旅のウンチク

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不安と同居する方法

2007年06月06日 | 旅行一般
昨日、不安と同居するという事について触れましたが、具体的な方法に触れてみましょう。

これがヒントです。

例えば1ヶ月、バイクでツーリングする場合、雨が降るかどうかを心配して、レインウェアを持っていくかどうか考える人はあまりいないでしょう。そのような不安はレインウェアを持っていけば対処できる話ですね。レインウェアを持っていても、"明日は雨かもしれない"という不安は消えませんが、その不安と同居できると思いませんか。

もう少しシビアな例をあげてみましょう。治安があまり良くないという情報のある国へ渡航する時の事を考えてください。

私の印象では多くの人が"どんな犯罪の可能性があるのか"を一心に調べて不安をどんどん大きくしているのではないでしょうか。それでは不安を自分で膨らませているだけですし、調べれば調べるほどどんどん不安材料を増やす作業を行っている事になります。

次に考えるのは、それらの犯罪の情報から、"自分が巻き込まれない方法を考える"事です。この位は皆が考える事でしょうし、一般の社会生活ではこういう方法がリスク管理の方法論として一般的かもしれません。ただ、旅においてはこれもあまり通用しません。なぜならば、自分が現地に入る頃には犯罪のトレンドが変化して、新しいタイプの犯罪に移行しているかもしれないからです。そのあたりを完全に調査する事は不可能ではないでしょうか。だから、この方法論を取ると、漠然とした不安を抱え続ける事になります。

上の2つの方法論は自分の目標が"犯罪に会わない"という事に立脚しています。ところが旅全体を通して自分が考えなければならないのはそんなに小さい事、甘い事ではありません。自分が何とか帰国するという事であるという点を忘れてはならないのです。

ここで気がついていただきたいのは"調べている情報が違うんじゃないか"という点です。

犯罪に会わない事を必死に考えるよりも、もし自分が犯罪に巻き込まれてしまったらどうするかを調べ、考えるべきだという事です。最悪の自体に陷らない事を考えるよりも、陷った場合にどうするかを知っている事の方が重要であるという点をよく考えて情報と接するようにする事。それが不安と同居するための方法論です。


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