イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

homme fatal-運命の男- 03

2012年12月19日 09時24分42秒 | 小説

p.187~188

舐めとろかされ、指戯を受けた肛襞は、円みを帯びた頭冠(トップ)に触れただけで、歓喜の慄えを放った。自分の秘所が別に意思のある淫らな生き物となってしまった桜庭は、戦きながらも、鷹司の熱と硬さを確かめ、決心をつけた。ベッドに立てた膝で下肢を支えながら、桜庭はしずしずと腰を落とした。花びらがひらくように、肛の環がゆるみ、襞がざわめいて、吸いこみたがるのを制しながら、桜庭はゆるやかな挿入を行おうとする。鷹司から、くぐもった呻きとも吐息ともつかない声が洩れたのを聞いて、桜庭は、自分が彼を追い詰めているのだと感じた。桜庭は慎重に、身体を下ろしてゆき、完全に鷹司のすべてを自分の肛筒(なか)に捉えると、ゆるやかに、腰を揺すってみた。甘苦しいほどの快美感が、鷹司を咥えた秘所から湧きあがり、桜庭の腰を包むように撫でて、じわじわと身体を這いあがった。快美は、腹部の奥をぎゅっと収縮させ、乳嘴(ちくび)を充血で擽るような痛みに慄せてから、眩むほどの陶酔となって思考を犯す。声を洩らさなかったのが、奇跡のようだった。


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