お大師様と共に

　　日没間近。


　　頼んでいた本が漸く届きました。


夜の帳に包まれる頃　熱戦に沸くパリは静かな眠りの中か。
暑さのせいにして無気力な日々を送り　演じたくもなるこの暑さ。

７月は大師堂の当番月　海辺の町の最上階にあって４００年も前から人々の拠り所として
崇められ　お大師様と親しみを込め大切に守られてきた。
結婚後暫くして義母から引き継いで３５年余り　核家族となった今バトンを渡す者はいない。
海辺の町に住む女性５人が持ち回りで行なっている。

気温が高くなる前に済まそうとぬれタオルを首に巻いて　
イノシシ対策用に手に形ばかりの鎌を持ち大師堂に向かう。　
昔は誰かが手術をすると言って大師堂に住民が籠もってお経を上げた。
受験をする厄年だと言ってお参りしてきた場所でもあった。

辰農和男の「四国遍路」を再度読みながら
「かっては修行僧だけでなく、病気の人村を追われた人駆け落ちの人びとが歩いていたが
今は超過密超高速の　世の中全体が病んでいて　息苦しさや鬱屈や疎外感に苦しむ人々
何とかしてこころの地獄から自分を解き放ちたいと願う人が四国の土を踏みます。
四国の人と風土は遍路びとを包み込んでくれます。」と書いている。

当海辺の地区は７つの集落からなっており其れ其れに弘法大師を祀っている。
人々は様々な理由からこの地を去り　其れでも連綿と続くお大師様信仰。

掃除を終えお大師様に向かって手を合わせ鐘を叩いて鉦も一つ
オマケに木魚を叩いて帰るとしましょうか。

和霊大祭

　　祭りのあとの朝

ライブ中継より拝借

　　１３M先の御幣を手にするために　若者は必死によじる　竹のしなりに苦戦しながら　　　　　　　　


　　街中は熱気に包まれる。


　　海の守り神を祀る和霊神社親しみを込めて和霊様と呼んでいる。


　　３体の神輿に護られて


　　和霊様の前を流れる須賀川で禊ぎをする。和霊様に掛かる御幸橋


７月２４日
和霊様も今日が最終日　走り込みである。
毎年のように出掛けていたが夫が杖を突くようになってから街に出かけても
祭りを直に観ること無く日の暮れまでには帰るようになった。
毎年同じ事の繰り返しであっても皆はこの時を待っている。

祭りの始まりは伊達政宗の子秀宗が宇和島藩主になると山家清兵衛（やんべせいべい）は付き人となり
仙台藩より家族連れで宇和島に来た。全てにたけた清兵衛に反対する者が生まれ
秀宗の命を受けた刺客が山家一族を襲い惨殺　後に相次いだ不幸が山家一族の祟りと思った２代藩主宗利が
武士や町人達と共に和霊神社を建立山家清兵衛を祭神とした。　海の神様でもある。

２３日には日中牛鬼が街中を練り歩き大きい牛鬼に至っては６００㎏の重さがあり
骨組みは竹を用いている　３０人の担ぎ手で担がれた何体もの牛鬼が街を練り歩く。
地区の祭りにも大小様々な牛鬼がおり祭りに牛鬼は欠かせない物になっている。

和霊様から３体の神輿が港まで担がれて夕刻花火の合図と共に港から船に乗せられ（船渡御）
和霊神社の前を流れる須賀川に担ぎ手共々神輿３体が川に入る。
須賀川は汽水域　潮の影響を大きく受けるためその年によっては川の水深が異なってくる
今年は大人の肩くらい有ったようだ　１３Mの竹の先に御幣を括り付け若者がよじる。
和霊大祭の終わりは暑い夏の始まりでもある。

黒潮の大蛇行

　　大潮の時は網はお休み。


　　郵便局の入り口にツバメの巣がありました。


　　ゆうパックにて花の苗が届きました。上手く育てられるだろうか。


２２日～２４日迄　宇和島の街は祭り一色になる。
仙台伊達家との繋がりの強い当市は昨日はゆったりとした「さんさ」が街を踊り一色にして
今日は孫娘も参加する「ガイヤカーニバル」が暑い夏を盛り上げている。

街まで海岸線を走る。道中大型の台船に積まれたゴミの山を見掛けた。
海洋ゴミが滞留し島々に打ち上げられたプラスチックゴミはマイクロプラスチックゴミとなり
海の環境を破壊し魚たちや海鳥たちが餌と間違えて口にする。炎天下陸揚げしていたがかなりの量である。
街は夏祭りで賑わう　一方仕事をしている人も居る。

当地では梅雨明け後　連日赤潮の発生が続いている。
最近新聞紙上を賑わせている黒潮の大蛇行　赤潮の発生に関係がありそうだ。　
本来なら日本列島に沿って太平洋を北上するが四国足摺岬から紀伊半島にかけて大きく南に蛇行している。　
豊後水道から黒潮が瀬戸内海を通って紀伊水道へと抜け循環していた。

黒潮の大蛇行は瀬戸内海の海苔養殖業者や牡蠣養殖業者にとって不振が続く原因となり
南予の養殖業者にとっても有害プランクトンの発生は心穏やかでは無いだろう。



　　

ローカル線の旅もイイ

ディーゼル / 六角精児バンド



　　蒸し暑く視界の悪い朝。


　　遮光シールを貼りました　１～２度下がったような気がします。


　　羊蹄山の伏流水を使用したゼリー　ほろ苦い珈琲が美味。


木曜日のラジオ「ふんわり」を聞きだしてから見逃し配信「呑み鉄本線日本旅　夏釧網本線を呑む！」を観ている。
お酒が好き鉄道が好き音楽が好きという　破天荒な人生を送ってきた彼だが何故か憎めない。
自らのバンドを持ち音楽の好みに親近感が湧く。

網走から東釧路までの旅　徐ろにバッグからビールを取り出して呑む。
一両編成の列車が単線を走る　釧網線に乗って夏の北海道　気ままな途中下車の旅。

オホーツク海の先に知床連山を眺めビールを呑む　ジャガイモの花が咲いて収穫間近のジャガイモは
焼酎の原料となる。　斜里岳を眺めて乾杯。
遠慮がちに列車の中で　つまみは景色でビールを呑んでいる。

人口減少に伴って赤字路線は廃線の憂き目に遭い　列車通学の子供たちに取って
冬列車が走らないときはバスの代替が無く学校を休まざるを得ないと
厳しい現実を突きつけられた。交通手段が無くなれば自ずと人は減少するものだ。

　乗り鉄　撮り鉄色々有れど
　我が鉄道の旅は「呑み鉄」なり
　鉄道（レール）の先にあるうまい酒
　うまいモノを求めて　走る列車に身を任せれば
　ァ～今日も　いい気分　　　　　六角

あてのないローカル線の旅もイイ
釧路湿原を眺めながらマイバッグから出てくる物はビールにお酒に焼酎に
「そんなに急いで何処へ行く」という標語があったけど
人生の最終章はローカル線の旅もイイ。

今年も赤潮が

　　朝４時半頃


　　１０分後


　　５時過ぎ辺りが明るくなってきた。


　　マジェンタ　この花が好き


昨日今日連日早起き　もう行かないよと言いながら魚市場に付いていく。
役には立たないけれど夫よりはマシと言う具合で　二人揃って一人前。
睡魔は時間に関係なく襲ってくる　寝だめの出来ない身体。

６時を過ぎると辺りは明るくなって海の色の変化に気が付いた。
赤潮である。魚市場に行く途中出荷場の灯りが点いていたのはその為だったのかと思った。
海辺の町に帰り着く途中保冷車が待機していた。カンパチが酸欠になっていると言う。

梅雨明け前後の急激な海水温の上昇と照りつける太陽で海中のプランクトンが異常発生し
魚にとって有害なプランクトンが発生する。
エラ呼吸するカンパチ　有害なプランクトンによって傷ついたエラから
酸素が取り込めなくなって酸欠状態になり死んでしまう。

ロシアのウクライナ侵攻に因って餌代資材代は高騰　夫の妹家族も魚類養殖。
一夜にしてどん底を味わった我が家　億と言う負債が残され赤潮の被害を聞く度に心が痛む。
生き物を生業としている者の宿命　赤潮を乗り越え台風を乗り越えられるよう願うばかりだ。
今養殖を止めナント言っても心穏やかに生活出来ることが精神衛生上とても良い。