フリーターが語る渡り奉公人事情

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若い人を中傷するフェミニズム

2006-12-07 18:32:30 | ジェンダー
予想通りに……

↓ こちらのブログをごらんください。

評論家・池内宏美のブログ

http://ikeuchihiromi.cocolog-nifty.com/ikeuchihiromi/2006/11/post_35a3.html

もともと、期間工は漢字が書けるのか? という雇用形態差別になる発言をしたあと、2ちゃんねるや他のサイトでも「ひどい」「むちゃくちゃ」という声があがった。そのため、後日、期間工が漢字を知らないとした部分を削除したうえで再掲載した記事です。

80年代なかごろ・十代半ばのころよりわたしは、フェミニズム・女性の社会進出・地位向上がこうした結末をもたらすのではないかと危惧していました。
その予想がズバリ当たりましたね。

大人の女性が、高等教育とやらを受け、階級、じゃなかったジェンダー的裏切り者となる。そうすると、地位があがって女性解放だ。

このシナリオは、選抜されたごく一部の女性しか女性≒家畜状態から救わない。OLなんて下級社畜だ。日雇い派遣フリーターにいたっては、家畜になる権利すら奪われている。

それに結局この案は、女性差別を学歴差別におきかえることになるだろう。管理職なんて社会全体の何割かしか必要ではない。「現場」で危険な仕事をこなす人たちも、社会には必要な要素なのだ。

おおかたそんな予想を抱いた。

学校教育は可能か


世界中の人間が高等教育を受けるためにいったいくらの予算を組めばいいのだろう。今でも世界には初等教育の学校にも通えない子どもたちもかなりの割合でいる。
そのことを無視して、どうするのだ。
それに学校で身につくのは、上への従順さくらいのものではないのか。60年代のオルタナティブ教育運動が明らかにしたように、白人中心・男性中心の古典を読んで教養を身につけたり、そうでないものをさげずんだりすることを吸収するばかりの学校教育を礼賛してどうなるのだ。それでみなが東大旧理Ⅲに入れるのか。官僚になって、天下り先で何をやるのか。自然破壊の開発か、原発の推進運動か。登校拒否の子どもを薬づけにする「医療マフィア(イリイチ)」の幹部にでもなるのか。

当時十代のわたしは、そういうフェミニズムになじめなかった。

子ども・労働者を見捨てる教養フェミニズム

30代になった今、池内さんのブログを拝見して、本当にひどいなと思う。
だいたいブルーカラーになると、漢字がわかりにくくなる傾向がある。
書類とは別の世界に住まうことになるからだ。そのハビトゥスは、それほど否定されねばならないものだろうか?
それから、取材中一瞬のすれ違いの出会いだったが、自動車工場で働く女性もいる。そういう人たちにむかっても、漢字が書けないことをさも犯罪のように公の場で言い立てたりできるだろうか。
社会的地位のないことを、社会参加していないと罵れるだろうか。

そうした立場からわたしは、学歴や学力、それに社会や組織を崇拝する儀礼としてのフェミニズムには賛成できない。
しかし、子どもや若者の権利や解放をともに真剣に模索するようなタイプのフェミニズムであれば、喜んで連帯したい。
女性解放ならぬ子ども解放・アンファニズムと連携できるフェミニズムをわたしは求める。読者はどうか。

子ども・労働者を裏切ることなく

ところで、労働者(階級)は、「子ども」っぽいとみなされ、会社で・社会で侮蔑される傾向がある。
また、同じ労働者であっても、下層階級・肉体労働・日雇い労働・派遣などは、ホワイトカラーや正社員よりも「子ども」だと見下されることもある。
そうした役割としての子ども、イメージとしての子どもを容易に嘲笑したり見捨てたりしないフェミニズムがあってほしいと思う。
それは、東大旧理ⅢやMIT等を頂点とする大学のなかからは出てこないだろう。
大学の外から、院の外から生まれてくるだろう。
ちょうどわたしのような低学歴・低学力が、東大やMITを中心とするエリートの横暴をチェックする役目を果たすだろう。

いまのところこうした労働問題を扱うブログには、比較的男性の手によるものが多いように思われる。
そのうち、女性たちも組合の男の横暴も含めて声をあげるだろう。
今は、漢字の「一」という字も知らないそぶりをした紫式部の時代ではない。
教育のない女性が、「一」どころか「2」も「Ⅲ」も知っていてもいい時代だ。
学校教育を通じて、女の子らしく再生産されないすこやかな女性が、高学歴・高学力女のジェンダー的裏切りをただせるようになればどんなにいいだろう。
「言葉がない」「底辺」だからといって、相手に何をしてもいいわけではないのだ。

これはわたし一人の力ではできない。複数の女性、それに男性の助力も必要だ。今すぐにはダメだろう。
しかし、たとえば後藤和智さん、Lenazoさんらの主張を見ると、もうその芽は出ている。あとはそれが育つのを待つだけだ。
























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6 コメント

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リンク先を読みましたが… (***)
2006-12-15 18:38:25
リンク先の本文を読みましたが、問題部分が削除されたためか、どこが「ジェンダー的裏切り者」なのか全くわかりませんでした。
一体何が問題なんですかね?
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Unknown (ワタリ)
2006-12-15 19:29:40
このブログ・記事と関係のないカキコが一件あったので、削除しました。

***さんいらっしゃいませ。質問をありがとう。

わたしが言いたかったのは、女性差別撤廃が他のマイノリティへの社会的排除になりにくい道はないのか、という問題提起です。
一部の上流の女性が、自動車工場等で働く男性をたたくくらいならまだしも、そこで働く女性を無視することによって見捨てていることを不当だと訴えたかったのです。

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なぜ「フェミニズム」なのかわかりにくい (kiriko)
2007-01-02 04:10:52
こんにちは。
池内宏美さん(とそのお友達)が高飛車で差別的だった、というお話ではないのですか?
高飛車で差別的な人は男性にもいるわけです。
フェミニズムが嫌いな女性にも高飛車で差別的な人はいるわけです。
「若い人を中傷する『フェミニズム』」という括りは、よくわからないです。
「若い人を中傷する、ある高学歴高所得女」だったらまだわかりますけど。
べつだん、「フェミニズム」が若者を中傷したのではないんですから。
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Unknown (ワタリ)
2007-01-02 08:23:19
kirikoさん、いらっしゃいませ。

>わかりにくい とおっしゃるのならば、フェミニズムがたとえば自動車工場で働いてくたくたになっている女性をこれまでどのように扱ってきたのか、ご存知でしょうか。
自分が観察したかぎり、あの世界は基本的に「耳穴っ子」風学校優等生の排他的コミュニティを形成しています。
いわゆる「逃げる学力」の典型のように、学校を通じて出世し、元の出身コミュニティをばかにする価値観を身につける。あるいは、学校に選抜されなかった人たちを同じ女性として人間としてみなさない。
そういうフェミニズムの半ば無意識的な選民思想・選抜主義の表れが、こうした情報発信となって表れたと考えたのです。

だいたい、先生とかいう奇妙な職業について、TV等で人を無責任に中傷するのは、フェミの得意技ではありませんか?
わたしはそういうものを基本的に信用していません。80年代半ば、十代半ばでフェミニズムの異様なまでの学校崇拝を見て、ついてゆけなくなりました。
そんなことをしていたのでは自分(たちの)学校に行かないで育つ権利は放棄せねばならない。そんなことはできない。

もともと、わたしのような非典礼主義者にとっては、フェミニズムは人生の障害物なのです。
学校も病院も車も信用しない人間にとって、フェミニズムは害毒です。
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Unknown (kiriko)
2007-01-03 00:00:10
学校を信奉させようとする、その最たるものは文部科学省と首相官邸ですね。教育再生会議と称して、学校・教師の権威を高め、規範意識〃〃と言っているわけですから。

そんなものより、フェミニズムはもっと酷い、とワタリさんが思われるなら、そう思う理由があるのでしょう。
もっとも、私にとっての「フェミニズム」は、「『女であるがゆえに、働きたくても働けない、賃金が低い、馬鹿にされる』…といったことはイヤである」という考えそのものなので、ワタリさんはフェミニズムの考えを持っている人なのです。
それは私の捉え方ですから、ワタリさんに押しつける気はありませんが。
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同意見 (通りすがり)
2007-03-11 18:10:42
あなたの意見におおむね賛成します。
実はフェミニズムを標榜してる高学歴
特権階級にいる人たちは学がない、顔の美醜に劣る女性たちを、結果的にいちだん下の地位においてぜんぜん彼女達の地位をあげているどころか自分達の地位を補強するための自称憐れな労働階級的な男性の価値を貶めてるだけの活動家たちです。どう考えても女性差別は美醜の問題が大きいですから。男女同権といっても一部の女性の甘やかしを助長してしてきてしまった印象でしかないです。
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