goo blog サービス終了のお知らせ 

遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

札幌シェアター『分断と循環』

2020-06-04 10:17:28 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

札幌シェアター企画演劇|多画面ひとり芝居『分断と循環』

2020/6/2

ある男が、帰宅後に、スマホで誰かと会話しながら、なぜか身支度を整えていく話。

ハンズフリーっぽい調子で話しているので、一人芝居の映像作品としては違和感が少ない。

一人芝居を二つの画面で撮影している。

効果としては、作品内の意味よりも、見た目の新鮮さのほうが大きい。

二つの角度から一人の行動を見守る、ひとつの画面内の見た目を小奇麗にしつつもうひとつの画面で全体を映す、二つの画面から演者が外れて衣服だけが飛んでくる。

チャット機能のライブ感も楽しい。「ただの舞台作品の配信」ではない、何か新しいものを足そうという意地を感じる。

全体で考えると循環も分断もしているように見えるけど、分断したものをひとつの作品としてまとめるのは難しそう。

遠藤洋平くんの日常感のある演技。

何かのきっかけで園子温監督とかにフックアップされないかなと思ったりする。相性よさそう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空宙空地「Show Must Go ON!ここも空宙番外地 自宅で8日間リモートクリエイション」

2020-05-19 22:22:55 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2020/5/18

・登場人物一人の映像作品を27本。演者の重複もあるので、演目は15作品。別にボーナストラックも1作品。

・脚本書く立場からするとまず数に驚く。

・1作品5分程度とは言え、準備期間もそんなにあったとは思えないし、一人芝居は演者のほうに目が行きがちなので、まずは関戸さんの労をねぎらいたい気持ち。

・題材の重複もほとんどない。ただ、なぜかハゲをいじる作品が続いててなんだろうとは思う。

・小演劇からの映像へのアプローチ。

・演劇ほどの臨場感は無いし、環境的にドラマや映画ほど緻密な映像がつくれるわけでもない。

・制約の中でどこまでできるのかを試している。

・どの作品も画角の取り方にものすごく凝っていたのは工夫のひとつ。額縁は大事。

・それぞれに見どころがあってどの作品も楽しかったけど、どうしても「違和感を持つ持たないの境界線はどこだろう?」みたいなところが気になる。

・演劇では気にならないであろう説明セリフが、三倍増しくらいで気になってしまったり、起承転結がはっきりしている展開もなじみにくい。

・日常のスケッチ+αくらいのバランスが見やすい。

・好きだったのは、鞍本里都さんの『トキめく、トキめかない』と、山﨑陶熙さんの『トイレの彼女さま』、藤島えり子さんの『旅立ちのうた』。

・映像作品で独り言は不自然なんだけど、「トキめく~」は、役の性格設定や声量や声色、話の聞き心地のよさでノイズになりにくく出来ていたと思う。

・「トイレ~」はしょうもなくて笑った。最後のほう溺れて沈んでいく人みたいに見えた。画角の勝利。

・映像作品は細かく見えてしまうので、単純な「自制が効かないレベルの愛情」「うんこもれそう」「痛み」「寒い」のような直接的な身体表現がしっかりできていると、それだけで見どころになる。

・足がつった演技はすごく難しそう。

・「旅立ち~」は、序盤と終盤のどちらの情報を信用していいのかよくわからなかったけど、過不足ない演技で話の起伏ができていた。映像の演技に慣れている感じ。

・クリアファイルといえば、それに類するものがあれば、『やるかやられるか』でやれていたかもしれない。

 

【第一弾】

「やるかやられるか」みきを。
「ひとり上手」結城祐輔
「ラインラプソディ」小野圭子(劇団芝居屋かいとうらんま)
「トイレの彼女さま」ヘロタジョ(しまい倶楽部)
「オセロ」梨香(劇団松阪ドラマシティ/ホニホニマー舎)
「ユージュアルミッドナイト」村瀬優香(名古屋市立大学演劇部劇団鈍-NORO-)
「ひとり咲き」堀田てるき
「PM3:35」味田歩奈実
「から騒ぎ」浅井あやね(南山大学演劇部「HI-SECO」企画/GAKUMO)
「旅立ちのうた」中元志津(劇団あおきりみかん)
「ベランダアクション」今津知也(オレンヂスタ)
「トキめく、トキめかない」鞍本里都(fuzzy m. Arts))
「ハルくんと」仲田瑠水(廃墟文藝部)
「はじめて部屋に」市川愛子


【第二弾】

「から騒ぎ」岩田千鶴(gateau au fromage)
「トイレの彼女さま」山﨑陶熙
「ひとり上手」川口美香
「やるかやられるか」江本真里子
「ラインラプソディ」濱崎優
「ベランダアクション」菊池綾(テアトルアカデミー/劇団WonderParty)
「トキめく、トキめかない」山口沙穂
「PM3:35」平手さやか(星の女子さん)
「ロード」松竹亭ごみ箱(ダンスカンパニーafterimage)
「ユージュアルミッドナイト」松田そよか
「ひとり咲き」藤瀨響平
「ハルくんと」寺地ユイ(きまぐれポニーテール)
「旅立ちのうた」藤島えり子(room16)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12人の優しい日本人を読む会『12人の優しい日本人』

2020-05-14 00:48:20 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

12人の優しい日本人を読む会(YouTube)

2020/5/12

・陪審員に選ばれた12人の日本人が、被告人の有罪無罪を話し合う話。

・初演が1990年。一番最近の上演で2006年(wiki参照)。

・裁判員制度が始まる前に「もし日本に陪審員制度があったら」という仮定のもと、作られている。

・映画は見たものの、舞台はダイジェストでごく一部しか見ていない。

・とは言え、東京サンシャインボーイズの作品は何度も何度も見ているので(映像だけど)、なつかしの面々が同じ画面上に集まっているのはただただ感慨深い。

・ZOOMを使ったリーディングを配信。

・たまに音が割れたり途切れるものの、聞いていて不安になるような間の壊れかたはなかった。

・各人の自宅からアクセスしていると思われるので、最初のうちは背景に生活感を感じたりする。

・それでも始まってしまえば、見た目は多少変われども、声が記憶と完全に同じですぐに気にならなくなる。

・相原一之さんと宮地雅子さんが「勝った勝った」「勝ってない」と強めに掛け合うシーンが感慨深さのピーク。懐かしかったり、時間の積み重ねを感じたり。

・「~を読む会」と言うものの、ただの読み合わせにとどまらず、狭く区切られた画面の中で各人が過不足なく演技をしている。

・時々、目線が下がることはあっても、露骨に本を見るようなことはない。

・セリフがない時間帯もずっと演技をしている。各人の話を聞いているときの演技が楽しい。

・近藤芳正さんの表情の作りこみ方が激しい。

・吉田羊さんが人形のよう。おそらく5号の性格を反映した演技なんだと思う。

・三谷幸喜さんが本気で笑わそうとしている。笑っちゃダメな役の人、つらそうだった

・動きの少ない作品とは言え、小物の受け渡しや移動など、リーディングだけでは伝わりにくいところを、実際に小道具を用意したり、体の向き、座り方、画面を切るタイミングまで使って細かく作り込んでいる。

・舞台作品のただの代替品ではすまさないという気概を感じる。

・演出はアガリスクエンターテイメントの冨坂友さん。三谷さんらの一回り以上年下。

・半ば古典化した戯曲と熟練の演技を最新の技術とセンスでより魅力的に見せる、理想的な若手とベテランのコラボ作品だった。

 

配役(12人の優しい日本人を読む会チャンネルより)

『12人の優しい日本人』
作:三谷幸喜
演出:冨坂友
出演:
1号…甲本雅裕
2号…相島一之
3号…小林隆
4号…阿南健治
5号…吉田羊
6号…近藤芳正
7号…梶原善
8号…妻鹿ありか(Prayers Studio)
9号…西村まさ彦
10号…宮地雅子
11号…野仲イサオ
12号…渡部朋彦(Prayers Studio)
守衛…小原雅人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

笑の内閣「GW連続企画 高間響作品一人芝居4本立」(UrBANGUILD応援GW緊急企画)

2020-05-12 08:26:00 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

笑の内閣 UrBANGUILD応援GW緊急企画 特設ページ

2020/5/11

高間響さんの書いた一人芝居を4人の役者さんが演じる。

5作品書いた高間さんも、5作品演じた髭だるマンさんも仕事がはやい。

『豊川信用金庫が危ない』は、流言から大規模な取り付け騒ぎが起きた実話を多くの証言を並べて振り返る話。朗読。

『滋賀作は京都から出て行け』は、京都の人間が、滋賀の人間を極端な偏見をまじえて取り調べする話。

『仮面ウォーカー ゼロリスク』は、ヒーローがリスクを恐れるあまり怪人退治で顰蹙を買う話。行き付く先が前日見た道徳自警団みたい。

『鷹峯歌劇団ミュージカル ファウストレディー』は、権力者の庇護を受けて「アキヨ」が自由に振舞う話。

どの作品も社会風刺が効いていて自分の中の「笑の内閣」のイメージどおり。

配信らしさを追求すると言うより、見ていると劇場が恋しくなる感じ。

ファウストレディーが一番ムチャしていて好き。

権利が面倒とのことだけど、劇場ののびのびとした空間で見たい作品だった。

 

<ラインナップ>(特設HP)

『豊川信用金庫が危ない』
 出演:松岡咲子(ドキドキぼーいず)
『滋賀作は京都から出て行け』
 出演:由良真介
『仮面ウォーカー ゼロリスク』
 出演:髭だるマン
『鷹峯歌劇団ミュージカル ファウストレディー』
 出演:高瀬川すてら(劇団ZTON)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

笑の内閣「GW連続企画 髭だるマン一人芝居4本立て」(UrBANGUILD応援GW緊急企画)

2020-05-11 22:28:29 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

笑の内閣 UrBANGUILD応援GW緊急企画 特設ページ

2020/5/10

4本の一人芝居を髭だるマンさんが演じる。

内容云々というより、動画配信前提で作られた演劇ってどんなだろうと思いながら見る。

『新しい神様』は、右手と左手の指どうしがいざこざを起こす話。

『朝の日記(オンライン)』は、話と言うより、周辺の情報や考えていることを語る。詩の朗読っぽい。

『ザ・女ドラゴン 燃えるビキニヌンチャク』は中二男子がエロそうな題名の映画を見るかどうかで葛藤する話。

『道徳自警団日誌』は、町内会の自警団が道徳を根拠に狼藉を働く話。

集合住宅の一室なので、全体的に声量は抑え目。

当然、テクニカル面も不十分なので、普段劇場で演劇を見るありがたみを感じる。

一方で、ステージマジックに対するクロースアップマジックみたいに、少人数に近い距離で見せるような微細な表現なら、配信と相性のいい作品になりやすいのかなと思ったりもした。

 

<ラインナップ>(特設HPより)

『新しい神様』
 作:イトウワカナ(intro) 
『朝の日記(オンライン)』
 作:穴迫真一(ブルーエゴナク) 
『ザ・女ドラゴン 燃えるビキニヌンチャク』
 作:西マサト国王(ボン☆ランド国王・努力クラブ)
『道徳自警団日誌』
 作:高間響(笑の内閣)作

・出演:髭だるマン

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする