。

・ラスボスの確信犯的な見た目。どこのゆるキャラだ。

91分。無駄なエピローグはなくビシッと終わる。

・エンドロールのメイキングで特にわかる武田梨奈の動きのキレ。

・確かに武田梨奈が真ん中にいるアクション映画をもっと見たいような気になる。

・松崎しげるが元気そうでよかった。

・ちゃんとホラー映画のテンプレに沿って展開している。

・バカップルのバカップルぶりも見所。

・「ねえ、日本人がよくやる独特のキスしよう(うっとり)」じゃねえだろ。

・逆バコおこししてちょっと研究したい。

・なんなら文字起こししたい。

・何度も見たら深いテーマとかあったりするんだろうか。

・未見だけど『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を思い出した。元ネタだったりするのかな。寿司だけに。

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本木克英監督『超高速! 参勤交代』(2014年)

2016-01-27 22:21:08 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

超高速! 参勤交代 [DVD]
クリエーター情報なし
松竹

2016/1/27

わずか5日で、いわきから江戸までの参勤交代を成し遂げる話。

困難に対して奇策で乗り切る話は好みだし、伏線の利かせ方もしっかりしている。

以前読んだ、『遥かなるセントラルパーク』を思い出す。

ロス~ニューヨーク間の5000kmマラソンの興行を行き当たりばったりで運営していく話。共通点多い。

ただ、参勤交代の場合は、ただ移動すればいいというわけではなく、要所要所である程度人数をそろえる必要があるらしい。

そのへんの「参勤交代ルール」の知識がないので、起きた出来事に対してどのくらいのピンチなのかが良くわからなかった。

あらかじめ作中でルール説明してもらえるともっと一緒にハラハラできたと思う。

結構なご都合展開だったり、いくらなんでもあんなに大掛かりな妨害工作はないだろうと思ったりはするけど、そのへんはおもしろかったので、すんなり受け入れた。

佐々木蔵之介の居合い術はかっこよかった。

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劇団柿喰う客『変身』(高校生のための演劇プロジェクト)

2016-01-26 23:36:00 | レポート

2016/1/26

観劇三昧。三人芝居。50分。

『山月記』から始まって『羅生門』『変身』、最後は「胡蝶の夢」の故事でしめる。

名作文学を三人の役者が語り倒す。

羅生門の下人も変身といえば変身なので、ひとつのテーマに沿った文学を並べている。

単に高校生でもわかる作品を寄せ集めたようにも見えるし、作品の取捨選択に表現があるようにも見える。

考え出すときりがないところにうまく着地している。

それにしても、語りの圧が強い。

ある程度の尺の話であれば、緊張感にメリハリをつけるのが普通だし効率もいいと思うけど、そういう軟弱なことはしない。

押し引きじゃなくて、押して押して押す。

スマートフォン視聴なのでそうでもなかったけど、リズムと圧が強すぎて、無防備に見ているとうっとりを通り越して恍惚状態に陥りそう。

現場の高校生は大丈夫だったんだろうか。

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三宅喜重監督『阪急電車 片道15分の奇跡』(2011年)

2016-01-26 05:16:54 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

阪急電車 片道15分の奇跡 [DVD]
クリエーター情報なし
ポニーキャニオン

2016/1/25

阪急電車の乗客たちによる群像劇。

ひとつひとつは大した事件じゃないけど、集めてきれいに並べると、ちゃんとおもしろい。

ひとりひとりほぼ普通の人の範囲で個性的で、見ていて好きになる。

イチャイチャしててもイヤじゃない。

中谷美紀が白いドレスで駅のホームにいる姿は違和感込みできれい。

ダメ男となかなか別れられない。理屈はわかるが共感しにくい。

群像劇で、メインの話が進んでいるときに、別のエピソードの登場人物がちらっと出てくるのが好き。

宮本信子がペットのケージを置いて言ったセリフ、「あなたたち、どうやらわたしを怒らせたようね」というセリフにわくわくする。

ただ、あのおばちゃんたち、あれで大人しくなっちゃったらさびしくなる。

最後、悪態ついててホッとした。

原作の小説にあたりたくなる話だった。

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蜷川実花監督『ヘルタースケルター』(2012年)

2016-01-25 00:18:10 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

ヘルタースケルター スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
クリエーター情報なし
Happinet(SB)(D)

2016/1/24

原作マンガの内容は、半分くらい忘れていた。

全身整形の人気モデル、リリコが破滅に向かっていく話。

監督が写真家の蜷川実花。

かなり抽象的な世界観。唇の部屋が気持ち悪い。幻覚表現がやけにこなれている。

監督の得意分野を執拗に見せる感じ。

原作で感じた生々しさとか出口のない息苦しさとかはきれいに漂白されている。

モデル出身の人が、モデル役をやったときの頼もしさがすごい。

そんななかでも沢尻エリカは別格。

良くも悪くも真ん中にいるべき人。

ただ、セックスシーンは空気化していたし、展開にもあまり関係ない。

視覚表現勝負なら、もうすこし全体の尺を絞ったほうがいいような気がする。

リリコの全身整形の問題って、この映画がテーマにしている「綺麗になりたいという女の欲望」まで一般化できちゃうもんなんだろか。

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三谷幸喜脚本演出『ろくでなし啄木』

2016-01-24 00:58:40 | DVD・VHS・動画など

 

ろくでなし啄木 [DVD]
クリエーター情報なし
ポニーキャニオン

2016/1/22

・「藤原竜也 中村勘太郎 with 吹石一恵」とクレジットされていたので、吹石一恵はチョイ役なのかと思っていたら全然そんなことなかった。

wiki見たら吹石一恵は初舞台だった。だからwithなのかな。なんて無茶を。

・ただ、出演時間的にも違和感のない三人芝居。

・石川啄木が藤原竜也、親友テツが中村勘太郎、恋人トミが吹石一恵。

・啄木の失踪前夜の出来事を、トミの視点、テツの視点、啄木の視点でそれぞれ描く。

・実際に何があったのか、真実はほとんどわからない。『藪の中』方式。

・三人の語りから真実を探る話なのに、各役者とにかく動きまくる。必ずしも言葉が主体の芝居ではない。

・演技の限界に挑戦する2時間30分。

・中村勘太郎が飽きさせない。カジュアルな歌舞伎演技。軽い、かわいい、時に怖い。縦横無尽。ぐいぐいくる。

・本作の謎は「啄木はなぜ消えたのか」ということ。ただ、「啄木とは何者なのか」でもあり、設問がすこしぼんやりしている。

・なぜって言われたら、家庭があるのを隠してれば、そりゃどっかのタイミングでいなくなるだろうと思うし、ミステリーとしてみればいいのか、人間ドラマとして見ればいいのか、ちょっとぼやけてしまう。

・結果、物語の推進力がちょっと弱い。

・集中力の持続が役者の演技力に頼る部分が大きい。

・主人公に石川啄木を置くことで、彼自身の説明が簡略化できる。

・夭逝した天才歌人。知名度は高いが、具体的な作品がポンポン出てくるほどではない。いい人選。

・とは言え、天才部分がいまいち感じ取れず、単なる放蕩野郎に見えてしまう。

・「ろくでなし」と言うくらいだからしょうがないにしても、それにしても。

・あと、藤原竜也がとても病弱には見えない。

・装置がいい。襖が手前と奥でワンセットになっている感じや、演技スペースよりも大きく左右に広がる感じ。かっこいい。派手。応用も利く。ちょっとした発明。

・こういう構造や装置使った話作ってみたい。

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スコット・クーパー監督『ブラック・スキャンダル』

2016-01-23 20:14:40 | 映画を見てきた

2016/1/22

試写会。幼馴染として育ったFBI捜査官とギャングが「協定」を結び、互いのフィールドで権力を握っていく話。

実話。FBI史上最悪の汚職事件らしい。

アメリカってこういう実在組織の暗部をえぐるような映画が多いけど、こういう「裏プロジェクトX」みたいな話、ちゃんと需要があるんだろうか。日本じゃ考えられない。

人間関係が結構複雑で難しい。

なかなか内容に入れないまま、なんとか付いていこうとしていると、だんだん登場人物が全員オオカミウオに見えてくる。

各人、本物のオオカミウオのように獰猛な顔なのに案外温厚ということは決してなく、見た目どおり怖い。

特にデップが女の風邪を気遣うところ怖い。

それぞれの家庭描写がわりと普通で、彼らが人ならぬ悪魔ではなく、一般人と地続きの人間であることを突きつけられる。

平和な場所に住んでいてよかったという、つまらない結論に落ち着いた。

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中村義洋監督『白ゆき姫殺人事件』(2014年)

2016-01-22 01:30:19 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

白ゆき姫殺人事件 [DVD]
クリエーター情報なし
松竹

2016/1/21

テレビ局の契約社員でツイッター中毒の男が殺人事件の真相を探る話。

冤罪を着せられる井上真央が好演。

美人は美人だけど、不器用で面倒くさそうでちゃんとモテない感じがする。字がきれい。

ただ、主人公の綾野剛も含めて他の登場人物がほとんど全員ウカツ。

それぞれツイッターにバカ画像あげてクビになるバイトのレベルなので、事実ならまだ緊張感も出るけど、創作なのでいい加減に見えてしまう。これでちゃんとミスリードされている人いるのかな。

誰もが予想できることをやっておいて「会社もたいへんだったんだからね」も何も。

ネットや報道番組の問題というより、倫理観のないバカがヤンチャしただけという気がする。

作り手にとって都合のいい悪人がたくさんでてくるし、わざとツイッターとチャットを混同して使っている感じも不思議。

生瀬勝久だけ、そのいい加減の波にきれいに乗っかってて面白かった。

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呉美保監督『そこのみにて光輝く』(2014年)

2016-01-21 00:35:43 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

そこのみにて光輝く 通常版DVD
クリエーター情報なし
TCエンタテインメント

2016/1/20

・評判の良さばっかり耳に入ってきて二の足踏んでたがようやく見る。

・どんな話だっけと思い出してみると、訳ありの男が休養中に出会った女と愛し合う話。

・冷静にあらすじだけ抜き出すと、びっくりするおどありふれている。そんな話だったっけ。

・訳ありの男は綾野剛。普通にかっこいい。

・相手は池脇千鶴。TVドラマ『大奥』、映画『ジョゼと虎と魚たち』で見たっきりだったので、ギャップに驚く。つや消しが完璧。

・その池脇千鶴の弟、タクジ役が菅田将暉。まだ20歳そこそこでびっくりするくらいの怪演ぶり。脅威。思わずwikiで経歴を調べてしまう。

・「バカップルを演じられる彼女だったら最高」とか20歳の男子が言っている。大物。

・綾野剛の両脇に風神と雷神がいるような配役。磐石。

・言葉に頼らないストーリー運び。むしろ、脚本家が言葉を信用していないように見える。

・お父さんのうわ言をBGMに使ってるくらいだし、大事なシーンほど意味が通ってないことを言っている。言葉は感情を入れる容器に過ぎないという感じ。

・シナリオ読んだら、第三者でもちゃんと話が伝わるように書いてあるんだろうか。

・昔、恩師に「言葉の数が多いのが遠藤くんの作家性だからいいんじゃない」と言われたことを思い出す。ちょっと真似できない。

・客に二人の事情が明かされていくのと同じ速さで、作中で二人が仲良くなっていく。そういう話の進め方があるのか。共感の作り方がうまい。

・最後のほう、思わず「タクジやめろーだめだー」と声に出してしまう。

・「うぃーーたつおたつおうぃー」

・ただ、あの人、いくらなんでもあんなにデリカシーない人なのかな。そうは見えなかったんだけど。話の都合で悪人になったのではないかな。

・とにかく食べるシーンが多い。監督は、食べることを色っぽいと感じるタイプだと思う。

・カレーの食い方だけで誰だかわかる。そして笑える。

・アジサイ、チャーハン、イカ、車。なにもかもくすんでいる世界で、最後にはほんのちょっとだけ光が当たる。

・ラストに無駄なものが何もない。上品。

 

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