ドラマCD『神官は王に愛される』のキャストは主人公カップルを演じる声優の名前を聞いただけでは不気味ですね。表向きの主人公・冴紗が千葉進歩(ちば・すすむ)さんというのが!さっさと真の主人公・羅剛に陥落してしまえばいいのに悪足掻きする冴紗の“我が身は男でございます”という台詞が嘘っぽく聞こえるほどに女性的でたおやかな美形ははまり役だそうですが、そういうコメントを読んだだけではピンとこないですし、そのコメントを書いた人も意見が分かれるだろうな~とのことですから。それにしても、誘惑に負けてAmazonで注文しておきながら到着するのが怖い!!そーこーしているうちに届いてしまった。覚悟して聞いてみたら、女そのものの冴紗を千葉さんがというのはやはりガラガラ声の中井さんとの絡みは不気味でミスマッチだと思います。
ドラマCDの中身はというと、かなり原作の内容を間引きしてあり、羅剛の叔父・周慈とその息子で羅剛にとっては父方と母方の2重の従弟であり冴紗を娶り直系の血を絶やす羅剛の代わりに侈才邏王家の血を次世代へと繋ぐ重要な役割を託された伊諒、更には重臣どもが誰でも良いから押し付けようと企んだ婚礼の相手である崢嶮の王女・美優良は名前だけで登場しないまま恋人・諭朋と共に崢嶮に送り返されました。
羅剛は原作を読むとドラマCD『銀の鎮魂歌(何故、雑誌掲載時&角川ルビー文庫版のタイトル『銀のレクイエム』ではないのか?)で魂の半身キラ・カムスを死に追いやってしまい自らの心も死んでしまったジオ皇帝ルシアン・ゾルバ・レ・ソレル役の森川智之さんの声で聞こえます、何故か。独り善がりの小賢しい忠誠心ゆえの“国の行く末を憂えて”と称して重臣どもに謀殺されたキラですが、それでも、自分は《虹霓教聖虹使》になるべき身なのだと思い込み、なりたくないと言いながら羅剛と侈才邏のために《聖虹使》の猿芝居をすると寝言をほざく冴紗よりは遙かに『銀のレクイエム』の方がマシだわ~と思う。
馬鹿殿ルシアンを演じた森川さんの声で羅剛の言葉が聞こえるのは、多分、どちらも狂おしく恋い焦がれ己も恋する半身をも灼き尽くさずにはおれない恋の炎を燃やし暴走する恋の猪だからだと思います。但し、『銀のレクイエム』とは異なるのは、冴紗の方が自分は羅剛に疎まれたのだと誤解し、恨み言までぶつけてしまい大神殿の最長老と長老どもに宗教的洗脳を施された木偶です。
せっかく、羅剛を熱演した中井和哉さんには申し訳ないのですが。中井さんというと『ONE PIECE』のロロノア・ゾロが固定していて、とても狂おしい恋心というのが中井さんだとピンとこないです。BLCD(ボーイズラブのドラマCD)にはよく出演しているらしいのですが、私はそういう情報に疎くて。
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