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4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史 (双葉文庫) |
クリエーター情報なし | |
双葉社 |
2016/2/23
・ホエールズとベイスターズの球団史をさまざまな関係者の証言とともに振り返る本。
・歴史の教科書と言うには、著者のチーム愛が行間からあふれ出しすぎている。「俺が書かなきゃ誰が書く!」という使命感に満ちている。
・文章がなぜか時代劇研究家の春日太一さんの声で再生される。
・長年のファンならではの名言多し。
「大切なものはね。目には見えないんだよ」「最下位の長いトンネルを抜けると、そこはまたトンネルだった」「負けは全てを黒く塗りつぶす」「業」。
・直接的な自虐ネタなど、やりつくしてしまったんだろう。文学との親和性が高い。
・選手は選手で「球団は悪いよ。でも大好き(市川和正)」とか言っている。
・もともと漁業から始まった会社とは言え、漁師の比喩で全部説明できてしまう球団経営。
・石井琢朗の若手時代が、京浜アスレチックスの雰囲気によく似ていた。弱い、でも練習する。
・谷繁元信「僕が(後輩捕手に)聞かれていたことを全部教えていたのは、絶対に抜かれないからですよ」。よくよく読むと実戦経験が必要という意味だったけどかっこいい。
・一場と那須野のメール「2人で横浜に入って30勝しようね」かわいい。そして悲しい。
・須藤豊「結果は求めず成果を求めろ」は至言。
・三浦大輔のリーゼント誕生のきっかけ。自称「消去法のエース」。
・同じプロ選手に「キャッチボールから違う」と言わせる斉藤明夫。
・個人的に同姓のプロ野球選手である遠藤が尊敬されていてうれしい。
・駒田徳広の入団経緯が気の毒。そして、意外といろんなことを考えている。
・むかし、朝のニュースで「駒田は何を考えているかわからん」と散々なこと言われてたのに。
・著者はこんなにファンであることに苦しんでいるのに、愛に溢れてる。
・DV夫と嫁の関係と何が違うのか、しばらく考えたい。