イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

篠塚高(No.9) -11

2013年05月28日 18時05分30秒 | 高橋美由紀

健康面では或る一点を除いて問題はなかった。その問題点とは女性としての当然の事象である。女性らしい肉体に変容しつつあったが肝心の初経(初潮)は起こらず、第二次性徴を迎えても兆しすら無く問題視されていたが、任務の為には“女性”である必要などないという愚かな考えを有していた為、いっそ女性化の要因を排除したいと思っていた。しかし、周囲に反対され口には出さないが不満だった。慎悟と出逢って想いをぶつけられ自覚するのに時間が掛かったが口づけされ彼に対する恋情の炎が心の中に燃え上がり、予期せぬ初経を迎えて激しく動揺する。しかし、一方的な別れを秘めての性行為を経て愛する人を「No.9 ムサシ」としても信頼を寄せてくれたのを裏切った罰か、無月経に陥るも疼きに苛まれるようになり、慎悟を捨てた罪の代償は付き纏った。2年後に再会し己自身の罪を悔い改め、慎悟と彼の愛を受け入れた直後、漸く月経が再開されたのだった。

女王蜂のように最初から「No.9」として養育され厳しく組織の命に従うよう教育された為、鍛え上げられた精神力や戦闘力を支えるには心の成長が追いつかず、自他共に己自身の内面を知らずに人間性を欠落したまま13歳で「No.9」としてUB日本支部での研修に就いた。赤ん坊から老人までメンバーが揃っているという組織の構造上、13歳でUB日本支部の頂点に立つという異常さは篠塚自身の人生を根底から犠牲にしている点を浮き彫りにしている。勿論、いきなり任務などというタワケたことは絶対にない。日本支部内部で研修を受けるのは必然であり、正式な「No.9」としての認定と正規の活動は15歳を迎えてからである。

この15歳という年齢でさえ本当ならば全然早すぎるのだから。10歳や13歳で偉そうにふんぞり返るクソガキなんぞ出る幕はない!当たり前だ。10歳未満のまだ体が未完成のガキが大の大人の戦闘員を倒すなど夢のまた夢であり、実際に戦おうとしても逆に倒され、レイプされた挙げ句に処刑されるのがオチである。現実は厳しいのだ、絵空事にあるような10代前半のガキが海千山千の大人を倒すなど絶対にない。ガンダムシリーズの強化人間じゃあるまいし!どんなに鍛錬を重ねようが才能に恵まれようが、ガキはガキだ。

物心つかぬ頃から調教され、自身で「UB」メンバーとしての道を選ぶか否かの選択権を剥奪されて洗脳された傀儡である。そういう点では、「煌龍」の傀儡である結城(張)と鏡像のような存在だと言えるだろう。自身というモノがなく、微塵も自身の意思では生きていない。任務遂行しか頭になく他者との関わり合いもその為だけの浅いモノであり、風のように現れては切ない想い出を残して去っていくという繰り返しだったが、慎悟との出逢いが重大なる転機を齎す。


篠塚高(No.9) -10

2013年05月28日 18時05分03秒 | 高橋美由紀

今でこそ表情豊かに感情が表に出ているが、昔の篠塚はNo.7曰く“泣きも笑いもしないロボットのような奴”だった。自他共に内面を知らず人間としての重大な欠陥を放置したまま「No.9」として着任し、“冠する者”“力ある者”の孤独と機械に徹した弊害ゆえに心を凍てつかせ、他者に対して心を開く事が出来ずにいた。自身を曝す勇気がない子供のままの性格がトップナンバーとしての教育により尚更に悪化し、心を開けなくなり立場に縛られてもいた。誰一人として寄せ付けようとはせず、様々な任務を解決するも余計に他者を遠ざけ一層心を閉ざし、無為の時が過ぎ去るだけだった。風のように通り過ぎるだけの任務の対人関係など無意味だと人と深く関わらずに生き、無機質で無表情で人間の姿をしていても感情が無い人外の存在ではないかと囁かれていたが、慎悟に愛され彼を愛して生身の人間らしい感情が覚醒した。

女性らしさが微塵も無いため、出会ったばかりの頃の慎悟にすら女装した変態男と冗談混じりに言われるのもしばしばで、そんな彼の頭を殴りつけることもあった。但し、わざと間違ってからかっていることに対してである。慎悟と同棲しているにもかかわらず自身が恋愛や性欲の対象には成り得ない存在だと思い込んでおり、女性としての自身に対する評価は著しく低い。第2シリーズの終盤で、ドイツの「UB」所有の"隠れ家"で同行した「煌龍」の結城に襲われたが、その原因は「ENU」に拉致された慎悟に想いを馳せて“女の顔”を見せたからだった。ところが、退屈を紛らわす娯楽が何も無くて及んだ悪ふざけと思い込んで結城を唖然とさせた。一応は自身が女性だとは認識してはいるものの性差による特徴という“記号”を見てそう判断しているだけで自覚は皆無であり、更には天然ボケが加わると最悪だと頭を抱える慎悟の気苦労は計り知れない。

東南アジアのA国×××村で始まった「バイオハザード(微生物災害)」を解決すべく、紆余曲折の末に抗体を確保し、抗ウィルス薬を完成させて“プレ・パンデミック”を回避した。数ヶ月後、テロ組織「KK解放軍」にプルトニウム取引の動きがあると報告を受け、組織に潜入してプルトニウムを奪取して2つの組織の壊滅を図る。ところが、思わぬ形で慎悟に危険が及んでしまう。


篠塚高(No.9) -09

2013年05月28日 18時04分35秒 | 高橋美由紀

年齢・性別等に関係なく能力で地位が決まる組織で精神汚染されて歪んだ所為か、生来の性別は女性でも内面的には“男性寄りの無性体(セクスレス)”という不完全な肉体を持った男性だが、唯一の夫(慎悟)を愛する女性の心が覚醒し、それにより彼限定で精神的に“女性化”し「完全体の女性」に変身する。

女性らしい装いやメイクという“記号”が無いと女性として認識されない程に女性からかけ離れた容貌をしており、特に必要性を感じなければ性別に対する誤解も放置するので余計に煽っている。女性としての意識の無さが祟って“男装の麗人”とは言えない。任務に必要な変装としてならレディらしく装い振る舞うが、個人的には女性らしい装いや言動は嫌いなので普段はジーンズの上下等のラフな男装である。当初から、衣服を着用している時は胸が無いことで男性と誤認されるも“胸がないように見える描写”ではなく本当に“真っ平ら”で、かと言って“女性の証拠”に足るボリュームの乳房であるため“ナベシャツ”等の専用の補正下着を着用して体型を男性に見せかけている。肉体を物理的に抑圧して男性体に見せかける歪んだ行為を幼い頃から続けた結果、それが当たり前の行為になってしまい、自身が如何に歪んだ存在か認識できない。出会う人々を性別に関係なく誑かして“友人”という名の愛人を大量生産する天然の浮気者である。

敵のボスの女好きを利用して潜入すべく女装した際、No.7と一緒に悪目立ちするも“曲線美”でボスを含めたパーティー会場の人々を魅了したが、この時は“コルセット”等の“補正下着(ファウンデーション・ガーメント foundation garment)”で強制的に括れを際立たせ女体を演出したらしい。色仕掛けのハニートラップと白兵戦の2本立てで活動を行っている。職業柄、幼い頃からの鍛錬の所為で筋肉質でメリハリの無い寸胴体型であり、全体的に見てスレンダーであるのに反して筋肉の比率が高く、同じ身長の一般人の男性よりも体重は重い。線は細いのだが肩幅も広く逞し系で、寸胴と括れのあるラインとを行き来しつつ任務に応じてボディメイクを行っている。どちらかと言うと、慎悟の方がしなやかな曲線の身体を有している。

任務項目の3種(人・組織・物)が揃った稀有なケースである特殊任務を遂行した「城南一高」篇の初期である第1シリーズの「DUTY7:メッセージ①」で赤面した慎悟の視線の先に、その原因の“乳房”が有ると分かっていても“絶壁”なので説得力は微塵もない。実際には服を脱ぐとそれなりのボリュームの“乳房”が有るらしいが、女装時のささやか過ぎる胸の膨らみは“胸パッド疑惑”を抱きたくなるような、非常に胡散臭い空気を醸し出している。そのため、本当は男ではないかと巷で噂されている。しかし、服を着ている時は“着痩せ”で片付けるには不自然な直線を描く真っ平らな胸であり、そう見える描写ではなく正真正銘の“絶壁”だが、脱ぐとそれなりのボリュームのスケベ男を誑かす“魔性の乳房”が出現する。第1シリーズの第11巻の表紙(「DUTY21:迷路の出口②」の扉絵でもある。)にあるように“トップレス”同士の慎悟の左腕の“手ブラ”により“乳房”を隠されているが、彼に肩を抱かれた篠塚の胸部に非常に見づらいものの“胸の谷間”がある。

慎悟に秘密組織のエージェントだと打ち明ける際に“証拠物件(乳房)”を提示するという奇抜な行為を躊躇なく実行したことから“常識”と“羞恥心”が欠落していることは早くから知られていたが、第3シリーズの「Mission4」で自身の落ち度で身動き出来ない程の怪我を左脇腹に負い、動ける程度にと上半身裸になって手当ての最中に説明を求めて入室してきた暴走族のホーンらが不幸にも“乳房”を正面から目撃してしまうが、その彼らが赤面して絶叫するのに比べ見られたというより見せた側の篠塚は平然としていた。仮に、本部から“全裸で大都会の喧騒の中を歩け!”と任務が発令されたら、周囲の混乱を余所に平然と実行して全裸で闊歩するのは明白である。


篠塚高(No.9) -08

2013年05月28日 18時04分08秒 | 高橋美由紀


第2シリーズの「MISSION5~試練の冬 Episode14」の冒頭、最愛の夫を救うべく結城と離婚間際の夫婦を偽装し女装した。

嘗て、別れのために嘘を重ねたが“2人で生きる道を模索していた”という言葉に嘘はなかった。逃避に走りつつも何度となく慎悟の生き残る確率をPCで計算し、本気で一緒に生きる道を探していたのだった。しかし、悔い改めて2人で暮らし始めてからも慎悟の生存確率を巡る“睨めっこ”はなおも続いている。中々前向きにはなれないらしい。

慎悟と再び結ばれた際に、ススキの高原で“任務は常に最優先、目立って注意を引くなどの任務の支障となることは極力避けること、もし傷病等の「何か」で任務遂行が叶わなくなり、どうあっても助からない場合は命を絶て!”という約束を交わした。第2シリーズの終盤「MISSION5~試練の冬~」で、慎悟が約束を守って殺人ウィルスの入った注射器を自分自身に突き刺そうとしたのを我が身で庇い、慎悟に自身を殺して元の世界に戻るよう告げた。発症が先か結城の所持するワクチンが先かの賭けに勝ち、慎悟と共に生きる未来に命を繋いだ。が、結城が取引を持ち掛けた時点でウスチノフ博士が「煌龍」に匿われワクチンは既に完成していることを看破し、慎悟がウィルスを自分自身に使うよう仕向けたことで彼の想いを利用した形になった。しかも、結城がゲオルグ殺害を妨害されまいと自身に同行したことを知りつつ何ら手を打たなかったため、結果的に「煌龍」の犯行を許したことで水面下での共犯関係を成立させてしまう。しかも任務ではないからと言い訳をし、任務でなくても倒さねばならない敵を見逃して将来の禍根を断つチャンスを自ら潰してしまう。今後の「煌龍」の犯行による被害はすべて篠塚の罪である。

ウスチノフ博士&彼の孫娘の「佐倉麻亜矢」、何よりも慎悟の救出を成し遂げるが、自身を監視して「UB」に“ゲオルグ殺害”を妨害されまいと結城が同行したことを知りつつ何ら手を打たなかったため、結果的に「煌龍」の犯行を許したことで水面下での共犯関係を成立させてしまう。しかも任務ではないからと言い訳をし、任務でなくても倒さねばならない敵を見逃して将来の禍根を断つチャンスを自ら潰してしまう。今後の「煌龍」の犯行による被害はすべて篠塚の罪である。

慎悟の情報を欲してドイツ人の“フィーリプ・デュフナー(Philipp Duffner)”と名乗り「UB」が裏から手を回して敷いた検問の警官を欺いた「煌龍」の結城に同行し、妻の“マリア・ルドヴィカ・ヨハンナ・シャルロッテ・デュフナー(Maria Ludovika Johanna Charlotte Duffner)”と称した篠塚はドイツにある「UB」所有の“隠れ家”にやって来た。のらりくらりと追求を躱し逆に口説こうとする結城を蹴散らし、最愛の夫(慎悟)を救うべく真冬の山を駆けた。

慎悟が「ENU(ヨーロッパ貴族連合)」に拉致され、彼の行方の手がかりをチラつかせた結城と共にドイツに飛んだことは瑣末事だが、流石に慎悟が拉致されるという個人的に由々しき事態が起こっただけに激しく動揺して隙だらけとなり、結城に襲われ放題で2度も引き倒され“女”としての大失態を演じた。1度目は馬乗りまでされて強姦されかけ、2度目は唇を奪われた。欲望よりも「煌龍」の総帥たる自身の“計画”を優先させた結城の決断のお蔭で難を免れただけであり、ここぞという時に最後の一線まで至った挙げ句に完全に屈服させられたかもしれぬチャンスを結城に許してしまう。


篠塚高(No.9) -07

2013年05月28日 18時03分38秒 | 高橋美由紀

真の意味で慎悟と結ばれながらも相変わらず物事を額面通りに捉えがちで、トップナンバーは弱点を持ってはならないという“喩え”を額面通りに捉え、弱点があってこその真の強さを悟れずにいる。慎悟を捨てて2年後に前非を悔いて彼と和解するまで、何事も無かったかのように元通りにする事後処理は専門のセクションにより行われたが、慎悟と和解した後に配慮を怠っていた自身を猛省しアフターケアのセクションを新設した。しかし、それ以降も配慮に欠けたトラブルは続いた。

自身のプライドと自ら護衛することに固執する側面があり、自身が原因で第2シリーズの「MISSION1」で曾祖父の“負の遺産”が原因で狙われた「一ノ宮沙耶」をイジメ被害に遭わせて苦しめたり、また同シリーズの終盤で「佐倉麻亜矢」の反発を招いて護衛を自ら困難にしてしまう。「城南一高」以来、それほどではないが失策をしでかしている。失敗の許されない使命を背負っているとの自覚が現実の認識を妨げており、自身の失態を認めることが出来ずにフォローしてくれた慎悟&イックに八つ当たりしてしまった。すぐには自身の過ちを受け入れられずにいたが、最終的にロクに調査もせず護衛対象者の身辺のトラブルに気づかなかった自身の不徳を恥じた。しかも任務時に必要不可欠な調査をお座なりにしか行わず、任務遂行後は関係の無い事象として放置して守るべき相手の身辺すらロクに調査をしていなかったため、イックの危惧を余所に迂闊にも目立った行動で護衛を続行したことによりイジメに発展する等の重大なミスを犯した。

第1シリーズの終盤で出現した世界最古の暗殺組織「煌龍」は文字通りの不倶戴天の敵であり、その総帥「結城直人(張道明)」は鏡像的な敵として戦い続けることになる。結城はどう転んでも生死を問わず倒さねばならない敵である。慎悟と共に生きる道を歩み始めて1年ほど経った頃、カナダで他界した暗黒街の元トップ「王煬」の訴えにより「煌龍」の存在が発覚し、囮になった慎悟が捕らわれた際に自ら正体を現した総帥「結城」と彼の教育係でもある幹部「劉」が直々に出張っていたことに少なからず驚愕した。しかし、劉が慎悟との馴れ初めである事件の数々を引き起こした竜童とローの死んだ筈の弟だとわかり、慎悟を守り抜けたものの「UB」の失態と因縁の糸が紡がれていたことに愕然となる。


篠塚高(No.9) -06

2013年05月28日 18時03分04秒 | 高橋美由紀

慎悟の“心”がそれを“幸せ”だと感じなければ“押し付け”でしかないことを知らぬまま、出逢って2ヶ月後の冬に肉体関係を結びながらも彼の心を踏み躙って危険を取り除く計画を実行してしまう。慎悟の歩む人生の平穏を守りたいという願いはあるものの彼を煩わしく感じ人生までも背負うことが疎ましかったたけで、新たな関係に移行することの難しさと面倒事を背負うのを忌避した身勝手すぎるエゴから慎悟の心を殺した最低最悪の計画だった。結果、自身の“死”により慎悟の“心”を殺して地獄に突き落とす大罪を犯してしまう。愛する人を犠牲に生き永らえる"命"を喜ぶ筈もない人間の心情が理解できない上に慎悟を捨てた後の事後調査を怠り、心を踏み躙られた彼が一生掛かっても癒されぬ“心の傷”を抱えて苦しむと察することができなかった。

更には、知人の夫婦の元で心の平穏を取り戻しかけた慎悟の心をわざわざ掻き乱して自身の死という棘を突き刺しておきながら、元の生活に戻った慎悟が早々に自身を忘れ“幸福に平穏な人生を生きている”という妄想に埋没する体たらくだった。如何に「UB」が人間性の育成に手抜きをしているかが窺え、愛する人の死が愛する当事者の心を殺すことであり、早々に忘れて幸福な人生を生きるなどという幻想は現実にはあり得ないということが理解できない篠塚は人間として欠陥品であることがわかる。そこには任務だけが生き甲斐の“戦う機械(マシン)”でしかないように見えながら、心の中には“普通”に対する異常な執着心と“普通の人間として平凡な人生を生きたい”という絶対に叶わぬ願いがあり、それを慎悟に一方的に押しつけてしまう。自身が女性である必要すら無いと自身を女性として否定しており、エージェント・男性としての自身と慎悟の恋情により覚醒した女性としての心の狭間で苦しむが、しばしば悲劇の原因ともなる“恋の闇”に囚われた挙げ句に自身の“心の闇”に負けてしまい、真の意味での最悪の直前とはいえ慎悟を身も心も弄び捨てるという女性として最低の悪行の犠牲にしたのだった。イックの計らいによる和解に至るまで2年の歳月を要した事件が、篠塚の恋に血迷った姿だった。

香港マフィア「白龍」のルーキー3人組を捕縛し組織を壊滅させた「闇夜の虎」以降、どこまでも慎悟を踏み躙っての作戦を展開し、真に彼を守ったとは言えない状況のままススキの揺れる高原での茶番に至った。過酷な任務に精神的ダメージを積み重ねたことで心を凍てつかせ、他者を寄せ付けなくなって久しく、愛に対して臆病になっていた。休養を取ることも仕事の内だと知っていても疎かにしていることも悪化の原因だった。自身が傍にいなければ慎悟は平穏に暮らせる、幸せに人生を全うできると思い込んでしまう。更には、慎悟を普通の生活に戻すことだけしか頭になく、本人の心を無視して自身の“死”を偽装し慎悟を捨ててしまう。爆死偽装を行った際に慎悟が別れを受け入れる決意を固めていたことに気づかず、その茶番が彼をどんなに苦しめるか全く理解できなかった。真剣に向き合い話し合った上での別離という発想が皆無であり、あくまでも詐術を駆使し慎悟と友人達の心を自身の都合の良いようにコントロールを図った。

慎悟とのふれ合いで自身が変化することに対する恐怖と拒絶による自己保存を優先した行為でもあり、機械に徹した弊害で凍てついた心を温められ心地よい空気に包み込まれるが、既に手遅れだと気づかずに心が融かされる前に逃避を図った。慎悟を捨てて以降は、彼は“少しは苦しんだかもしれないが本来の生活に戻り、早々に自身を忘れ幸福に平穏な人生を生きている”という妄想に埋没する体たらくであり、慎悟を過去の想い出に貶めてしまう。別れの辛さを「慎悟の生きる世界を守るために戦い抜く」という“生き甲斐”に転化して自身の弱さを隠した“偽りの強さ”を演じ続け、慎悟が自身を求めて旅立った頃、偶発的に山中でテロに巻き込まれた4人組を欺き、一歩も進まず過去にしがみつく実態を隠蔽して“顔を上げて苦しくとも歩き続けている”と虚言を口にし、組織の内外を問わず他者を欺いた。ただ一人、その欺瞞と慎悟の心情を知る片腕のイックだけは密かに刺すような視線を向けていた。そのことに微塵も気づくことはなかった。

2年後の「ブロジニア親日大使人質事件」でテロ組織のボスが悪足掻きで投げつけた手榴弾から自身を守ろうとして慎悟が爆発に呑み込まれるのを目の当たりにし、壊れたオルゴールのように“何故?”と繰り返すばかりで部下達の制止の声も聞こえず、自身の認識では“いる筈の無い”慎悟との再会とその直後の悲劇に言葉を失い、フラフラとまだ危険なエレベーターに近づいた呆然自失の一瞬の後に絶叫した。その時になって初めて、イックからの報告で慎悟が自身に捨てられて1年後に高校を自主退学して日本各地を彷徨い、自作自演の“事故死”の狂言も彼を捨ててすぐに露見したことを知る。それでも自身の罪を認めようとせず、何事も無いかのように普段を装いつつ動揺を押し隠した無理をイックに見破られてしまう。そんな彼に慎悟のことを尋ねるように勧められ「Ω(オメガ)」のメンバーに慎悟のことを聞くも“慎悟死亡”の報が届いて沈黙し、その後は“笑顔の仮面”でイックをも欺こうとした。

しかし、関わる筈のない一般の事件で“慎悟の死”の悲しみを晴らそうとする挙により、本格的に壊れ始めたことに気づいたイックが「Ω」メンバーと連携し、本来の自身であれば小手先で見破る彼らの罠に嵌められてしまう。一方的な別離の場所であるススキの高原に誘き出され、慎悟に対する愛と彼を捨てたことの後悔に苛まれた日々を自白に追い込まれた。その直後に、爆死したと思った慎悟が現れ、重体とその末の死亡はイックの偽装だと知る。そうして今再び身を引こうとする慎悟の愛ゆえの決断に心を偽ることの愚かさを悟り、2年前に彼の心を無視して“望まぬ生”を無理強いし地獄の苦しみを与えた自身の罪を悔い改め、お互いの愛と存在を受け入れて今度こそ共に生きていくことを決意したのだった。それと同時にイックに協力する見返りにUB外部セクションとしての「Ω」の活動を櫂名が要求していたが、慎悟との和解により完全復活した篠塚が正式に認定した。それ以降は、任務で出会う人々の心情を慮る傾向にシフトし事件の解決に奔走するようになる。


篠塚高(No.9) -05

2013年05月28日 02時53分05秒 | 高橋美由紀

16歳となった年の9月、「DUTY7:メッセージ」で銃犯罪撲滅に尽力した国会議員が射殺された事件とほぼ時を同じくして事故死した高校生、一見して無関係だと思われたが「UB」の調査の結果、この2つの事件は1枚の写真により密接な関係にあることが判明した。指令項目の3種を満たしたレアなケースである特殊任務に就き、男子生徒「篠塚高」として事故死した高校生「嶋田良一(しまだ・りょういち)」の通っていた「城南一高(男子校)」に潜入し、知らずして事件解決の鍵を手にした慎悟と出逢う。それが、自身も部下達も想像だにしなかった「永遠の伴侶」との邂逅でもあった。良一を死に追いやった竜童を慎悟自身が捕縛し、篠塚が「UB」と共に彼の所属していた暗殺組織「タイガース・アイ」を壊滅させるが、半ば“伝説”とされた幻の組織が実在すると知り、竜童に殺人を依頼した裏の大物が次々と捕縛の憂き目に遭う現実が指し示す理由を悟り暗黒街は震撼した。

そうした複数の組織から殺人依頼を受けた竜童の経歴ゆえに慎悟に降り掛かる火の粉はすぐには消えず、「タイガース・アイ」壊滅後も暗黒街の蠢動は続いた。依頼の最多数を占める香港マフィア「白龍(パイロン)」を潰して他の組織に対する見せしめとし、ローが「UB」の手を逃れるも慎悟を狙う敵はほぼ存在しなくなる。そんな小康状態となった折、同じトップナンバーのNo.7の個人的な依頼で「白河明穂」という女子高生の護衛にも携わるが、慎悟との距離を置くという逃避に過ぎなかった。たまたま明穂の学校を訪ねた慎悟が彼女と共に拉致され、油断から明穂を盾にされて黒幕のワイマール元帥を慎悟に撃たせてしまい自身を激しく責めた。平和な世界で危険とは無縁の平穏な人生を慎悟に生きて欲しいと願う篠塚にとって、それはあってはならない事態だったのである。

その一方で、有能ではあるのだが任務に適した資質を無視して能力が優れていれば良いと勘違いし、自身とチームに対する過信から大なり小なり失策を繰り返しており、特に「城南一高」篇では大きな失策が目立った。自身に課せられた任務遂行を為すことしか考えず、その任務に関与した相手の心情は任務の邪魔と看做し軽んじ、更には任務遂行時以外は“後は野となれ山となれ”的な無関心というのが、篠塚とその部下達の唯一無二の欠点だった。元々、任務に関わる人々の心を傷つけてでも任務を遂行するという姿勢が顕著で、人々の心情は二の次にしても現行任務を終了し次の任務に臨むべきとの傾向が強く、慎悟のケースはその傾向が最も強く出ていた。

或る夜、慎悟に口づけをされて激しく動揺し、彼に対する恋情は短時間に燃え上がった。そんな彼に対する想いを物理的に距離を置いて消し去ろうと不可能なことを考え、現場好きの自身の嗜好と部下を信頼していないがゆえに任せることを知らない性格から慎悟の傍を離れ、護衛を代行させたイック(No.19)の彼に対する嫌悪感を見落として慎悟を身心共に傷つけてしまい、No.23とNo.33がローを拘束せずに学校に集結した所為で彼の逃亡を許し逆恨みの報復を招いてしまう。更には、失敗しないことと失敗を無かったことにするのとは決定的に違うのだということが理解できず、「白龍」の手先の2人に対しては反抗の気概を挫いて“敗北”を受け入れさせるために勝ち誇ってみせるが、心から謝罪しなければならない慎悟に対しても失敗していないと取り繕い、死を偽装して去るまで一切謝罪は無かった。

裏表の無い慎悟とは違って裏があり過ぎる程にあり、嘘偽りを山のように抱えている。慎悟に口づけを受けたり告白されたりしたのは入れ替わっていたイックだと彼自身に偽りを告げさせて自身には何も無かったように装って慎悟を傷つけ、No.7に自身から慎悟の心を引き離してくれるよう依頼したり裏で色々と画策した。自身は安全圏に引き籠もり、いつもと変わらない態度で慎悟に接し、決して自身の手を汚すことはなかった。それでも慎悟に対する想いは深まるばかりだったが、慎悟の想いと自身の心に芽生えた彼に対する想いから目を逸らし続ける。頑なに“人としての幸せ”に背を向け、慎悟を休息場所として傍に置いてはどうかというNo.7の言葉にさえ耳を貸さず、逃避の上にも逃避を繰り返すばかりだった。「UB」には“恋してはならない”“愛してはならない”などという規律は無い。しかし、恋愛感情を任務の邪魔にしかならないと看做して忌み嫌う風潮が強い組織の中でも極めて頑なにそう思い込み、自身に“恋愛御法度”を課して組織の内外を問わず周囲にもそれを強要した。


篠塚高(No.9) -04

2013年05月28日 02時49分37秒 | 高橋美由紀

実質的な夫であり、嘗ては“護衛対象者”だった一般人である1歳年上の日本人男性「橘慎悟」と暮らしている。彼とは、お互いに初恋同士である。セキュリティの問題から、常に居を転々としている。第3シリーズの「Mission5」でアジアの某国の任務で一応の解決に至ったので部下達を帰還させ、自身は黒幕の高官を追って“行方不明”になった。イックもヤキモキしての2週間が過ぎた帰還だったが、いつものように笑顔で迎えてくれた慎悟に降り掛かった火の粉の“お礼参り”と恋人を助けてくれた女子高生達に対する恩返しに、町を蝕む“災厄の元凶”を懲らしめて旅立った。

自身の所為で“普通”の生活から慎悟を切り離してしまったという罪悪感が強すぎるため、「No.9」として許されぬ一線に抵触することもあり、それを止めようとするイックと衝突する一幕も。お世辞にも“普通”とは言えない「UB」という異常な環境下にある所為か“普通”に並々ならぬ執着を抱いており、自身とは異なり“普通”に生まれ育った慎悟に対して自身の憧憬を押し付けがちになることがある。慎悟を捨てた後の任務でも“恋愛感情”と“友人”の2つに反応し、どちらかというと“友人”という言葉に対して強く反応した。友人として接点を持ったことを出発点に想いが育まれたため、慎悟を“女”として愛する他に“友愛”と“家族愛”を抱いている。但し、幼い外見に反して大人びた印象と安心感を他者に与えるが、任務の間だけしか“現実の人々”と関わり合うことがなくマトモに“現実の時間”を生きていないため、頭では世界の隅々まで知ってはいても“頭でっかちの子供”である。鍛えられた強靭な精神と肉体を有するが、それを支える心の成長が追いついていない。

慎悟に対しても護衛時代に言外に友人としての立場を強いて追いつめたように、任務に都合の良い対人関係を構築し、周囲の人間にそれを強要することで自身の保身を図り、意識的にも無意識的にも“壁”を作り心を通わせることは無かった。そのため、任務で知り合うという点を除いても“純然たる友人”は一人として存在しない。痴情の縺れにも発展しうる恋愛感情に煩わされるのを忌み嫌い、それほど深入りすることのない“捨て駒”として自身が定義する友人なら気楽と考えていた。友人に対する愛情が友愛であることを知らずに“都合の良い捨て駒”の代名詞と定義した友人であることを相手に強要し、恋愛や友人に対して失礼な考えを有していたが、慎悟との2年の空白を経た和解により深く反省した。但し、自身を恋する友人達に対する篠塚の想いは“ドングリ(団栗)の背比べ”の如きであるため、愛されないのと同義である“友人”とされる人々の心情を推し量るスキルは篠塚にはない。男と女の愛であれ、友人としての友愛であれ、誰しも“ドングリの背比べ”を忌み嫌い、一番でありたいという感情が未だに理解できない。

逃避から慎悟を捨てて2年後に前非を悔いて彼と和解し共に生きているが、出会った頃は慎悟は自身に対して“お前”呼ばわりだったのに一方的な別れを経て再び結ばれてからはずっと気遣って“君”だったことを密かに寂しく感じていたため、「煌龍」との最初の戦いの後に呼び方が“お前”に戻ったことが余程嬉しかったらしく、篠塚にしては珍しくニコニコと素直な笑顔で喜んでいた。第2シリーズの「MISSION3」で慎悟の未来を憂えるがゆえに志願したダージェ王国の皇太子アラムの護衛の際、即位前の1日限りの東京を満喫する姿に「自由という名の牢獄」を生きる慎悟を重ね、自身を愛し自身が彼を愛した所為で彼が囚人と化したように見えるため、未来を奪ってしまったのではと表情を曇らせたが、それを自身の望んだ幸せだと告げる慎悟の言葉に漸く笑顔が甦るのだった。


篠塚高(No.9) -03

2013年05月28日 02時41分20秒 | 高橋美由紀

豪胆でカリスマ性を有するリーダーではあるが、集団行動が取れず他者を自身の思う通りに動かすのは好きでも指図されるのが大嫌いという我が儘体質である。基本的に己自身しか信じておらず、重要であればあるほど自身で対応しようとし、部下といえど他人を信頼して任せることが出来ないため、今後もそうした確執は避けられない。現場好きで司令室で指示を出すだけでは退屈だという“子供”であるため、小言を言うのが半ば仕事でもあるイックの目を誤魔化し、自身に同調した一部の部下の手引きで単独行動に走る愚を繰り返す。辛うじて笑い話で済んでいるが、イックら部下の間で問題視されている。自身しかターゲットに信頼されないという思い込みによる傲慢な態度も改善される見通しはない。そうしたワンマンでボスザル思考が作戦における部下との衝突を招き、イックに何も報せず“蚊帳の外”に置いたため、潜入間際に駆けつけた彼との口論に発展した。独断専行はチームワークを乱す元で不協和音が生じると知りながら、面倒事を厭う子供じみた動機でイックをスルーする愚を犯した。しかも、自身は“梨の礫(つぶて)”である。自信過剰で失敗する典型的なタイプである。

任務時に出会う相手は大抵は心を閉ざしているか、それに準じた精神状態であることが多いため、心の壁をぶち破ることが必須となる。しかし、心を開かせると同時に“恋の地雷原”を踏みまくっており、彼らが心を開くと同時に片恋に泣く結末が用意された相手を男女を問わず大量生産してしまう。特に女性の反応は宝塚の男役に群がるファンのようで、完全に篠塚が同性の女性である現実が見えなくなっており、時には“護衛対象者”に対するイジメが陰湿で過激なモノに悪化する原因になっている。但し、熱狂的なファンと化しても我が物顔の異常な言動に陥るのは少数で、少し濃い目の好意を抱いても親しい友人の範疇に留まり正常な判断が出来る女性もまた存在し、そうした割とマトモな女性達から見ても異常な光景が繰り広げられる。男性は同様の症状を発症しても異性であるだけ、まだマトモな範疇である。そんな彼らとは裏腹に、自身に対する“護衛対象者”の恋愛感情には気づくことはない。第2シリーズの終盤、「ENU」のハンスに唆された井上も己自身の異常さを自覚できなかったが、篠塚の彼女に対する認識は“親しくしてくれるクラスメイト”でしかなく、超鈍感のレベルに関しても“人外魔境”だった。自身の言動に左右される井上の様子に気づかない有様に、正確に把握した2名のクラスメイトに“罪作り”だと呆れられていた。そのため、ハッキリ言って任務に最も適さない上に“疫病神”である。

そんな篠塚が相手の自身に対する恋情に気づいた唯一のケースは慎悟であり、自身もまた恋情を自覚したのは彼だけである。自身が告白して初めて慎悟に対する恋情を真の意味で認識したという鈍さだった。任務を経る毎に経験を積んでいくが自身の常識は世間一般の非常識であるため、未だに常識を身に付けたとは言い難い。トイレは人があまり来ず秘密に会話をする場所として最適だと考え、女子生徒として潜入しても男子トイレで会話をしたり“護衛対象者”を監視しているつもりで“ノゾキ”を行い、運悪く奇行に気づいてしまった“被害者”の数を更新するばかりである。周囲に溶け込むのに長けているが、外見や行動が目立つため、どう振る舞っても奇行は隠しようがない。自身の美貌に対する自覚は微塵も無く、その認識は他者より著しく低いが人目を引くということは認識しているらしい。その人目を引く美貌と相俟って“麻薬”のような存在であるため、男女の別なく強烈に惹きつけ敵愾心と恋愛感情に近いモノを抱かせ、あらゆる欲望を掻き立て狂わせてしまう。そのため、任務遂行の妨げになるトラブルを自身の落ち度で続出させてしまう。


篠塚高(No.9) -02

2013年05月28日 02時21分50秒 | 高橋美由紀

篠塚は容姿の加齢は外見的年齢16歳で停止しており、実年齢を桁外れに下回る精神的な幼さを反映した童顔に加え、服を着用している時のメリハリに乏しい平坦な肢体と男性的な物言い&所作も追い打ちをかけ“16歳くらいの容姿端麗な美少年”だと誤認される。それだけ全体的に幼い。アジア系と欧米系では同い年でも見かけの年齢に5~10歳くらいの差があるが、同じアジア系・同じ日本人の目にすら幼く映る。朝シャワー派で1日の朝はシャワーで始まるため、UB日本支部でも住居でも早朝にシャワーを浴びる。

任務の都合上、自身の正しい性別をハッキリさせなければならない場合、殆どが乳房の露出及び全裸になるストリップ行為ばかりで、相手によっては露出狂だと誤解されかねない。が、裸身を人目に晒しても何とも思わないから、あながち露出狂は間違いではないとも言える。

他には
 自他いずれかが告げる「申告型」
 自ら見せるか或いは偶発的に目撃する「目撃型」
 触れたことで分かる「接触型」
 自身で告げて証拠となる“乳房”を見せる「申告型」と「目撃型」のコラボ的ケースの「複合型」
これら4つのケースがある。
急を要するとはいえ慎悟に女性だと打ち明ける際に"乳房"を躊躇なく見せ、屋内・屋外を問わずに人目も気にせず着替える。戦闘時にむやみやたらと上着や衣服を脱ぎ放つという妙な癖があり、顔が整っているだけに“絶壁の胸”という見っとも無い体を晒し、周囲がギョッとして“ドン引き”しているのに当の本人だけが気づかない。

独り善がりの思考ながら慎悟を捨てる愚を犯したが、彼の生きる道の平穏を守りたいと願い、自身に関わることで被る危険から守るためでもあった。世界の首脳陣に神の如く敬われる存在だと幻想に囚われたNo.10が、先の先を読んで的確な判断を下し如何なる事態も打開すると評した通りに大抵は事が運ぶ。しかし、現実にはむしろ想定内で済むことの方が少なく、当初の予想を大きく覆す想定外のアクシデントに見舞われる場合が多い。作戦行動においてトラブルが発生しても想定内で修正可能であることが多いことに対する“慣れ”による油断が、殆どの場合のトラブルの原因になっている。作戦行動においてトラブルが発生しても想定内で修正可能であることが多いことに対する“慣れ”による油断が、殆どの場合のトラブルの原因になっている。

任務での作戦行動中でも平然と単独行動に走り音信不通になる“悪癖”があり、いつも無事に帰還できると思い込んでいるが、その軽率な行為の裏に潜む“危険性”を認識する恋人と部下を心配させるのが常であり、コマンドーとして優秀であっても天才ではない。また自身で思っているほどには能力は高くはなく、運にも恵まれていないため、銃撃戦であっさり利き手の右腕を負傷するという失態を犯した。失敗して当然の任務や任務を口実にした私情の結果がご都合主義の展開で成功に終わる結末を迎えるため、いつまで経っても行き当たりバッタリで計画性の欠片もなく、己自身の限界を無視して強行した行為が逆に墓穴を掘るという繰り返しである。