イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

黒龍王(10) 世を乱す虹霓教の木偶

2007年11月19日 19時39分55秒 | Weblog

 羅剛が気づきながらも恋する冴紗が傷つき苦しむからと今は《虹霓教聖虹使》という戦乱を招く元凶であり続けるのを受け入れているけれど、世界中を戦乱の渦に叩き落とす元凶が“世を導く尊い御役目”だと最長老に思い込まされた《聖虹使》に自分という実体を与えてしまったがゆえだと冴紗が遅まきながら気づいて傷つくよりは、無理遣りにでも辞めさせて王宮内に監禁した方が“世のため人のため”ですね。CD化された『王家の紋章』の封入された紙に記された文面に“ナイルの娘は両刃(もろは)の剣。砂漠に恵みをもたらすと共に、ファラオに災いをもたらす。”とあるように、羅剛を死の淵に追いやり侈才邏を存亡の危機に陥れる元凶でしかなく、人々を導くどころか破滅に追いやる悪魔の所行だと悟るのはいつなのか?

 羅剛のためだけに生きていると言いながら、彼だけのモノに未だになっていない我が身を恥じずに、彼の心を傷つけてまで冴紗が《聖虹使》としての猿芝居で世を乱す!そして、冴紗が謁見で紡ぐのは口先だけの言葉だと気づかないところが詣でる連中の性根が腐っている所以(ゆえん)です。ところで、露わになっている顔の下半分が美しかろうとも上半分までそうとは限らないという想像はできないのか?仮面で髪と手と顔の下半分しかわからないのに。