2012/9/15
・前々から気になっていたが、見た人の反応がいちいち熱すぎて、二の足を踏んでいた。
・恋人であり、AV監督と女優の関係でもあった二人の出会いから別れまでの話。
・監督自身が主人公。自らカメラを回し続ける。
・ほぼドキュメンタリーなので、ずっと洗練されてない生々しい映像。
・でも、生々しさが必ず見るに耐えないギリギリのところまでで終わっていて、それ以上は見せない。
・確かに配慮があり、構成があり、伏線まである。
・すごく生々しいのに、ちゃんと作品になっている。
・何が怖いって、このへんのバランス感覚。
・監督自身が登場人物であり事件の当事者なのに、なんで両立できているのかがまったくわからない。
・表現者というか映像作家の業のようなものをひたすら見せつけられる感じ。
・どこまで踏み込めるのかというチキンレースのようでもある。そして、この監督は、自分では予想していない形でその先に行ってしまった。
・そんな事故のような物語だから強烈な印象が残る。
・序盤は二人で北海道へ自転車旅行をするエピソード。
・監督は最初かなり温厚そうに見える。
・彼女である林由美香に対しての純愛ぶりがすごい。
・そして、映像作家としても、彼女の恋人としても不十分であることを実感する。
・付き合っている彼女から「監督失格ね」と、たびたび言われる。むごい。
・大好きな恋人であり、大切な仕事のパートナーにそんなこと言われたら泣くわ。
・どうでもいいけど、雪道かつ悪天候で叫びたくなる気持ちはよくわかる。
・林由美香が危うすぎる。
・本当に危ういのか、それとも同性から見たら「あんなの普通」なのかが、よくわからない。
・もしかしたら、「林由美香は私自身」と思いながら見ている人もいるんだろうか。いそうだ。こわい。
・「年下マジック」という言葉は、年下というだけで欠点を許し甘えを増長させる悪い性質という意味でいいんだろうか。やっかいだな。