イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

No.77はオカマに非ず

2013年09月28日 00時18分57秒 | 高橋美由紀

高橋美由紀公式ホームページの“2013年06月09日の日記”を読もう。そこに昨今の失敗に関する反省文が載っている。

「ミステリーボニータ 2013年07月号」(2013年06月06日)に掲載された『9番目のムサシ レッドスクランブル』の「Mission8:episode3」でのことだ。若い男性メンバーとの会話でイックは彼を“No.77”と呼んだのだ!No.77は無印の第1シリーズの「DUTY00:出会い」で“生きる世界の違いから恋人を捨てた女性”という人物設定でOLの友紀を演じた女性メンバーで、慎悟に接触し彼の想いを確かめた上で篠塚の居場所を教えるようにとイックに指示されたのだ。イック主導による慎悟と篠塚の和解に繋がる重要な役割を果たしたキャラだ。

同一人物だとしたら作中時間で3年ぶりの再登場になるが、12年前も昔に1回きり描いただけのキャラなので作者は彼女のことをド忘れし、第3シリーズ初の慎悟話の長編で新キャラの男性メンバーに既出のナンバー“No.77”を与え堂々と出してしまったのだ。コミックス第8巻が刊行される際にはナンバー変更が行われることになる。前後編は既に1回だけあるが、それ以上に長い話は初めてなのに。


文庫版『9番目のムサシ』の表紙

2013年09月26日 11時59分44秒 | 高橋美由紀

文庫版の表紙
 1→ 「DUTY1:始動」の見開き扉絵&コミックス第1巻の表紙
 2→ 「DUTY10:アテネ 4」の扉絵&コミックス第4巻の表紙
 3→ コミックス第5巻の表紙
 4→ コミックス第6巻の中表紙
 5→ 「DUTY21:迷路の出口 2」の見開き扉絵&コミックス第11巻の表紙
 6→ 「DUTY23:白の里 4」の見開き扉絵&コミックス第12巻の表紙


或る駐車場

2013年09月17日 03時39分31秒 | Weblog

旧「池淵榮」宅


駐車場としての表側から見た奥の引き戸


 同じ引き戸の昼


車道に続く歩道に面して一軒家だった頃の名残。旧「池淵榮」宅の引き戸とその脇の表札には、見づらいがハッキリと「池淵榮」とある。


 同じく旧「池淵榮」宅の道路側の自宅だった頃の引き戸の昼。


うきっこくずとりネット

2013年09月16日 01時37分24秒 | Weblog


 洗濯機の上に置いて撮影

オーエの「うきっこくずとりネット」である。リングがポンデライオンのように、花のようになっているのが特徴だ。洗濯槽の中に入れて、水流に乗って糸クズ等を取る。普段の洗濯はもとよりエスケー石鹸の「洗濯槽クリーナー」は洗濯槽に装備されているクズ取りネットを外して使うので、その際、本品を浮かべて黒カビ等を拾って排水する水につられて外槽に残留するのを防ぐ。


同化‐ゴーストハント2 人形の檻

2013年09月15日 23時47分52秒 | 小説

黙って耳を傾けていたジョンが、首を傾げた。「仲間になる……ゆうのは、同化、なんとちゃいますやろか」「同化?」「はい。一体になる、ゆうことで。せやから、同じような立場の人や、同じようなことを考えている人を欲しがる、ゆう気がするんです。例えば自殺しはったお方の霊がいたとしますやろ?そうすると、自殺を考えるような人を呼ぶ……ゆうか」「ああ――寂しくて仲間が欲しいから、自分と同じように自殺しそうな人を呼ぶわけだ」「はい。もっと悪辣やと、そこに追い込んでいく」……うーん。分かるような、分からないような。救いを求めてナルを見たら、ナルは溜息をついた。「そうそう簡単に霊のことが分かったら苦労はない」そりゃ、そうでしょうが。「ただ、霊として残る要件は強い思いだ。霊とは基本的に残存した強い意思――思念だ、と看做すことができる。この家の場合は、仲間が欲しいという欲求がそれだろう。なぜ同世代の仲間に限られているのかは分からないが。とにかく、それは仲間を求める。欲しいという欲求のみの存在なのだと言うべきなんだろうな」ナルは言って、部屋の隅に凝(こご)った闇を注視する。「仲間を求めるのは、それがそういう存在だからだ。求めた結果、仲間が増える。増えた存在は大本の存在と同化する。少なくともこの家の場合、子供たちは集団で一個の霊存在を形成している。互いに互いを引き寄せてエネルギーを補い合う関係にあるから、個々は決して強い存在ではないのに、除霊しても弾き飛ばされるだけで消えない。引き寄せられて戻ってくる」「ああ、なるほど」「ただ、同化するためにはそれが均質なものである必要がある、ということなんだろう。少なくとも似通っている必要がある。たとえば、寂しい子供の霊が仲間を欲した場合、同じく仲間が欲しい子供が死亡するか、同じく寂しい子供が死亡する必要があるのだと思う。前者の場合は『仲間が欲しい』という欲求が一致しており、後者の場合は『寂しい』という心性が一致している。最低でもどちらかが一致していることで初めて、両者は同化することができる」「でも、ミニーはすでにいっぱい仲間を持ってるじゃない。とっくに満足してそうなもんなのに」「そうだろうか?たとえば仲間の欲しい霊が、新しく仲間の欲しい子供を得たとする。その両者が同化する――だが、仲間とは連帯する『他者』のことだろう。同化したら他者じゃない」「あ、そうか」「仲間を得たところで、新入りが望んでいるのは仲間だ。同じく仲間を欲している。両者の思いが同化したところで、欲望が強化されるだけだろう。寂しい子供の場合は、同じく寂しさが積み重なるだけで満たされるわけではない。つまり、同じものが積み重なっても、加算されこそすれ減じることはないんだ。だからいつまでも仲間を求め続ける」……そっか。欲しいという思いだけがどんどん強くなるんだ。「だから、礼美ちゃんを孤立させようとしてるわけね?心性を一致させて、できれば欲求を一致させるために」「だろう。しかも礼美ちゃんは、そもそも連中の心性に対して親和性があるんだ。引っ越して友達と別れ、新しい友達ができずに寂しかった。ある意味、親和性はキーポイントだろう。大沼さんの孫も一人遊びが多かったと言っていた。大人は病人の介護で忙しく、充分に構ってもらえない。大沼家の末娘もそうかもしれない。身体が弱くて、兄弟や友達と均質でいられない。その孤立感をきっかけにして、犠牲者にぶら下がる」……取り込まれる、ってことだ。どんなに人間関係に恵まれた子供でも、ふっと孤立感を感じる瞬間があるだろう。それをきっかけに連中は目をつける。目をつけたら、目的を完遂するまで諦めない。