フリーターが語る渡り奉公人事情

ターミネイターにならないために--フリーターの本当の姿を知ってください!

「よい子」の自滅運動

2007-05-13 20:28:26 | その他
これは、管理人がmixiの日記に書いたものを一部訂正のうえ、転載します。

理解しがたい非正規雇用の人々

労働組合、それに組合と仲のよい友好団体(共産党系の弁護士、社会問題になるものならなんでも首をつっこむ市民団体、明らかに左翼イデオロギー宣伝ねらいの学術団体など)とべったりとくっついている2-30代くらいの若い人たちがいる。

こういう人たちを見ていると、理解しがたい。
人それぞれ事情も思惑もあるのだろう。
それにしたって、
「この人たちも、よくやるよなー、もうやめたら?」
 と言いたくなる。

ドミナントな「理解者」たち

そういった団体は、かなり家父長的だ。いいかえれば、上の世代の男性中心なのである。
若者や女性は、サイードの言った「もの言わぬ他者」としてのみ語られる。
彼らの頭の中では、企業で働く女性は男性でも女性でもないキワモノである。権利を訴える若者は、知恵の足りない非理性的な存在であり、愚かでだまされてばかりだ。さらに彼ら・彼女らがまだ生まれていなかったり、せいぜい15歳くらいのころに成立した労働者派遣法に対して責任を負っている。心が歪んでおり、いつも大人の男性の導きがなければ、まともな判断のできない存在である。

自虐的滅私奉公

そういうところで、一度ならず迫害され痛い目にあわされたり、他人がそうされるところを目撃したりしている20代30代の若い人たちがいる。
その人たちの一部の、上の世代への卑屈なまでの貢献ぶりは筆舌に尽くしがたい。
薄給の中から、組合の宣伝文句を(ムリに)信じて
、会費を納め、寄付を集め、人を勧誘する。
時にはSSRI系抗うつ剤ーー自殺するリスクもある危険な薬ーーを飲みつつ、ほとんど毎日のように労働相談・定例会・映画上映会等にでかけてゆく。

会社はもちろん、家族や友人知人に「アカ」扱いされないように、組合に関わることを隠す。そのためにいつもウソをついている者もいる。

しかも、飲み会の席にもなると、他の女性や若者や非正規雇用の悪口ばかりなのだ。それも上の世代の男性の喜びそうな、少なくとも渋い顔などされそうにもない話のオンパレードだったりする。
女性や若者や非正規雇用は、自分たち一部の例外を除いて「DQN」であったり、「公の場で使う言葉を知らな」かったりする。

そのうえ、調査に当たるアクティヴィストや学者・ジャーナリストに職場の衛生環境の劣悪さ、派遣の寮の生活のしづらさ、低賃金・細切れ雇用の大変さ等を訴えるのは、「不幸自慢」「不幸競争」であり、「とちぐるっている(古風な言い方で「ふざけている、ざれているの意味」)」と主張する。(彼は釜が崎とグッドウィル従業員という2つのペリフェラル・ワーカーのグループをこうやって競わせつつ揶揄・中傷していた。。。。)
あるいは、上の世代の男性正社員の各種既得権益について指摘・批判することは「嫉妬」であり、「悪平等主義」だとも言う。

立場はどこ?

これらの主張のどこがネオコンお好みの宿命論や自己(結果)責任論と違うのか。?
生真面目すぎる過剰適応ぎみの性格ゆえに、上の世代や男性が自分たちに都合のいいことばかりしゃべっていることに気がつかず、抵抗も逃亡もできず、囲い込まれてしまう。
組合や研究会や法曹のタテマエをバカ正直に信じていることは、多少打ち解けてからもホンネで話せないこと、話したとしてもすぐにもとのタテマエに戻り、若者や日雇いバイトをバッシングしはじめることからも明らかだ。
そして、上の世代の男性を批判する側がいかに「バカばっかり」か、上の世代や男性に幼児扱い・家畜扱いされることが「必要」かについて、同じ立場のものに説教をくらわすのである。

これは、迷惑どころの話ではない。やられる側にとっては階級またはグループ内裏切り行為であり、間違いなく暴力である。

見掛け倒しの反体制

それに詐欺的要素も加わる。そういったタイプの若い世代は、たいていの場合、建前では「マッチョはダメ」だったり、「反骨精神にあこがれて」いたりする。
けれどすでに商業化され、惰性となり、権力と権威をめぐるゲームに変質した数十年前の反体制運動や文化にーー当時でもやはり上の階級・階層中心だった活動にーー自分たちの望みが少しでも反映されると見なすほうがおかしいのだ。
ボブ・デュランだって言っている。ロックはもう商売となり体制になってしまった、と。

自律性を思い起こして

立場が悪いと、自分がすべて悪いと思ってしまいがちになる。被害者よりも加害者のほうが崇高で、正しいように見えてしまう。
だからといって、上の世代の男性のいいなりになるうちに、何が自分たちの利益か、何が自分たちの生活であり、労働であり、そこから生み出される考えか分からなくされてしまうのはよくない。

そういう人たちにはどうか、拒否権があることを思い起こしてほしい。
オヤジの言うことにあわせる必要はあるのか。作戦としてやるのなら、時間を・空間を区切ってはどうか。いつでもどこでもではおかしくなってくる。
たまたまちょっと親しそうな人がいるからって組合に入る義理はない。未加入の権利もある。そうすれば、日常的な責任転嫁や侮辱からは距離がおける。
組合関連団体の講演会、ワークショップ、お茶会などに行く義務はない。
そういうところにえんえんと人を拘束しようとする上の世代の男性らのほうが間違っている。

そういう人たちは、できれば一週間でも一ヶ月でも、組合や組合の友好団体から離れてみてはどうだろうか?
そして、同じ問題について、団塊の世代のカラーに染まっていない同じ世代と話してみよう。身近な同僚、家族や友人と語り合ってみよう。
別の角度からの情報や意見が聞けるはずだ。
そうすると、知らない間に組合に関わることによって自分が視野狭窄や思考停止になっていたと気づくだろう。
組合の中の人間関係にふりまわされて、大事なことを見失ってはいないだろうか?

カルト・セクトの暗躍

組合の中にもぐりこんでいるカルト・セクト勧誘員にいかがわしい商品(機関紙などの情報商品も含む)をすすめられ、それが大学の先輩・後輩関係とも絡むために断れない人もいる。
こういういち大学の仲間関係を労働組合に持ち込むのは、公私混同なのだけれど、こういったところを通じてカルト・マルチなどが広まっているわけだ。
実はわたしはオフ会でこれをやられた。大変迷惑した。

甘い幻想とともに差別を飲み込む

こういうことをやっている人たちを見ると、そうすることによって「名誉大人」や「名誉男性」気分を味わっているのが分かる。若い世代をこきおろし、女性を侮辱する。日雇いアルバイターを非難する。
そうすることによって、一瞬にせよ自分が年収一千万の管理職に昇進したかのような幻想を見ているのだ。
そしてそれは気持ちいい幻想らしい。だって、悪口さえ言っていれば、自分だけはそのへんの若い奴らとは違うんだもん。 自分は大人っぽくて、活動熱心で、優秀(幽囚?)だ。他の若者や女性を叩きなおしてやるエライ立場なんだ。
コントロール欲と選民思想をひっさげた彼ら・彼女らは、今日も同じ非正規雇用や女性や若者らをやっつける論理と身振りの洗練に余念がない。

「よい子」の歪み

なんだか、会社や組合でひどい目にあわされている人ほど、おかしなことに対して何の抵抗もできない状態になっているような気がする。
ひょっとして彼ら・彼女らは、小さいときから虐待色の強い家庭や学校ですごしてきたのかもしれない。
だけど、若者による若者バッシング、女性バッシング等をやっても、問題は解決しない。
あの20代の男性は、学者等に調査されることを誇りに思っている。実は一種の“ゲテモノ”として社会調査の対象にされて片っ端からプライバシーをたずねられているのに気がつかず、むしろ選民意識のような感情に凝り固まっている。(←これってイタイのか、おかしいのか。。。 )

とにかくやめたほうがいい。上の世代の男性にこびるのは。
そうやって同じ世代や階級やジェンダーの悪口を言って、どうしようというのだ。
後見人となる上の世代が退職または死亡した場合、そういう人たちは指針を失い、横の関係における支援もなく、徐々に孤立し、力を失うかもしれない。
自分たちを侮辱し、互いの反目を暗黙に期待する。そういった組織のためにカネを払ったり、働いたりしないほうがいいと思う。
結局、侮辱されつつ損させられるのは自分たちなのだから。

いい歳して「よい子」ゲームなんてやめようよ。
2-30代にもなって「書記」とか「副委員長」とかいった肩書きもらってハイになる。
タテマエでは「均等待遇」「労働契約法制反対」とかいいつつ、酒を飲めば、
「女性や若者は中高年男性に嫉妬していてケシカラン」 
と言い放つ。それも、2-30代の女性が自ら、他の若い世代と女性を叩く。
オヤジに媚びて、出世して、あげくのはてには保守反動?
袋小路に足を踏み入れたって気がつくのはいつ?
それとももう「毒食らわば皿まで」気分なのかな?

脱奴隷根性を!

こういう光景は信じがたいし、信じたくもない。
とにかく、やめましょうと言うほかない。
赤木智弘さんの論考でも読んで、頭を冷やしてもらいたい。
そういう人たちは、フリーターの苦しみについて何も分かっていないし、分かる気もない。ただ人を利用し、政治的にひきまわすだけだ。
キツイことを言われたら愛情だとか思う必要はないと思う。
そうやって人を奴隷にする組合なんか、いらない。
少なくとも、自分は入らない。

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5 コメント

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運動は義務じゃない (ワタリ)
2007-07-19 23:43:32
うべぽさん、レスありがとう。

ご自分のことを優先するというのは、それでいいと思います。
最近取材したCさんから、こんなことを言われました。

Cさん:「組合活動をする人たちは、みんな力を持っている。」
ワタリ:「ちょっと待って、その力っていうのは?」
Cさん:「知識とか、人脈、その人脈を作る社交性とか…」
ワタリ:「そうなんですよ。そのほか、実家の経済力だったり、(労働)組合以外の社会運動体験もあるとか…。」

社会運動に参加するには、たとえばなんとか組合費が払えるなど、相対的にゆとりがなければ難しい。
たとえば、親福祉を使えなければ、労働基準法の1500円の解説書さえ買えないかもしれない。
組合をやれるのも、リベラルな気風の家族または学校が基盤にあるからだったりする。
ほかの社会運動経験があれば、そのときのスキルが次の運動にも生きてくる。サイトの運営、経理、グループ内でのゴタゴタの解決法、デモのさいのプラカードづくり、横断幕づくり、サウンドデモをやるノウハウ(←雨宮かりんさんご指摘)などなど。

だから、組合に入ったり運動をやらないらって罪悪感を抱く必要はありません。
音楽でもゲームでも、人生を楽しめばいいじゃないですか。

もしもうべぽさんが、好きが高じて音楽やゲームの知識・スキルが上がったら、そのとき運動と通じるかもしれません。
サウンドデモに新しい選曲を提案したり、ゲームのプリグラムを覚えたら、労働組合を作ったり入ったりするゲームの製作者になるのかもしれません。
そうしたら、まわりまわって運動にもプラスになる。

もしそうならないなら、うべぽさんの人生は充実する。
どちらに転んでも、損はありません。

運動団体の中に入り込んでしまうと、時折、外からの視点を見失います。
そんなときに、うべぽさんのような人が、「そんなんじゃだめ。もっとこうしたほうがいいんじゃないの。」とどこかで意見をする。
それだって運動にプラスになる。
それに、こうしてこのブログに意見を書いてくれていること自体、ひとつの社会運動、WEB上の社会運動という見方だってできるわけです。(うべぽさんがお嫌でなければ、ですが。)

どうか気に病まずに、ノン運動人生を送ってください。
それから、東京・高円寺の松本さんたちの運動は、かなり遊び心が入っています。そういう社会運動もあるってことを知っておいてください。
youtubeで探せば、お祭りっぽいノリの画像がたくさん出てくるでしょう。

わたしも、いつまで会費を納められるか見当もつきませんが、とりあえずグッドウィルユニオンの活動をがんばります。実は、今日会費を振り込んだばかりなんです。


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Unknown (うぺぽ)
2007-07-18 23:39:14
レスありがとうございます。

ただ労組活動に対し、不信感はあると書きましたが、そういう活動を行っている若者に対しては尊敬の念をもっています。自分ははっきりいって就活にせよ、資格にせよ、自分の事しか考えていません。その事に対してマクロな自分達の権利を勝ち取ろうとしている人達もいるのに・・と罪悪感を抱くこともあります。
でもやっぱりできないんですね。遊ぶことが大好きなんで。WEBも音楽もゲームも好きだし、将来結婚もしたい。やはりそれをぜんぶすてて活動に興ずることはできません。
だから真摯に活動している若い人にはがんばってくださいとしか言えません・・・
返信する
Unknown (ワタリ)
2007-07-17 14:26:44
ふまさん、うぺぽさん、いらっしゃいませ。
遅れて、おまけにまとめレスにて失礼します。

>ふまさん
>タイゾー化 とはうまい表現ですね。(ぱちぱち)

経験的に言って、せまい地域や組織の中で、長老社会色の強い人間関係のなかでばかりいると、こんなふうに自分たちの利害=身近な上位の身分の利益と錯誤するようになってくるようです。
そういう人たちは、たとえ一対一で、事務所以外のところで話していても、常に周囲に所属グループのメンバーが見張っているようなつもりでいます。労働組合の幹部やベテランがこれを聞いたら、どう反応するかばかり考えて、その場・その時を、そこにいる相手と話をすることもできなくなっています。

これを解除するためには、地域に密着しない主義が必要です。
労働基準監督署に交渉に行くときに、小さな労働組合のほうが都合がよいとする地域密着ユニオン関係者の弁もあります。
だったら、どうして大阪府なら大阪府のなかで、高槻・茨木・南部など細分化されているのか説明がつきません。
たとえば、日常生活圏としても高槻・茨木などは同じです。だったら、統合したっていい。
なのに、細かい地域に人をしばりつけるようなユニオンは、せまい人間関係のなかで、組織の下部にある人たちを抑圧しスポイルされてしまいます。
上の世代や男性が、気まぐれに相手を圧倒するような意味不明のことをわめき散らしたら、感情的に「自分(たち)が悪い」と考えてしまう。
いつも組織の内部に気配りしたり、内部でだけ分かる話で盛り上がり、他の意見が理解できなくなってしまう。
こういうことを唱える人間奴隷化学者たちは、自分たちだけはイギリス・イタリア・韓国など、国や地域を越えて動き、特権的にに学びます。
そして、自分たち知的ノーメンクラトゥーラの支配する組合員たちには、国どころか隣町の様子も分からない無知の状態を望むのです。特権を人権にするつもりなどさらさらないわけです。
理由は、そのほうが、組合員たちが自分たちの仮説に異論を唱えにくい状態にできるからです。
わたしは、こういう愚民政策をしくために「地域密着」を唱え、労働者の学びのチャンスを奪う熊沢誠の主催する「研究会・職場の人権」というところに大変な不信感を抱いています。

たとえば、http://www.npokama.org/kamamat/bunsitu/kankuu97/sima/sima1.htm
このサイトのうしろのほうに、大阪の不安定雇用の出身地が記されています。
地域密着型の労働組合では、こうした「よそもの」は排除されてしまいます。
わたし自身も、派遣に登録して、北大阪、神戸、伊丹、南大阪、名古屋などいろんなところに働きにいきました。他のプレカリアート系の人たちといっしょに。

そういう人たちを罪悪視し、切り捨てる研究会も、組合も、便りにはなりません。そこにいわば「洗脳」され、他人も洗脳しようとする組合員たちは、カルトの勧誘員の様相を呈しています。

>うべぽさん

おっしゃること、もっともです。
グッドウィルユニオン(ちかぢかわたしも加入予定)など少数の例外を除いて、たいていの組合は、六本木ヒルズ族や、旧華族・旧財閥などとは別の形で若い世代を収奪しています。
きつい肉体労働、会社内外の侮蔑の視線にも傷つき疲れた若い世代が、労働組合のひっきりなしのスケジュールにかりたてられている。話を聞いたり予定表を見せてもらうに、アルバイトや派遣が、正社員のための抗議行動等にかりだされている。
たとえば、大阪でグッドウィルの梅田支店の前で抗議活動をやるから、と誰かが呼びかけたとしましょう。
それに対して、「お前らのせいで終身雇用という幸福が壊されて、労働者派遣法ができたんだー!!」と叫んで、相手が5歳や10歳や15歳のころに成立した法律に関する「自己責任」を唱える地域密着ユニオンの上の世代が協力するとは思えません。
また、その上の世代を批判せず、批判者に対して「上の世代はウザいもの」とわたしが言ってもいないことを言ったことにしてつぶしにかかる若い組合員も、協力しないでしょう。
(ちなみにわたしとしては、上の世代を「ウザい」と言ったことはありません。取材の過程で若いプレカリアートからそんな話を聞いたことさえありません。上の世代にはウザさではなく、不信と絶望を感じています)
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Unknown (うぺぽ)
2007-05-16 22:33:52
はじめまして。うぺぽと申します。この若い人達は正社員ですか?非正規だったらとても信じられないです。どうやら労働運動のことのようですが、自分は労働運動に非常に疑問があります。権利を得るには義務を果たせ、という説教はこの手の人からはよく聞きますがそもそも立場も待遇も違います。さらに非正規の人は将来に不安があるので、望む望まざるかかわらず、資格とるなり就活するなりで時間も足りません。それなのにどうして自分の将来のための時間を投げ出して組織に尽くさなければならないのか全く理解できません。さらにいうと運動の果実、成果を手にするのはあくまで正社員であるし、現在は景気回復?の影響で要求は専ら賃上げです。つまり自分達が頑張ったとしても結局オヤジ達、年配者の小遣いが増えるだけだと思いますが。

結局自民、財界の行なったネオリベ政策が第一の収奪だとするなら労働運動の行なっていることは若者に対する第二の収奪ではないのでしょうか?

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Unknown (フマ)
2007-05-15 22:47:55
タイゾー化する大人や子供が増えたわ
こういう人達が暴走して戦争に行っちゃうんだわ
三角合併解禁で外資によるタイゾー化奴隷政策が始まるわよ

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