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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

ニットキャップシアター『チェーホフも鳥の名前』

2020-09-27 23:34:26 | 観劇三昧

観劇三昧:ニットキャップシアター『チェーホフも鳥の名前』

2020/9/23

・サハリン島の小さな街で暮らす人々が外交や戦争に翻弄されながら生きていく話。

・ほぼ100年を2時間53分かけて描く。時間の感覚がよくわからなくなるスケール。

・北海道に住んでいるものの、サハリンについてはあんまり考えたことがなかった。

・作品紹介のHPを見ると、宗谷岬からサハリン島まで43km。一番身近な外国と言えるけど、樺太とも呼ばれていたし、外国っぽさが弱い。ずっと曖昧なまま認識していた。

・ロシアと日本に挟まれ、少数民族もいて、資源も豊富なこの島は、ただの東の果てでも北の果てでもない。

・民族の汽水域みたいな場所だから、たしかに俯瞰して描くだけで面白くなりそう。

・とは言え、先行作品もそんなに多くないだろうし、資料探しだけでも大変。

・企画を立てるだけでも覚悟がいるし、ごまかしのきかない長尺の作品を作って、上演まで辿り着いていることがすごい。

・個人的には、立案から脚本完成まで、どのくらいの時間でできたのか気になる。

・本作に出てくる人々の多くは、個人個人でつながっているけど、全体の流れを認識しているわけではない。

・個々だと記憶から消えてしまうような小さな営みを、作品にまとめることで残す。

・物語を作る意義ってこういうことなのかなと思ったりする。

・そもそもチェーホフがそういう話が多いイメージ。

・そうやって作られた作品は、さらに他の作品とも繋がっていく。

・たぶん、札幌座『フレップの花、咲く頃に』とも繋がっているはず。観てない。失敗した。

・最終的にはほぼ現代まで至るので、歴史から、自分達のすぐ身近なところまで、地続きになっていることを感じさせてくれる。

・曖昧だった場所の輪郭も少しクリアになる。

・最初は周囲をシラけさせていた言葉が、年月を重ねていくうちにどんどん貫禄を付けていく様子がたのしい。

・そう考えるとあの二人は確かに特別だったのかも。

 

《詳細》(観劇三昧HP)

■公演時期:2019/09/01

■地域 近畿

■キャスト
門脇俊輔
高原綾子
澤村喜一郎
仲谷萌
池川タカキヨ
千田訓子
西村貴治
山岡美穂
黒木夏海
尾鳥英二

■スタッフ
作・演:ごまのはえ
パーカッション:田辺響
舞台監督:河村都(CQ)
舞台美術:西田聖
照明:葛西健一
音響:三橋琢
映像:堀川高志(kutowans studio)
映像操作:飯阪宗麻(NOLCA SOLCA Film)
写真協力:後藤悠樹/衣装:清川敦子(atm)
小道具:仲谷萌
演出助手:小山裕暉(テノヒラサイズ)
韓国語監修:徐義才
ニヴフ語指導:白石英才(札幌学院大学)
岩手弁指導:劇団らあす(花巻市)
絵:竹内まりの
宣伝美術:山口良太(slowcamp)
記録写真:井上大志
制作:高原綾子・門脇俊輔・澤村喜一郎
当日運営:池田みのり・新原伶(劇団なかゆび)
制作協力:三坂恵美(観劇三昧)
協力:株式会社リコモーション、山口浩章
資料協力:一般社団法人全国樺太連盟、NPO法人日本サハリン協会
企画・製作:ニットキャップシアター
主催:ニットキャップシアター、一般社団法人毛帽子事務所
提携:伊丹市立演劇ホール
助成:芸術文化振興基金、京都芸術センター制作支援事業

■あらすじ

日本とロシアに挟まれた島、サハリン島。
この島に「チェーホフ」と名付けられた街があるのをご存知でしょうか。
ロシア人、日本人、朝鮮人、「ニヴフ」や「アイヌ」などの北方民族――
この街に暮らした様々な人々が、ときに国家間の思惑によって翻弄されながらも生活する様子を、
アントン・チェーホフや宮沢賢治ら、かつてこの島を訪れた作家達の眼差しとともに辿ります。

おかげさまで劇団旗揚げ20周年!
ニットキャップシアターの『街の記憶』プロジェクト最新作。
街と人々の暮らしを描く、約100年のクロニクル。


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