2025/4/6
・芝居小屋の近くで棺桶屋を営むドケチの三太が、成り行きで鼠小僧のまねごとをする話。
・平成15年に上演された作品。20年以上前。
・映画館の客席は半分くらい埋まっていた。結構入っている印象。
・本編開始直前にシネマ歌舞伎アプリで解説も聞けることを知らされる。慌てたけど、野田版なら大丈夫だろうと結局利用せず。でもお知らせはもう少し早いタイミングでほしい。
・棺桶屋は中村勘九郎(当時)。舞台上はもちろん、客席も含めた会場の空気を一手にコントロールしている。場の支配力がすごい。
・話は鼠小僧の劇中劇で始まる。屋根の上の殺陣。
・歌舞伎特有の間の取り方がかっこいい。斬られ役が前宙しながら倒れている。派手。
・町民たちが勝手な感想を言いながら芝居小屋からぞろぞろ出てくる。ここからの数分で何度か笑う。すでに楽しい。
・弱っている人の思い切りのいいメイクで声出して笑ってしまった。しょうもない。
・結構体を使ったギャグをやっている。
・廻り舞台を利用してどんどん装置が切り替わっていくのも楽しい。ドリフを思い出した。
・死体役に中村獅童。明らかに動いている。というか、ちょっとふざけている。笑ってしまった。ズルい。
・予想どおり、セリフで特にわかりにくいようなところはなかった。ちゃんと聞き取れる。
・三太はまったく善人ではないし、ケチなりの信念もある。なのに、彼の信念とは対極の存在である鼠小僧のまねごとをしてしまうという構図。
・芝居小屋の前に棺桶屋ってどういう発想なんだろう。何か元ネタあるのかな。
・成り行き要素もあったけど、ケチと泥棒は全然違う。
・「善人のフリをしていると善人だと思われる」(細部は違うかも)のような何かしらの本質をつくセリフ。
・重要な子役の演技がわりと棒読み棒立ちなのに、良いシーンに仕上がっている。配置の妙。
・ただ、途中の成りすましコメディ的な展開はあまり飲み込めず、雰囲気だけで楽しむ。
・色んなレイヤーで登場人物が演技をするシーンが出てくる。芝居で始まって芝居で終わった芝居だと言えば、うまく煙にまけた感じはする。
(札幌シネマフロンティア)
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