イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

GENE[ゲーン](6) すべては愛のために

2007年03月31日 22時53分43秒 | 小説
 《GENE[ゲーン]》シリーズ完結巻(第9巻)『天使はうまれる』裏表紙イリの人生のすべては、ヤンアーチェとの愛――。想いを確かめあい、共に生きていこうと誓った二人。だが、真・天空帝国の王太子ラカが、イリを実験材料にすべく拉致してしまう。ラカの野望は、両性具有イリを使った不老不死の体だった!!ヤンアーチェは国王の責務を捨て、一人の男として、イリの救出に向かうが…。衝撃のドラマチック・ファンタジー、ついに完結!!”とある、あらすじを読めば分かりますが、イリのすべてはヤンアーチェとの愛であるように、ヤンアーチェ国王の責務を捨て、1人の男として己のすべてを擲って愛するイリを救出すべく地下迷宮に向かいました

 ただ、二形(両性具有)だから、とか、物語のラストで子を産み“母”になるから、とかというのを除いても、《GENE[ゲーン]》BL(ボーイズラヴ)というジャンルには当て嵌まらないように思います。何故かというと、イリ数え切れない数の情交を複数の相手(♂)と繰り返しましたが、第1巻『天使は裂かれる』の「3 バルト」“前庭(女性器)は華やかなれど、後庭(秘孔)は未だ手付かず。誰の手も入らぬ秘密の園であるな”(P.114)とあるように、在りし日のレイダー公も含め、殆どが花唇(陰唇)=女性器で…蕾(秘孔)=男性器たま~にだったようなので

 完結巻『天使はうまれる』の「3 帝国の崩壊」“国家間の大戦にならず、チャンシャンが巻き込まれずに済んだのは、王としては当然のことで、愛する者を無理やりに奪われた個人としての憎悪や憤怒は、また別のところにある。”(P.126)“話を聞いて想像していた以上に、暗く生気の途絶えた地下は嫌な場所だった。こんなところにイリが拉致されているのかと思うと、ヤンアーチェは胸が潰れるような心地がした。花の都、あの美しいチャンシャンの王都にあってさえ、イリはいつも暗い顔をしていた。俺を憎いと言いつづけていたあのイリが、愛していると言った。心の扉を開き、そこにたった一人、ヤンアーチェへの愛があるのだと示してくれた。ヤンアーチェはこたえたかった。体をつなげ、言葉を交わすだけでは足りないなにかを、イリと分けあいたかった。もしも愛を形で示すことができるなら、どんな形でも示してやりたい。寂しく微笑むばかりだったあの不器用な愛妾に、ヤンアーチェは自分のすべてを与えたかった。王としての自分はやれない。乱世の時代に必要な王が自分だと、ヤンアーチェは知っている。タオホンをこの手にかけたとき、後戻りのできない孤独な王道に足を踏み入れたことは承知していた。だから男としての自分は、たとえ血の一滴までも、兄殺しの罪に濁った体液にすぎないとしても、いらぬというまで捧げてやりたかった。”(P.129~130)ヤンアーチェの愛のすべてイリに注がれています。底の浅い疼く程度“なけなしの良心”薄っぺらに漂うくらいで、元々、イリ欠片愛していなかったくせに愛しているフリをしていたロクデナシのバルトとは格が違う  格が段違いにね 人身売買組織〈自由同盟〉の頭であるバルトは、喜んで人身売買をしていたロクデナシですからね

 ヤンアーチェ“偉大なる賢王”だと思い込んで尊敬していた父王ユンヤミンの実態は、無能な中年オヤジだった。そのユンヤミン“朴念仁だぞ~と判を捺したのはホークァン(33歳『この世の果て』の時点です。それほどに歪んだ潔癖さを固持していた筈だったけれどイリと一夜を共にして豹変した過去を忘れたホークァンは間抜けとしか言いようがないわ 何故なら、第5巻『この世の果て』の「5 天使と夢の中で」“思い通りになることなど、ことがヤンアーチェの身の回りの事態であるとなると、そうそうありはしない。だが潔癖な王(ヤンアーチェ)イリと寝ることで、その淫蕩(いんとう)に嫌悪を抱けば、淡かった初恋が脆く崩れさる可能性は高かった。イリは本物の女ではない。男でさえない。その肉体の複雑さは、清童であるヤンアーチェには重過ぎるだろう。裸の肉を重ねてみて、は初めて気づくに違いない。その肉が薄皮一枚のものに過ぎず、執着していた二形に神秘性などなに一つないのだと。イリとの完全なる決別、それこそホークァンがヤンアーチェに望む成長である。しかし彼は誤算していた。かつて朴念仁とみずからが判を捺していたユンヤミンさえ、イリと寝室を共にしたあとで別人と化したのである。”(P.154~155)と、二形の肉体神秘などなく幻滅イリ・イン・ラーチョオ(24歳)との完全なる決別というヤンアーチェ(18歳)の成長を目論んだホークァンは、ユンヤミンが豹変した過去を忘れたがゆえに、自業自得の挫折を味わいました。

 一方のを盛られ夢現(ゆめうつつ)イリと結ばれたヤンアーチェ自分の代で廃止するつもりだった後宮を抱える事になり父王ユンヤミン(享年39歳)の腹上死により亡命時からの存在自体を抹殺されたイリ非公式ながら後宮第1位の妾妃として迎える羽目に陥りました。しかしヤンアーチェ“生来の色悪”らしく「天使と夢の中で」“女を抱いたこともないくせに、もしかしたら天性の色悪かもしれない。”(P.183)イリに思わせるくらいで、その唇も肌も…父を死に至らしめた淫売唾棄したイリのすべてに耽溺して、その股間の少女も少年も堪能する濃厚なセックス・ライフを展開し、ヤンアーチェ肌を重ねずに10日と離れてはおられぬ慢性の禁断症状後宮に仕える女官たちの間でイリへの耽溺ぶりが伝説化されるほどに… まだイリに愛されている真実  を知る前なので自分は淫奔な色情狂100%被害者だとヤンアーチェが思い込んでいましたが。

 画像は、篠原千絵先生の『天は赤い河のほとり』ヒッタイト帝国が滅亡する漫画の中での元凶である恥知らずな主人公カップルのユーリ・イシュタル(鈴木夕梨)&カイル・ムルシリⅡ世です。ユーリ&カイルは大嫌いだけれど、この絵のようにイリヤンアーチェ子宝に恵まれ、ファミリー・ドラマを繰り広げて欲しいから

GENE[ゲーン](5) 官能の妖精イリ

2007年03月30日 07時48分26秒 | 小説

 他よりも過ぎた文明や突出した科学力を望んでいなくても有している事がまるで“悪”であるかのように、そんなくだらない理由結託した身勝手すぎる国々の暴挙により、後のチャンシャン王妃…二形(両性具有)の主人公イリ・イン・ラーチョオ祖国である天空帝国を失いました。鎖国する事情があるのだろうと思い遣らずに、傲慢な態度だと一方的に憤懣を溜め続けた末に、同盟を結んで滅ぼさないと矛先が自分たちに向くからという保身の為に、チャンシャン王国、そしてセルゲ・ロッサは、チーイン王朝最後の皇太子ラカ・チーイン・チーイン狂っているとも知らずに彼の虚像を真に受け、隷属したという自覚もなく、そうなっていました。

 そして、チーイン王朝真・天空帝国を名乗り天空帝国を滅ぼし、血族の片割れであるラーチョオ王朝を皆殺しにしました。300人以上いる皇族の末席に過ぎない、一般市民(コモン)と変わらぬ生活を過ごしていたラーチョオの名を冠する”イリは、13歳の時、愛する科学者の両親処刑され、〈太(タ)大陸〉の北東側の〈嵐の海〉にある天空帝国だった島に残された民たちは皆殺しにされ、両親を失ったイリは、チーイン王朝の手先である自由同盟の先の盟主フィアルドの己の欲望を兼ねた人身売買で、他の皇族や天人の血を引く市井の民と共に奴隷として売られた事で皮肉にも生き残ったのです。

 ラーチョオ王朝光油を独占していると難癖をつけて国土は壊滅皇族から市井の民に至るまで人身売買で奴隷として売り飛ばされたイリを含めた一部を除き殲滅…皆殺しにする、という虐殺を行ったチーイン王朝加担したチャンシャン王国セルゲ・ロッサは現実には同盟を結んだことで植民地化を受け入れるのを自ら承知した、という事に13年も経った今更になって気付くなんて、遅すぎるぞタワケどもが  イリの愛する男がチャンシャンを愛する国王ヤンアーチェでなければ、チャンシャンが滅んだところで、私の心は少しも痛まない  自業自得だからです  共和制の恩恵に浴した飾り物の分際で、チーイン王朝に身売りし公王家による〈海下(カイカ)大陸〉の独裁を実現させたセルゲ公国なんか滅んだ方が良かった。イリにとってのエルネスト・ヤーゴ・レイダー公に比べればセルゲ公王に生きる資格はありません ましてや、バルトの手駒になり得る存在となるディトリスがいたせいで、イリフィアルド親父同様にロクデナシのバルトに捨てられたのだから

 天空帝国の人々皇族から市井の民に至るまで、そして後にセルゲ公王家を唆し攻め滅ぼしたイリ第2の祖国《ロッサ共和国》の人々も、その全てをラカの人体実験のモルモットに提供していたフィアルドの悪行を…自分とは逆にラカの手先だったと知りながらも諌める事を怠っていた愚かなバルトは、その父と同類ゆえに“凌辱処理の人形”と看做していた己を自覚しただけマシなロクデナシでした。イリの心に生きる意欲を…愛の炎を燃やして欲しい、と本気で願ったのでしょうが、自分に対する想いが上辺だけのものだとイリの無意識が…その本能が悟っていたからこそ何の変容もなかった。生半可な想いなど無能なのだと遂に悟れなかったバルトに世界を救えるはずがない…背負える筈がないのです その行動が示すようにバルトの世界に対する感情も“広く浅く”なのですから

 望まぬ情交も含まれるけれど、長きに渡る男遍歴の中でデイトリット・ファーハンネイト・ドワウス・セルゲ(享年22歳)“優しい想い出”となってイリの心の中にいられるだけ、至福と思って貰わないとイリ可哀想です。何故なら、第3巻『紅蓮の稲妻』の「1 国葬」での初対面で、「そうかこんなところに……この者はロッサの貴族、エルネスト・ヤーゴ・レイダーの愛人のイリに違いありません。卑怯にもレイダーは戦前に配下の者に財を分け与えて逃がし、みずからは歴史的価値のある〈千本針の城〉を焼いて自害した大罪人です。この者はレイダーと共に死んだとされておりましたが、よもや異国の情けにすがって生き長らえていたとは……この者を引き渡していただけるのですね?そのために殿下はこちらで待てとおっしゃられたんですね」(P.40~42)などと、あろうとかレイダー公大罪人と罵倒イリセルゲの父王に重く処罰して貰おうと思っていたのですから。しかし、官能の妖精イリに溺れ虜になりました。無理もありませんね 亡きレイダー公《理想の愛妾》とすべく調教し、文化文明の誉れ高きロッサ共和国の最高の教育を施し、夜のレッスンも欠かさずにイリ磨き上げたのですから

 第7巻『螺旋運命』の「2 デナルドン・ファミリー」イリ、なぜ自分があの男に狙われているのか、心当たりはないのか?」「やはりお前もアイツは俺を狙っていると思うんだな、バルト」唇を結び、イリは青ざめた頬を伏せる。愚鈍なふりができても、気づかないふりをしてみても、現実は変わらない“アイツ”と最初に会ったときから不安を感じていた。それは無垢だった自分に性技を仕込んだレイダー公に感じた畏怖ともまた、まるで異なる感覚だった。なにか嫌な予感、うすら寒い恐怖を感じる。あの美貌の裏側にある目に見えないなにかが、形をなさない恐怖を発しているのは間違いない。”(P.82~83)とあるように、チャンシャン後進国の野蛮人と陰口をたたかれて屈辱を感じているようですが、本当の事を言われているだけの、近代国家からは程遠い蛮族に違いありませんね。国政改革の道具として、散々、利用した挙げ句に切り捨てたホークァンでさえ、まだ自由同盟を介して入手したチーイン王朝の皇女だという偽情報にあるワラウル・ドーテ・チーイン諜報・暗殺を司る〈影〉である事も、その〈影〉の存在自体を知らなかったド阿呆ですから。

 流石は後宮に召し抱えても権勢欲とは無縁の女だとヤンアーチェ太鼓判を押しただけの事はあるヨンジャです  イリヤンアーチェの絆の深さをよく理解していますね、『螺旋運命』の「4 青春の終わり」ヤンアーチェはヤカテー神のうつし身なのだ。イリをなくせばヤカテー神は狂うだろう。それはチャンシャンの崩壊を意味している”(P.143)イリの存在の重要性リンゴビエニィの次に准ずるとはいえイリヤンアーチェの理解者ですね


GENE[ゲーン](4) 天人の末裔-失われた鏡像の一対

2007年03月30日 07時47分53秒 | 小説

 血族婚を繰り返し“先祖返り”ゆえに天人の末裔の特徴である、光の加減で青銀の輝きを帯びるブルー・ブラックの髪と銀の漣のような銀灰の煌めきを宿す黒真珠の瞳、男でもなく女でもなく、そのどちらでもある完全な二形の肉体を有する《GENE[ゲーン]》シリーズの主人公イリ・イン・ラーチョオは、科学者でもある金髪碧眼の父母の許ラーチョオ王朝の末席として生を受けました。

 イリ13歳の時、ラーチョオ王朝2千年前に袂を分かったチーイン王朝とその三下に成り下がった三国同盟の他2国(チャンシャン王国、セルゲ・ロッサ共和国)侵略&殲滅され、太大陸の近くの《嵐の海》にあった天空帝国の焼き払われ、辛うじて助ったと思ったのもつかの間民も1人残らず皆殺しにされた後の真・天空帝国を名乗るチーイン王朝により植民地化されました。

 知的資源となる事を拒んだ両親〈旧・三国同盟〉によって処刑されたイリ〈旧・三国同盟〉の締結暗躍した自由同盟の人身売買エルネスト・ヤーゴ・レイダー公爵性奴として身請けされました。レイダー公の居城〈千本針の城〉に迎えられ、〈理想の愛妾〉として育て上げるべく〈王蘭の間〉を与えられ調教されました。そして、公の理想どおりに…いえ、それ以上に素晴らしい存在となり、誰よりも深く公の寵愛を受け、〈第1位の愛妾〉として君臨しました。

 ところが、その3年後《真・天空帝国》に唆された“無駄にプライドの高い”セルゲ公王家戦争を仕掛けられ、敬愛する養父レイダー公を失った16歳のイリは、流れついたチャンシャン王国後宮先の国王ユンヤミンの寵妃として…ユンヤミンの死後タオホンに囲われながらも己の“女性器”を無用な肉体的欠陥だと思い、己に“それ”がある事にさえ嫌悪を抱き恥辱の象徴として忌み嫌っていました。山藍紫姫子先生(株)宙(おおぞら)出版『イリス‐ 虹の麗人‐』の「Ⅱ」“イリスは自分のなかの女を嫌悪してきたのだ。それを晒してみせるというのはどうにも耐えられないことなのだ。意識のうえでは、男として生きてきたのだから。男として、必死にやってきたというのに……。”と、己の肉体の“女”を嫌悪していた両性具有の主人公イリス・ネルロードのように。

 但し、《GENE[ゲーン]》シリーズの二形(両性具有)の2人には生殖能力がなくヤンアーチェとの愛により卵巣から卵子が発生したイリは後にヤンアーチェの正妃となり王子を出産して次の世代残す事が出来ましたが、既に狂っていたラカ“愛”を知る事は無く生殖能力を得る事はありませんでしたが、それを除いても決定的に異なる点は、山藍先生の描く両性具有とは、子宮のない不完全なタイプチバガイギー社の資料を参考 by 山藍先生)で、生殖能力の有無以前の問題です。

 真・天空帝国が滅び、ロナン連邦が樹立され、チャンシャン王国・ロナン連邦・セルゲ公国の新三国同盟の調印式が行われた後にイリの許を訪れたヤンアーチェ不機嫌の塊でした。チャンシャンにいれば金髪銀髪赤毛のトリオ(金髪=ミハイル、銀髪=サーシャ、赤毛=リンゴ“何故、イリを連れ返らないのか ”と責められ、ビエニィには泣きつかれ 、と散々なのに、肝心のイリは調印が済むまではと沈黙を守ったままなのですから当然ですね。しかし、この完結巻でのバルトとホークァンの関係は逆転していました。バルト世界の命運を背負っているヤンアーチェ“たった1人の人間の為に動くなど”イリを切り捨て、ホークァン“言うな!”ヤンアーチェを行かせた狂気の沙汰(今迄のホークァンの悪行のせいで正気の言葉とは信じがたい)バルトを沈黙させたのは珍しいシーンでした。しかも、ミハイルまでもがイリを見捨てる言葉を、口走っていますが、これは明らかに五百香ノエルの明白なミスですね。

 五百香ノエルチャンシャン軍を全軍投入して真・天空帝国を倒せたとしても、イリを盾にされた時、祖国をイリ一人の為に犠牲にするなんてバカげている!”兵士たちそう考えるに違いないから、真・天空帝国諸共にイリ滅ぼすだろう、とミハイルに言わせたかったのでしょうが、“世界がイリ一人の為に犠牲になる必要はないんだ”という言葉ではミハイル“世界”如きの為にイリを犠牲にしても構わない、と見捨てる言葉を吐いたかのような、誤った印象を読者に与えてしまいます。真のミハイル“死んでもイリを見捨てる言動とは無縁”の、見返りをイリの想いよりも優先させてしまうサーシャとは異なり、無限に“無償の愛”をイリに捧げる男ですから。

 ところで、ホークァン血迷って感心してしまったのもつかの間、“昔から、国が突出した軍事力や資源を占有してはいけないという事さ”という愚かな持論を振り翳したのは相変わらずなので、呆れました。その愚考ゆえに“富を占有した”という言いがかりでしかない、理由にならない理由で、イリと同様に人身売買で離散した人々を除くラーチョオ王朝とその民を皆殺しにして国土を焼き捨てる、という許されざる大罪を犯したのですから。

 本来ならば、チーイン王朝最後の皇太子ラカ・チーイン・チーイン尻尾を振っていた手先のフィアルドは勿論、フィアルドに騙されていた自由同盟の面々、他の“右ならえ右”をやらかしたチャンシャン王国セルゲ・ロッサ共和国皆殺しの報復を受けたって文句を言えません 投票によりロナン連邦の大統領に就任したジャコー・セリオンもその1人です 何故かと言うと真・天空帝国としてのチーイン王朝の罪セリオン最初の仕事として謝罪すべきなのに、彼らに滅ぼされた真に“天人の罪”を自覚するラーチョオ王朝の生き残であるイリチーイン王朝の罪  を謝罪させ、幽閉したからです。

 画像は、宙(おおぞら)出版より復活した山藍先生両性具有3部作(1つだけ性転換手術による人為的な両性具有あり)の1つである『イリス‐虹の麗人‐』です。但し、主人公のイリス両親や兄姉拒絶され、トラウマを抱えていたとはいえ、慢性ヒステリー&被害妄想の塊です


GENE[ゲーン](3) ロッサのサルダナパロス

2007年03月30日 07時47分35秒 | 小説

 この、後年の主人公イリ回想読者語りかけるように各巻の本編前後をサンドウィッチにしている《GENE[ゲーン]》シリーズは、の知る限り珍しい形の小説ですね。

 チャンシャン王国後進国ゆえに劣等感を募らせ…分裂する前のセルゲ・ロッサ共和国(ロッサ共和国+セルゲ公国)“無駄に高いプライド”ゆえに、後に真・天空帝国と名乗る、もう1つの天空帝国に君臨するチーイン王朝の…正確にはラカ・チーイン・チーインただ一人の命令による侵略に加担し、小さな島国の中でひっそりと終焉を迎えようとしたラーチョオ王朝の天空帝国を滅ぼし、王朝の末席に連なるイリはひとりぼっちになりました。

 偉そうに自分たちを“必要悪”だと自惚れる人身売買の腐れ外道の集団である〈自由同盟〉に売られたイリ性奴として身請けし、〈理想の愛妾〉に育て上げるべく調教して夜伽の相手を命じ理想どおりに…いえ、それ以上に成長した〈第1位の愛妾〉イリを慈しんだ“お初の相手”にして養父エルネルト・ヤーゴ・レイダー公爵は、義母ゆえに報われぬ初恋の女性・藤壺の女院、その忘れえぬ面影の人に生き写しであり彼女の姪である紫の上を幼い頃に連れ去るように引き取り、〈理想の女性〉に育て上げ、妻とした光源氏のようですね。

 そして、その死に様は叛乱により自ら城に火を放ち近習や妾妃達を道連れに命を絶ったサルダナパロス(サルダナパール)王を描いたアングルの名画《サルダナパロスの死》を思い起こさせます。しかし、サルダナパロス王の最期と異なるのはサルダナパロスは財宝や妾妃、馬etc…自分のモノは全て道連れにして、自分と共に燃やし尽くしたけれど、レイダー公イリ黄金の騎士ミハイル白銀の騎士サーシャを付けて、“死んではならない”と命じて落ち延びさせました。

 自分ではヤンアーチェを憎んでいると思い込んでいたイリを愛するヤンアーチェと波乱万丈の果てに結ばれ、愛の結晶である子供を産み落とし、子を成す事も叶わぬ出来そこないの二形(ふたなり)と己を卑下していたイリ“幸福に包まれた光り輝く未来”へと導いたのは亡きレイダー公なのです しかし、憎しみを抱いたと思った“施し”を受けた時にフォーリン・ラヴ という事は、イリは7歳のお子様に射落とされていたのですね

 バルトは、生涯、イリの人生を見守り、その後見を続けるつもりでいた、などと自分で自分に言い訳をしているロクデナシです バルト世界を救うのは俺だけだと自惚れた時に、“たかが一人の人間の運命など世界の命運の前には塵芥”だと、誰よりも許されぬ罪を犯したのです。

 それにしても、五百香ノエル書き忘れた、というか書ききれないと分かって書かずに逃げた…書き逃げの部分である、真・天空帝国の侵略に加担するようにユンヤミン半ば脅迫した元凶の癖に“4年前、天空帝国ラーチョオ王朝が突然に征服され滅んだことは、いまでも気の毒に感じていますよ、イリ様”天空帝国を侵略し残飯漁りをした宰相ラジャ・シン・ジュールの、初めて逢った時にイリにぶつけた暴言には呆れ果てました。

 ラジャの補佐官でありイリ散々に利用した罪を償う気のない腐れ外道であるホークァンは、“受胎可能でも自分達が滅ぼしたラーチョオ王朝皇室の最後の生き残り”であるイリチャンシャンの罪の証”でもあり、先王ユンヤミンの腹上死タオホン謀殺により存在を抹消した事も含めにも王妃にも出来ないし、世継ぎの王子イリが産んだとしても母子共に闇に葬り去るのがチャンシャンの為だ”と本気で考えていてラジャと共に実行したに違いなかったのに、どう改心したのでしょう サリア・ビキでさえも至尊の君(主君)ヤンアーチェの伴侶としては、認めがたく存在してはならない下賎の輩イリを侮蔑し、チャンシャンが過去に犯したラーチョオ王朝殲滅の大罪を隠蔽する側に加担するのは明白だったのに、彼女の心に如何なる変化が生じて改心したのか そこをきちんと書けなくてチョコチョコで完結させたのが、五百香ノエルの未熟と言えます。

 画像は、ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル《サルダナパロス(サルダナパール)の死》です。寝台の上のサルダナパロス王優雅で堂々としていて冷厳で、これから死にゆくようには思えませんね。そんな姿が威風堂々にして退廃的なレイダー公にピッタリ!


GENE[ゲーン](2) デナルドン・ファミリーを倒せ!

2007年03月30日 07時47分21秒 | 小説
 第7巻『螺旋運命』父フィアルド見せしめに殺され自由同盟の新たなる盟主となったバルト・デナルドン・バティ英雄気取りで“世界を救えるのは俺様だけだ” と自惚れ、たった1人の人間の為に時間を使えないと言い訳をして二形の主人公イリを捨てたばかりか、バルトの長兄ダビデと次兄ローラン父親と同類の自分の欲望も兼ねた人身売買が大好きな腐れ外道 で、同盟の盟主が殺害された現場の責任を問うフリをして無理難題をふっかけ末弟バルトのペットと看做したイリを凌辱しましたそのバルトは彼らを八つ裂きにして謝罪すべきです ところが、バルトはバカ兄どもの悪行を知らないまま…奴らは裁かれぬままで、五百香ノエルは愚かにも幕を下ろしてしまったのです 終始、言動が無礼千万なバルト“俺様が主人公だ”とばかりに、描いていた五百香ノエルにも呆れます。

 ところで、幾ら、“マーマ・エビータ”と呼ばれているからって、バルトケダモノども“マーマ”と呼ぶのには呆れました。幾つになっても子供は子供と言っても、いい年をしたオッサン と罵倒したくなります。ケダモノどもが父親の死を哀しんでいない事はイリを凌辱した事で明白ですが、それはこの母エビータがそう育てたからですね。エビータも夫フィアルドの死を哀しんでなどいない証拠に、チャンシャンを含めた各国より下の立場である同盟を、この期にチャンシャンの責任追及を装い、チャンシャンよりも上の立場に向上させようと企んでいる腐った女の腹から生まれたからこそ、末弟バルトも含めたバティ兄弟は腐りきっているのです

 父の喪に服すべき息子達があろうことか、責任を問われる立場にあるとはいえチャンシャン王国の現国王ヤンアーチェの妾妃を凌辱した 表向きの第1位の妾妃ヨンジャとも友好関係にあり、真の後宮第1位の妾妃であるイリバティのケダモノ兄貴どもは“妾妃に祭り上げられても、お前は今も恥知らずな性奴だ”と罵り凌辱したのです その母エビータ奴隷売買の罪を恥じるどころか、夫の喪中に同盟の立場を向上させチャンシャンを自分たちの好き勝手にしようと企む腐れ外道です チャンシャンも他の国々も同盟からの分離独立を果たし、彼らを断罪すべきです。現在の“同盟なくしては生活が成り立たない構図”を改善し、同盟を叩き潰し 自らの力で交易を含めた生活の全て成り立つように、チャンシャンよ…世界中の全ての人々よ、立ち上がれ

 この第7巻でのケダモノどもがイリを凌辱するシーンは不要なばかりか、話の流れの中に存在するには不自然です。何よりも、喪中ですよ このような許されざる罪をしでかした恥知らずなケダモノどもが裁かれずに野放しなんて、 何がメデタシメデタシなのでしょう ロッサ共和国を滅ぼし生き残った住人を、真・天空帝国人体実験のモルモットに差し出したセルゲ公国も滅びるべきです。公王は前非を悔いてイリロッサ土下座して謝罪さえしない恥知らずなのですから

 画像は、古代ギリシャの性風俗について描かれた、《EROTICA》です。

GENE[ゲーン](1) 天使の涙

2007年03月30日 07時43分27秒 | 小説

 (株)徳間書店キャラ文庫五百香ノエル《GENE[ゲーン]》シリーズは、二千年前に袂を分かった同族チーイン王朝に滅ぼされたラーチョオ王朝の末席であり、天人の血が色濃く顕現した“先祖返り”ゆえに老化の遅延で20代後半になっても10代にしか見えない二形(両性具有の主人公イリ・イン・ラーチョオと、お子様ゆえに…愚父ユンヤミンの歪んだ純粋培養によりイリの身も心も傷つけ、愚行を繰り返したけれどイリに許され愛された6歳年下の“イリの運命の人”ヤンアーチェ・チャンシャンの愛の物語  です。

 文字通り“心も体も裸”にして漸くイリヤンアーチェが心も結ばれ、愛するイリチーイン王朝尻尾を振って〈旧・三国同盟〉セルゲ・ロッサと共に結んで、チャンシャン王国が滅ぼした天空帝国の僅かな生存者の1人であり、ラーチョオ王朝皇室の最後の1人であるという衝撃の真実ヤンアーチェが知った第8巻『心の扉』から完結巻(第9巻)『天使はうまれる』ヤンアーチェ(20歳)と共にチャンシャンに還るまで26歳だったのにイリの回想を記した終章の手前の、完結巻と同じタイトルの“本編の最終章”「天使はうまれる」でいきなり1年後に飛び  いつの間にか結婚  していて、27歳の正妃イリ・イン・チャンシャン(旧姓★ラーチョオ)が愛する夫王ヤンアーチェの息子を産み、次代のチャンシャン王となる世継ぎの君である王子を産んで“母” となっていました。しかし、最後にチョコチョコっという表現だけで済ませて、五百香ノエルは妊娠や出産をなめているのでは

 2005年11月12日の《三十路のBL読書日記》で、山藍紫姫子先生の作品の1つである『幾千の河もやがてひとつの海になる』が紹介されていますが、“恋愛で盛り上がり中の作家が恋愛小説を書けば、おそらくポジティブシンキングなハッピーエンドのお話になるでしょう。そして逆もまたしかり。壮絶なグロシーンと乱雑なストーリーにあぜんとした後で、あとがきを読んだら全てが腑に落ちました。これは今から16年前、作者が出産直後の精神混乱状態で書いた(書きなぐった?) お話だったのです。産後のホルモンバランスの乱れと、初めての育児による肉体と精神疲労による過剰ストレスを、極度に残虐で過激な小説を書くことにより発散していたようです。” との事でした。

 それ程に、妊娠・出産と育児は精神的にも肉体的にも過剰なストレスを齎すものなのに、あっさりし過ぎです。鎖国を徹底して完全に国交を断絶しただけで欠片も罪の無いラーチョオ王朝の皆殺し&天空帝国の殲滅というチャンシャン王国が犯した罪の贖罪も兼ね、末席とはいえラーチョオ王朝の唯一の生きである“イリ・イン・ラーチョオ殿下”との婚儀なのですから、盛大に執り行われた筈なのに省略しないで欲しい。妾妃を整理しただけではなくて、婚姻の儀とイリの正妃(正妻である王后陛下)としての戴冠式までも無いなんて、五百香ノエルの怠慢

 ラカ・チーイン・チーインに唆されたセルゲ公王家第2の祖国《ロッサ共和国》を攻め滅ぼされ養父エルネスト・ヤーゴ・レイダー公爵を失いチャンシャン王国に亡命したイリは、チャンシャンの先の国王ユンヤミン(享年39歳)を誑し込み、傀儡にしようと企んだホークァンにより正嫡の第1王子タオホン(享年22歳)イリ密かに引き合わされ加虐的な情交を強要されました。年始の挨拶ホークァン“異母妹”されて紹介されたイリ“父王の愛妾”だと知りヤンアーチェが挫けた夜、ヤンアーチェとの年始での最悪な引き合わせにユンヤミンとの情交を無意識に避けようとしたイリに、まさか下の息子のヤンアーチェ(13歳)を憎み続けていると思い込んでいたイリ(19歳)が彼を愛しているからだとは想像だにしない中年オヤジは、まだ心の中にレイダー公がいるから気が進まないのだと嫉妬のあまりハッスルしすぎてイリとの情交中腹上死、そして次の国王になる筈だったタオホン13年前にラカの狂気を蝕まれ売国奴に転落してしまい、イリを巡り火花を散らしていたというのが本音ゆえに“妾腹の第2王子であり王位とは無縁”ヤンアーチェが謀殺しました。つまり、ヤンアーチェ一点の穢れも無い名君を装い、王位を簒奪したのです!

 ラクチエ妾太后様、貴女息子の養育に失敗しましたね 簒奪など言語道断と涙ながらにヤンアーチェと決別し、その3年後に幼いヤンアーチェが、チャンシャンを含めた旧三国同盟に祖国を滅ぼされ自由同盟に奴隷売買された13歳のイリに対して犯した罪ラクチエは知らされました。垂れ流しの同情が時には凶器となって人の心を傷つけるのだ!と。まだ7歳の子供だからと許される事ではありません。それでも、ヤンアーチェの罪を息子に代わって謝罪し救ってやって欲しい とイリに懇願しました、ゆえに。ヤンアーチェが己の罪を悟りイリを幸福にするまで、息子を許さなかったけれど。

 しかし、ヤンアーチェの血族の男達と肉体関係にあったイリと進んで仲良くしたいと思わなかったのは、そうあらねば生きる道がない者の苛酷な運命を察せられずイリ捨て駒にしているホークァン・エイリーの戯言をラクチエが真に受けてしまったに他なりません! イリは微塵も悪くありません。何が…誰が悪いのか、を見誤り人を見る目を持てないラクチエの至らなさは、まさしく“この母にして、あの息子あり”です ヤンアーチェを救えるのはイリだけだと救いを求めながら、その裏ではイリを快く思わない腹黒さを隠して謝罪すらしないとは。

 それにしても、勝手にチャンシャンは傾いたのに“傾国の咎”イリを廃園に幽閉するなんて、ヤンアーチェ(15歳)とことん呆れたお坊ちゃまですね。朴念仁で無能の判を押し見限ったユンヤミンに…その死後は秘密裏に同衾させたタオホンにイリを囲わせ思い通りの傀儡にならないと知るやヤンアーチェに乗り換え、タオホン諸共にイリも用済みの道具だからと見捨て、むしろ邪魔なイリを抹殺すべく悪口を吹き込んで憎ませたヤンアーチェ死ぬ自由さえも奪われ、幸か不幸か生き永らえたイリを終身刑の幽閉に追い込んだホークァン最低です

 嘗て、ユンヤミンの後宮第1位の妾妃(しょうき)だった頃のイリが住んでいた宮居(ぐうきょ)〈しずく宮〉を気に入っていたので、タオホン謀殺の時の褒美として貰い受け自分だけは“我が世の春”を満喫していたホークァンが、“清童…つまり童貞君だった ヤンアーチェ(18歳)筆下ろしイリ(24歳)に持ちかけたのには呆れました。

 愛人のアリー・ギソン(♂)を失ったとはいえ、イリを踏み躙り…そしてイリを守ってくれと頼んだバルトを裏切ったホークァンが、謝罪も罪の償いもしないまま、ヤンアーチェが落籍しイリの友人にもなったヨンジャを下賜されて妻に娶り幸福になるなんてそして、愛も友情も犠牲にイリを切り捨て踏み躙ったバルトに世界を救い、その命運を背負える力もなければ、それ以前に資格さえない 世界は、誰一人としてイリに対する仕打ちや犯した罪を償っていません誰も彼もがイリに甘えて、贖罪を忘れている。

 画像はレイトンの《ペルセポネの帰還》です。


火輪(1) 広の心に見出せない愛の真実

2007年03月06日 19時22分57秒 | 白泉社

 繰り返し、広(コアン)片恋(片想い)の執着から白真珠の精・白玲を手に入れようと、彼女の夫である叔父・祐を殺した過去が描かれましたが、いつまでも過去の恋に縋りつき祐の愛の形見である白玲の子カイを、顧みようとしなかったが、真実、カイを愛しているなんて信じられる筈がない 自分の許嫁に定められたとはいえ、白玲が愛する祐に婚姻の相手を変更すれば、誰も不幸にならずに済んだのに、祐の兄にして広の父である先の竜王・祥(シアン)には呆れます

 その出自ゆえに白玲を釣る餌に子に恵まれず後継に窮した先の天帝に奪われた、天宮でのカイの様子を知らせる必要がなくなると、天宮に寄りつかなくなったのですから そんながどのような経緯でカイを愛するようになったのか微塵も描かれなくて誰が信じると言うのだろう ここに、河惣益巳先生計画性の無さ浮き彫りにされていますね

 よく、これで傑作とか、大陸英雄伝とか偉そうに宣伝できるのか、理解できません。の養い子であり白玲の姉・花(ユイホワ)の実子リーアンを贔屓しカイを蔑ろにしているくせに、カイリーアン等しく慈しんでいると言ったのには呆れました存在自体が既に罪である己自身を自覚せずに従姉妹姫とラブラブになっているリーアンが許せないし、いい加減な男です

 画像は、レイトンの《Clytie クリュティエ》です。


エレオノールの乱(1) ケダモノは征服欲と被害妄想の権化

2007年03月02日 06時22分53秒 | 小説

 山藍紫姫子先生『アレキサンドライト』で悪逆非道の限りをシュリルにするラモンを 青い奴だと思って《生暖かい眼》で見てやって下さい”《馬鹿な子供ほど可愛い》なのか弁護していましたが、青い奴で済ませるには過ぎた振る舞いの呆れた奴ですね、ラモンは。卑屈で被害妄想の塊で、何かと言うと“年下の俺のことなど、未だに小馬鹿にしているのだろう”とか“年下の男の方が、味も良かろう”、おまけに“年下の夫も良いものだ” マクシミリアンを意識しての事を除いても、たかが2歳しか違わないのに、シュリルに当り散らしているのを青い奴で済ませないで欲しい。腐っています! ラモンは。

 投票によって国民の代表が決められるという国民議会だそうですが、本当にそうかしら?エレオノール領でのラモンによるギドゥーの離宮という牢獄に幽閉したシュリルに対する仕打ちと、シュリルを慕い喜んで主として迎え入れた領民を蔑ろにしている国民議会の何処が、そう言えるのでしょうか?エレオノール領の事はエレオノール領で解決すべき事で、如何に革命政府の下にあろうとも好き勝手が過ぎると言うものです! 余所者が牛耳って喜ぶ人間はいない。

 シュリルの生活は伝わってこない、自分達が喜んで  迎えた主なのに面会も許されぬばかりか、ラモン  という余所者が部下を使ってシュリルのいる離宮を牛耳っている。そんな状態で不満が募るのは当然です。シュリルが説得しない限り、暴動が起こるのは…そして革命政府が滅ぶのも時間の問題でしょう。


いつまでも停滞させる怠慢な作家達

2007年03月01日 05時27分09秒 | Weblog
 最近、小説や漫画を問わず停滞させ、サボって恥とも思わぬ馬鹿な作家が増えている。

 集英社コバルト文庫の作家で桑原水名先生《炎の蜃気楼》シリーズの本編は主人公を殺して完結したけれど邂逅編が途中で休刊させて新作に夢中! 金蓮花先生《竜の眠る海》シリーズ《水の都の物語》シリーズをほったらかしで新作に…!! 編集部では必ず書くと言っているけれど、サボっている当の本人たちが、あのザマではね

 漫画の方でも、CLAMPが今迄の作品のキャラを設定を変更して『ツバサ』を描いているけれど、その中に含まれている『X-エックス‐』最終章に突入したと思った途端に休載し、その理由が人体がバラバラになったり流血沙汰を描き過ぎたから 酒鬼薔薇事件のように社会に対する悪影響を与えるのを考慮してと言い張っているけれど、『ツバサ』魔物に人間が食われたり流血沙汰が増えているのに、まだ『X』を休載したままなのはおかしい 再開しないのは、どう言い訳するつもりなのか

 画像は「主人公が死ぬラストに何が何でもしようと決めていた」らしい桑原先生に殺された高耶永劫の愛を貫くべく換生を続ける決意をした高耶の伴侶・直江