《GENE[ゲーン]》シリーズの完結巻(第9巻)『天使はうまれる』の裏表紙に“イリの人生のすべては、ヤンアーチェとの愛――。想いを確かめあい、共に生きていこうと誓った二人。だが、真・天空帝国の王太子ラカが、イリを実験材料にすべく拉致してしまう。ラカの野望は、両性具有のイリを使った不老不死の体だった!!ヤンアーチェは国王の責務を捨て、一人の男として、イリの救出に向かうが…。衝撃のドラマチック・ファンタジー、ついに完結!!”とある、あらすじを読めば分かりますが、イリのすべてはヤンアーチェとの愛であるように、ヤンアーチェも国王の責務を捨て、1人の男として己のすべてを擲って愛するイリを救出すべく地下迷宮に向かいました
ただ、二形(両性具有)だから、とか、物語のラストで子を産み“母”になるから、とかというのを除いても、《GENE[ゲーン]》はBL(ボーイズラヴ)というジャンルには当て嵌まらないように思います。何故かというと、イリは数え切れない数の情交を複数の相手(♂)と繰り返しましたが、第1巻『天使は裂かれる』の「3 バルト」で“前庭(女性器)は華やかなれど、後庭(秘孔)は未だ手付かず。誰の手も入らぬ秘密の園であるな”(P.114)とあるように、在りし日のレイダー公も含め、殆どが花唇(陰唇)=女性器で…蕾(秘孔)=男性器はたま~にだったようなので
完結巻『天使はうまれる』の「3 帝国の崩壊」“国家間の大戦にならず、チャンシャンが巻き込まれずに済んだのは、王としては当然のことで、愛する者を無理やりに奪われた個人としての憎悪や憤怒は、また別のところにある。”(P.126)&“話を聞いて想像していた以上に、暗く生気の途絶えた地下は嫌な場所だった。こんなところにイリが拉致されているのかと思うと、ヤンアーチェは胸が潰れるような心地がした。花の都、あの美しいチャンシャンの王都にあってさえ、イリはいつも暗い顔をしていた。俺を憎いと言いつづけていたあのイリが、愛していると言った。心の扉を開き、そこにたった一人、ヤンアーチェへの愛があるのだと示してくれた。ヤンアーチェはこたえたかった。体をつなげ、言葉を交わすだけでは足りないなにかを、イリと分けあいたかった。もしも愛を形で示すことができるなら、どんな形でも示してやりたい。寂しく微笑むばかりだったあの不器用な愛妾に、ヤンアーチェは自分のすべてを与えたかった。王としての自分はやれない。乱世の時代に必要な王が自分だと、ヤンアーチェは知っている。タオホンをこの手にかけたとき、後戻りのできない孤独な王道に足を踏み入れたことは承知していた。だから男としての自分は、たとえ血の一滴までも、兄殺しの罪に濁った体液にすぎないとしても、いらぬというまで捧げてやりたかった。”(P.129~130)とヤンアーチェの愛のすべてがイリに注がれています。底の浅い疼く程度の“なけなしの良心”が薄っぺらに漂うくらいで、元々、イリを欠片も愛していなかったくせに愛しているフリをしていたロクデナシのバルトとは格が違う 格が段違いにね 人身売買組織〈自由同盟〉の頭であるバルトは、喜んで人身売買をしていたロクデナシですからね
ヤンアーチェが“偉大なる賢王”だと思い込んで尊敬していた父王ユンヤミンの実態は、無能な中年オヤジだった。そのユンヤミンを“朴念仁だぞ~”と判を捺したのはホークァン(33歳、『この世の果て』の時点)です。それほどに歪んだ潔癖さを固持していた筈だったけれどイリと一夜を共にして豹変した過去を忘れたホークァンは間抜けとしか言いようがないわ 何故なら、第5巻『この世の果て』の「5 天使と夢の中で」で“思い通りになることなど、ことがヤンアーチェの身の回りの事態であるとなると、そうそうありはしない。だが潔癖な王(ヤンアーチェ)がイリと寝ることで、その淫蕩(いんとう)に嫌悪を抱けば、淡かった初恋が脆く崩れさる可能性は高かった。イリは本物の女ではない。男でさえない。その肉体の複雑さは、清童であるヤンアーチェには重過ぎるだろう。裸の肉を重ねてみて、王は初めて気づくに違いない。その肉が薄皮一枚のものに過ぎず、執着していた二形に神秘性などなに一つないのだと。イリとの完全なる決別、それこそホークァンがヤンアーチェに望む成長である。しかし彼は誤算していた。かつて朴念仁とみずからが判を捺していたユンヤミンさえ、イリと寝室を共にしたあとで別人と化したのである。”(P.154~155)と、二形の肉体に神秘などなく幻滅しイリ・イン・ラーチョオ(24歳)との完全なる決別というヤンアーチェ(18歳)の成長を目論んだホークァンは、ユンヤミンが豹変した過去を忘れたがゆえに、自業自得の挫折を味わいました。
一方の薬を盛られ夢現(ゆめうつつ)にイリと結ばれたヤンアーチェは自分の代で廃止するつもりだった後宮を抱える事になり父王ユンヤミン(享年39歳)の腹上死により亡命時からの存在自体を抹殺されたイリを非公式ながら後宮第1位の妾妃として迎える羽目に陥りました。しかし、ヤンアーチェは“生来の色悪”らしく「天使と夢の中で」で“女を抱いたこともないくせに、もしかしたら天性の色悪かもしれない。”(P.183)とイリに思わせるくらいで、その唇も肌も…父を死に至らしめた淫売と唾棄したイリのすべてに耽溺して、その股間の少女も少年も堪能する濃厚なセックス・ライフを展開し、ヤンアーチェは肌を重ねずに10日と離れてはおられぬ慢性の禁断症状は後宮に仕える女官たちの間でイリへの耽溺ぶりが伝説化されるほどに… まだイリに愛されている真実 を知る前なので自分は淫奔な色情狂の100%被害者だとヤンアーチェが思い込んでいましたが。
画像は、篠原千絵先生の『天は赤い河のほとり』でヒッタイト帝国が滅亡する漫画の中での元凶である恥知らずな主人公カップルのユーリ・イシュタル(鈴木夕梨)&カイル・ムルシリⅡ世です。ユーリ&カイルは大嫌いだけれど、この絵のようにイリ&ヤンアーチェが子宝に恵まれ、ファミリー・ドラマを繰り広げて欲しいから
ただ、二形(両性具有)だから、とか、物語のラストで子を産み“母”になるから、とかというのを除いても、《GENE[ゲーン]》はBL(ボーイズラヴ)というジャンルには当て嵌まらないように思います。何故かというと、イリは数え切れない数の情交を複数の相手(♂)と繰り返しましたが、第1巻『天使は裂かれる』の「3 バルト」で“前庭(女性器)は華やかなれど、後庭(秘孔)は未だ手付かず。誰の手も入らぬ秘密の園であるな”(P.114)とあるように、在りし日のレイダー公も含め、殆どが花唇(陰唇)=女性器で…蕾(秘孔)=男性器はたま~にだったようなので
完結巻『天使はうまれる』の「3 帝国の崩壊」“国家間の大戦にならず、チャンシャンが巻き込まれずに済んだのは、王としては当然のことで、愛する者を無理やりに奪われた個人としての憎悪や憤怒は、また別のところにある。”(P.126)&“話を聞いて想像していた以上に、暗く生気の途絶えた地下は嫌な場所だった。こんなところにイリが拉致されているのかと思うと、ヤンアーチェは胸が潰れるような心地がした。花の都、あの美しいチャンシャンの王都にあってさえ、イリはいつも暗い顔をしていた。俺を憎いと言いつづけていたあのイリが、愛していると言った。心の扉を開き、そこにたった一人、ヤンアーチェへの愛があるのだと示してくれた。ヤンアーチェはこたえたかった。体をつなげ、言葉を交わすだけでは足りないなにかを、イリと分けあいたかった。もしも愛を形で示すことができるなら、どんな形でも示してやりたい。寂しく微笑むばかりだったあの不器用な愛妾に、ヤンアーチェは自分のすべてを与えたかった。王としての自分はやれない。乱世の時代に必要な王が自分だと、ヤンアーチェは知っている。タオホンをこの手にかけたとき、後戻りのできない孤独な王道に足を踏み入れたことは承知していた。だから男としての自分は、たとえ血の一滴までも、兄殺しの罪に濁った体液にすぎないとしても、いらぬというまで捧げてやりたかった。”(P.129~130)とヤンアーチェの愛のすべてがイリに注がれています。底の浅い疼く程度の“なけなしの良心”が薄っぺらに漂うくらいで、元々、イリを欠片も愛していなかったくせに愛しているフリをしていたロクデナシのバルトとは格が違う 格が段違いにね 人身売買組織〈自由同盟〉の頭であるバルトは、喜んで人身売買をしていたロクデナシですからね
ヤンアーチェが“偉大なる賢王”だと思い込んで尊敬していた父王ユンヤミンの実態は、無能な中年オヤジだった。そのユンヤミンを“朴念仁だぞ~”と判を捺したのはホークァン(33歳、『この世の果て』の時点)です。それほどに歪んだ潔癖さを固持していた筈だったけれどイリと一夜を共にして豹変した過去を忘れたホークァンは間抜けとしか言いようがないわ 何故なら、第5巻『この世の果て』の「5 天使と夢の中で」で“思い通りになることなど、ことがヤンアーチェの身の回りの事態であるとなると、そうそうありはしない。だが潔癖な王(ヤンアーチェ)がイリと寝ることで、その淫蕩(いんとう)に嫌悪を抱けば、淡かった初恋が脆く崩れさる可能性は高かった。イリは本物の女ではない。男でさえない。その肉体の複雑さは、清童であるヤンアーチェには重過ぎるだろう。裸の肉を重ねてみて、王は初めて気づくに違いない。その肉が薄皮一枚のものに過ぎず、執着していた二形に神秘性などなに一つないのだと。イリとの完全なる決別、それこそホークァンがヤンアーチェに望む成長である。しかし彼は誤算していた。かつて朴念仁とみずからが判を捺していたユンヤミンさえ、イリと寝室を共にしたあとで別人と化したのである。”(P.154~155)と、二形の肉体に神秘などなく幻滅しイリ・イン・ラーチョオ(24歳)との完全なる決別というヤンアーチェ(18歳)の成長を目論んだホークァンは、ユンヤミンが豹変した過去を忘れたがゆえに、自業自得の挫折を味わいました。
一方の薬を盛られ夢現(ゆめうつつ)にイリと結ばれたヤンアーチェは自分の代で廃止するつもりだった後宮を抱える事になり父王ユンヤミン(享年39歳)の腹上死により亡命時からの存在自体を抹殺されたイリを非公式ながら後宮第1位の妾妃として迎える羽目に陥りました。しかし、ヤンアーチェは“生来の色悪”らしく「天使と夢の中で」で“女を抱いたこともないくせに、もしかしたら天性の色悪かもしれない。”(P.183)とイリに思わせるくらいで、その唇も肌も…父を死に至らしめた淫売と唾棄したイリのすべてに耽溺して、その股間の少女も少年も堪能する濃厚なセックス・ライフを展開し、ヤンアーチェは肌を重ねずに10日と離れてはおられぬ慢性の禁断症状は後宮に仕える女官たちの間でイリへの耽溺ぶりが伝説化されるほどに… まだイリに愛されている真実 を知る前なので自分は淫奔な色情狂の100%被害者だとヤンアーチェが思い込んでいましたが。
画像は、篠原千絵先生の『天は赤い河のほとり』でヒッタイト帝国が滅亡する漫画の中での元凶である恥知らずな主人公カップルのユーリ・イシュタル(鈴木夕梨)&カイル・ムルシリⅡ世です。ユーリ&カイルは大嫌いだけれど、この絵のようにイリ&ヤンアーチェが子宝に恵まれ、ファミリー・ドラマを繰り広げて欲しいから