え~はなし

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本当にマジで社会ネタ

2006年01月28日 | アメフト
同じ競技をするものとしてやはりこのことに触れないわけにはいかないだろう。

京都大学の選手が暴行の容疑で逮捕された。本当に残念なことだ。

詳しいことは分からないのだが、今回の水野監督のコメントに感ずるものがある。
つまり「辞められると困るのでここ数年部員に少し甘く接してきた」という趣旨のことをおっしゃっていた。

実は2年ほどまえ、同部を辞めたエース級の選手が自ら命を絶つというショッキングな事件があった。
真偽は不明だが、勝負に厳しい姿勢で臨む同部の姿勢についていけなくなった結果だと当時噂された。

今回の水野監督のコメントはそれ以来のチームの指導方針の変化が前提にあるように思える。

同列で話をするのもおこがましいが同じように一つのチームを預かるものとして、どう手綱をさばくかというのはあの名将・水野監督ですら悩んでいるのだと思い知らされる事件であった。

私もこのことで悩むことがよくある。

厳しすぎては選手がついてこない。
かと言って選手の顔色を伺うばかりでは勝利は遠のくばかりだ。

学生との年の差は開いていく。自然、20代の時のような熱さばかりでは選手が醒めていく・・・
同じことを言っても選手の受け取り方が違う。

勝負事だから勝利を目指すのが当然のはずなのにそれに疑問を呈する選手が出てきたりする。
曰く「我々は楽しくフットボールをしたいだけなんです」
私は戸惑う。
勝つことが楽しいんじゃないの?
そして問う。
フットボールの楽しさって何?
君たちは「楽しい練習」をしたいだけなのか?
面白おかしく練習が出来ればそれでいいのか?

・・・なんてことを思っている折、とある関東の大学監督と話す機会に恵まれた。

ま、甲子園ボウルを十分狙えるチームとだけ言っておくが。
そのチーム、昨シーズン、主将がシーズン前に退部するという通常なら考えられない異常事態があったにもかかわらず、王者・法政をあと一歩まで追い詰めたのだ。

私はその監督氏に問うたのはその主将の退部を監督自身が決意する際、他の4年が、あるいはチームそのものが分裂し取り返しのつかないことになることを危惧しなかったのかということであった。

が。

彼の答えは痛快かつ明確なものだった。
そしてその答えの先に見える氏の覚悟があってこその昨年のチームの成績だったのだと思った。彼のその覚悟があったからこそ法政を後一歩まで追い詰めることが出来たのであろうと思う。

曰く、「そうなったら二部からでもやり直せばいいや、一から出直そうと思ってたんだよ」

その覚悟の深さに正直、かなり感動した。

チームとは何か?プライベートとは何か?
モラルとは何か?
コンプライアンスとは何か?責任とは何か?
勝利とは何か?
大人とは?子どもとは?
選手とは?コーチとは?

様々な問いを今回の京大の事件は私たち関係者に突きつけている。