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いいピアノを弾きたい

フォーレ

2008年06月07日 | 音楽教室
フォーレ(1845~1924)というと一番最初に浮かぶのは なんでガブリエル?
・・・m( )m・・・
彼の礼儀正しい、(たくさんの書簡から)野心というものがなく、フォルテッシモを好まない、ひたすらきれいなピアノ曲。ドイツものに真剣に取り組みたいタイプの私は高嶺の花の作曲家でした。
もっと勉強しなくてはと思うと じゃあやっぱりバッハから・・・。といっても平均律を右往左往。
そんなことをしていると
・・・えー! クープランやスカルラッティもこんなに面白いの?と順番遵守だ。逆行しているとますます遠ざかってしまい フォーレは聴くだけ・・・。でした。
ちょっと縁あって まじめに譜面を読んで音を出してみると 聴いて感じる美しさの3倍の感動がありました。 
2メートル先の絵をマジカで見るような?
ある方のページで「絵の本質は絵を描くやつにしかわからない」というお言葉があったけれど 「へーじゃあ 絵なんか見ませんから!」と毒づいたことありましたけど・・それはある意味当たっているのでしょう。

テンポを動かさず次から次へと美しい和音をさり気なく紡いでいる音。
聴いているかぎりではおしゃれな借用和音などを細かく聞き取れない私の耳のせいかもしれませんが 譜面をぽつぽつ譜読みして美しい旋律に付随している和音の美しさについ立ち止まります。
シューマンもそうですけど 申し訳ないけれど「聴く」より「弾く」方が断然天才ぶりを堪能できます。
ほんと 弾けてよかった・・・と思います。だからみなさんもピアノを習いましょうね。軽く宣伝。

だってそうですよ 一つ一つの和音をゆっくり味わうことにピアノの醍醐味があるのだから。旋律を味わうのは演歌もフォーレも同じですが、くっついている和音が勝負なのであると思います。うちのFranzも まあフォーレは得意にしているようで(軽く自慢)
やりかけのもの・・・バッハ スカルラッティ ハイドン シューマン・・・生徒たちの課題が中途だと私の目指す音は一定でも それを再現してもらうまで落ち着かない・・・をかかえつつ フォーレにはまってしまって さあ たいへん。という毎日です。この梅雨空に・・しあわせなことじゃ。

フォーレの演奏には 「しきたり」があるという。
安易なルバートは無用だと。しかしあまりにたんたんと突っこめるほどちりばめられた経過音たちを見過ごすことなんかできませんね。パリの人たちはみんな早歩きだったけれど。
味わいつくし大切に大切に響きに同化したいと思います。
弾き手が繊細すぎて悪いことは何一つないでしょう、フォーレを演奏するにあたって・・・。