goo blog サービス終了のお知らせ 

エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

目黒鳥屋は卒業旅行

2017年02月26日 | 家族

「おい起きろ!山へ行くぞ!」

目覚めの悪い高3の長男を揺り起こし、車で出発。

行き先は鬼ヶ城山系の奥、初めて行く「目黒鳥屋」(めぐろとや)。


「なんで山なんかに行かないかんのや・・」

「うるさい!これでも食っとけ!」

車の中でブツブツと文句を言う息子を菓子で黙らせる。

2年前は長女を連れて山に入った。

親子の山登りは我が家からの卒業旅行なのだ。(※親父が勝手にそうしているだけ・・)

ほとんどを車で上り、そこから山の尾根を3つ4つと縦走する。

山の入り口は一番易しいスーパー林道のそば。

息子は親父のトレーニングウエアを着せられて不格好。


初めて見たヤマドリに興奮する息子。

「メッチャでかい!」「メッチャきれい!」「スゲーっ!」

「え?いきなりあの階段?」


何もかもが新鮮らしい。

子どもの頃は海に川に里山にと随分連れまわったが、

歳を重ねるごとに友達と遊ぶことが優先になり、親にはついてこなくなった。

父と二人だけで出掛けるのはいったい何時以来なのだろう・・。

すぐに猪のコルに到着。


もうすでに景色に圧倒されている息子。

少し楽しくなってきたようだ。

体力に心配のない男2人、どんどんと先に進む。

大久保山に到着。


「うわーっ」

スマホで360度パノラマ撮影を無邪気に楽しんでいる。

「今日はあの右端の山まで行くぞ!」


「ウソやろ・・」

「いやホンマ」

先を急ぐ。

八面山(やつづらやま)を越えて、ブナ林に入る。

ササとブナの風景はいつも素晴らしい。


これまでの事、これからの事、

家では生返事だけの息子だが、こういう場所ではちゃんと聞いてくれて、

自分の思いもちゃんと口にする。

大自然の中では親子の会話が素直に出来る。

風が避けれる広場でおにぎりを食べる。

「ウマい」「ウマい」とコンビニおにぎりにむしゃぶりつく姿が何だかうれしい。

「旨いか・・、姉ちゃんと来た時は大変なコースから入ってメシどころじゃなかったぞ(笑)」

先に進む。

熊のコルに到着。


ここからは初めてのコースに入る。

枯れ葉と苔岩で本来のコースが分かりづらい。


足元には霜柱。


案の定、本来のコースからそれてしまい、見晴らしのいい山頂を目指す。


野生のカンは息子のほうにあるようで、言うとおりに進むとコースに戻ることができた。

アドベンチャーを楽しむ息子。


「ん?何か野生動物のにおいがする」

やはり感性は息子の方が強いようで、目の前に現れた4頭の鹿があわてて逃げた・・。

ひときわ景色が広がり、苔ロードを進む。


串が森に到着。


あと少し・・

さすが高校生、息が切れるのは親父のほう。

前日に28km走っていることを言い訳に、息子に先を譲る。

「ウォーーッ!!スゲーーッ!!」

先に到着した息子が叫んだ。

目黒鳥屋に到着。


雲ひとつない素晴らしい景観。


「ホントにすごい」

親父もつぶやく。

感動・・。


記念撮影。


子供の頃、重たそうなランドセル背負って家を出たものの、なかなか学校に辿り着かなかった息子。

決してサボっていた訳でもなく、彼なりの理由がちゃんとあった。

(トンボのヤゴが今まさにトンボになろうとする瞬間を見入っていた)
(溝の隙間につま先が挟まって動けなくなっていた)←ホントらしい・・
(口笛で呼び出すことが出来る露地猫をさらになつかせようとしていた)
(喫茶店のおばさんにつかまって庭の花がもうすぐ咲くことを聞かされ続けた)

かつて「よりみち王子」と名付けられた息子は、この春から地元で社会人。

うまく伝わらないかもしれないが、今回の山登りは親父からの「がんばれ」のエールなのである。

親父と二人でのこの卒業旅行を心の中のどこかにそっと残しておいてほしい。

親父と息子が通った中村高校はこの春センバツ出場を決めた。

後輩たちが大舞台で頑張っているその頃、息子は新人研修に入る。

社会人は辛くて逃げ出したいことのほうが多くなるが・・・、「がんばれよ」。


「おい、帰りはお前の運転で帰るか・・」

「えっ!?」(免許取りたてホヤホヤ)


「いじめ、ダメ!」

2016年01月23日 | 家族

「全国いじめ問題子供サミット」

息子が県代表の一人として文部科学省で行われた「全国いじめ問題子供サミット」に参加してきました。

いじめ問題に向き合う各地域の活動を全国で発表し、

グループ交流やポスターセッションなど「子供達だけで考える」サミットのようです。

地域のリーダー育成としても期待されているようで、

息子もひと回り大きくなって帰ってきそうです。(寒波襲来で交通機関のマヒが心配ですが・・)

いじめ防止で決意表明 子供サミット、AKBも


親父はダラダラとジョギングして花の蜜なんか吸っている場合じゃないな~


娘と共に八面山(やつづらやま)

2015年02月18日 | 家族

この春、地元を離れ都会暮らしが決まった娘を連れ出してハイキング。

まあ我が家からの「卒業旅行」ですね~。

行き先は以前から気になっていた黒尊渓谷の奥の山「八面山」(やつづらやま)。

ちょっとしたトレイルランも期待しつつ、複数ある登山口の中から少し下手の登山口を選び入山。

看板の「ちびっこたち」というフレーズからコースの易しさを想像して入山。


いきなりの急斜面にあっさりとトレイルランを諦めて、体力温存のハイキングに変更。
(ちびっこたち・・無理でしょう)

辺りは枯れ葉で覆われた斜面。

踏み後を確認しながら迷子にならないようにスラローム斜面を登る。

折れた枝を拾い、杖にする。

こんな事さえも娘にはいい思い出になるだろう・・。

初めての標識、「道が間違っていなかったこと」に安堵する。

木のベンチがあるので、ここで給水。「熊のコル」を目指す。

こんな感じの斜面が続く・・

「おそらくコッチだろう」という【勘】もかなり重要。

苔マニアが喜びそうな苔の集まり。

スギゴケ、ヒノキゴケ、・・種類が多くて面白い。

最初の難所に到着。

ロープをつたって急場を凌ぐ。

結構運動神経のいい娘。
体力も申し分なしで、弱音を吐かずについてくる姿に感心する。

「熊のコル」に到着。


少し疲れが出てきたが、風景に癒される。


鹿の足跡


ミヤコザサ。

鹿による食害対策で植えられたと思われる。

ミヤコザサの特徴は再生の早さらしい。

山の保水力を維持するために大変重要な役割を果たしているのだろう。

「四万十川はこういう山々によって造られているのか」と感慨にふける。

これも苔の一種でしょうか・・?

何とも美しいものです。

アセビが蕾を付けています。

アセビは「馬酔木」で、実は毒があり食べられないようです。

ブナ林。

標高1000mぐらいじゃないと出会えないブナ。
これだけでもここまで来た価値があります。

何だろう・・、葉も落ちているのに圧倒的な「癒し」を感じます。

ついに八面山に到着。

標高1165m。

走る格好で来たのに全く走りませんでした。

ここで食事・給水。

こんなところで食べると何でも美味しいに決まってます。

背負っていたリュックもかなり楽になりました。

山の天気は変わりやすい・・

ガスが覆ってきました。


これは・・、じっとしてやり過ごします。


視界が開けてきたのでさらに先に進みます。


これは雷でも落ちたのでしょうか・・。


「鹿のコル」を目指します。


またまた難所。

ロープが「命綱」です。

やっとのこと車道に出ます。


車道からは宇和海が望めます。


案内看板。


ここから車道をひたすら歩いて下ります。
「ラン?」いやいや・・もうふくらはぎがパンパンです。

最初で最後の娘とのハイキング、娘の記憶に残ってくれると嬉しいな~。

新しい土地で新しい生活、頑張ってほしいものです。

最後は、
天から一筋の光が舞い降りた幻想的な風景で終わりにします。