粗略に扱えなくても、 《クリセニアン》シリーズの〈第1部「年代記」編〉に続く〈第2部「夢語り」編〉の『夢語り(1)エル・デオの眠りに』で、突如としてリンバーグ皇国の皇后ラリッサが贈り物である花《スターノリア》が原因である魔法の眠りで倒れ、心を封じられるなんて新生エルミネール王国の初代国王なのにフェランがあまりにも気の毒な展開です。
しかし、“エルミネール王国の再建は王家たるオルフェ家に生を受けた我々の責務だ!”と、フェランに何もかもやらせて自分が継ぐべき王位までも押し付けておきながら、己は王家の責務を放棄し“ヒッキー(ひきこもり)”と化し、怠惰を貪っているジークは最低です。出番が多いわりにはジークは3人で表紙の片隅にいて顔もわからないほどに小さくて、共に並んでいる片方はエステニア・ラーザだと杖でかろうじてわかりますが、もう片方は誰だかわからない不遇を味わっているようですね。
ところで、フェランの子供たち…フェザン(フェザラード・ラズ・オルフェ)&妹姫ミルデ(ミルデラータ・ラズ・オルフェ)とバハウ帝国の皇族の誰かとの婚姻話が、何故、持ち上がらないのか?そんなつもりではなくても、亡きゼルミナ女王は庇護する内にジークを洗脳してしまったせいで、ジークは自国エルミネール王国よりもリンバーグ皇国の国益を優先して考えているのが明白な発言が露骨なので、私はリンバーグが大嫌いです。
ところで、リンバーグ皇国は歴史が浅くて領土が大きく力が強い大国だと、ひかわ玲子先生は仰っています。と、ということは、リンバーグはクリセニアン・ワールドのアメリカ合衆国ですね。尚更、エルミネール王国とバハウ帝国との絆を強め、今回のシリーズにおけるリンバーグとの縁談は破棄して欲しいですね。
なにより、ラリッサなんかの穢れた血をエルミネール王家に入れないで欲しいわ
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