一昨日の12日に、市長選、市議選、など計4つ余りの選挙を同時に行う、4年に一度の全国統一地方選挙が開かれました。
12日はあいにく全国的に雨模様のお天気となり、投票率がやや心配されました。(我が家の夫も...天候を理由に投票へはいきませんでした) 今回の選挙では、昨年の上下院選挙で上位争いをした、与党「法と正義(PiS)」、野党の「市民プラットフォーム(PO)」が、それぞれどこまで票を伸ばせるかが、注目の的となっていました。また、今後増えるEUからの補助金の用途をめぐって、各政党候補がさまざまな知恵を出してきており、各方面から大いに注目された選挙でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/e6/2a7099efadaff4c4aa0650e93fd5d828.jpg)
さてさて、気になる選挙結果ですが..やはり全国各地で「法と正義(PiS)」と「市民プラットフォーム(PO)」の激突となりました。注目すべきは、都市部では、野党の「市民プラットフォーム(PO)」の票が多かったのに対し、地方部、農村部では、現政権「法と正義(PiS)」の得票が多くなったことです。都市部ほど先進的、地方に行くほど保守的、傾向が今回の選挙結果でも、改めて証明された形となりました。
また注目のワルシャワ市長選は、現職のカジミエジュ・マルチンキエヴィチ氏(PiS)と、野党「市民プラットフォーム(PO)」擁立の候補、ハンナ・グルンキエヴィチ・ヴァルツ氏の得票が僅差となり、後日の決戦投票に持ち込まれることになりました。
ところで今回の選挙選、まったく本筋とは別のところで、一躍話題をさらった人物がいます。北東部ポドラスキエ県・ビヤウィストク市の市長選に立候補した、クシシュトフ・コノノヴィチ(Krzysztof Kononowicz )氏 がその人で、まったく無名ながら、奇想天外な選挙公約と、派手なセーターで、一躍時の人となった人物です。 氏の選挙公報フィルムや、それを見て爆笑するニュースキャスターの動画 などが、Youtubeなどの動画サイトで出回ったり、氏のセーターと同柄のセーターが、ネット・オークションで高額で取引されたりと、今ポーランドでは、ちょっとした「祭り」状態になっているんです^^... Youtubeといえば日本でも先日「スプーの絵描き歌」騒動がありましたが、今回の騒動は、いわば、ポーランド版「スプー騒動」といった感じです^^
結局、12日の選挙選では、コノノヴィチ氏は3.3%の票を獲得して選挙選に敗れました。しかしすでに騒動はとどまるところを知らず、氏のファンサイト までできる始末、さらには、氏を、今回の選挙の「ヒーロー」に選んだメディアまで現れました。
人を笑いものにするのは、もちろん決してほめられたことではありませんが、それでもこういったハプニングを通して、若い人たちの間で政治に関する関心が高まるのは、多分よいことなんでしょう。
私のポーランド語は未熟なので、次のサイトがとても役に立ちました。
http://blogs.smh.com.au/mashup/archives/008230.html
ついでに、ポーランド人の集う掲示板に、内田裕也の1991年の東京都知事選挙の政見放送を貼っておきました。
http://www.youtube.com/watch?v=3BLp1IUEkik
当時内田裕也は無所属としてはトップの票数を獲得したそうで、Kononowicz氏と似てますね。ですので。
でもKononowicz氏からは切実さと哀愁がにじみ出ていて、Bialystokの人々の窮状を想像するとやっぱり素直には笑えません。
氏の家庭での写真がありましたが。家の中の姿と、母親と黒猫の表情を見て憐れみを感じました。
英語のソースを探していただいて、ありがとうございます。
>でもKononowicz氏からは切実さと哀愁がにじみ出ていて、Bialystokの人々の窮状を想像するとやっぱり素直には笑えません。
そうなんですよね。ビヤウィストク市のあるポドラスキエ県は、ポーランドで最も貧しい地域の一つですし、コノノヴィチ氏は出てくるべくして出てきた人物なのかも知れませんね..
選挙当日は、結構な数の若者が、コノノヴィチ氏に投票数するために、投票所にむかったそうです。半分しゃれなんでしょうが、それでも、若者の政治離れが続く中で、朗報といえるのではないでしょうか。