え~はなし

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昼間・公園にて

2004年11月09日 | ほろり
娘たちを連れていつも行く近所の公園。
川の近くにあって日も良く当たるんだけど、周りを壁に囲まれていてちょっと場末の雰囲気。
大きな道から奥まったところにあるせいか、普段から人はまばらで「公園デビュー」なんてしきたりとも無縁の静かな公園。

いつものように妻と娘が公園で遊んでいるときにその人はやってきたという。

どこからか音楽が聴こえる。

妻がそう思っているとおじいさんが隣接する介護施設からハーモニカを吹きながらやってきた。
どうやら介護施設に最近入所した人のようだ。

ハーモニカを吹きながらベンチに腰掛けるおじいさん。
小さな場末の公園は即興の演奏会の会場になった。

観客は妻とウチの娘たち。

上の娘はおじいさんの横に座って聞き入っていた。
その感動的なほどの腕前。

その腕を買われて以前はテレビにも出ていたこともあるとか。

気がつくと介護施設からの散歩のグループに周りを囲まれていた。
歩くことすらままならないおばあさん。
視点の定まらないおじいさん。
車椅子のおばあさん。

そんな人たちが目を閉じてハーモニカの音に聞き入り、一曲ごとに大きな拍手。

「感動的な光景だったわ」と妻。

「いつでもどこでも人を感動させることができる本当にすばらしい趣味だわ」

その光景を思い浮かべただけで私も心が温かくなった。
早く会ってみたいな。そのおじいさんに。