海辺の町から

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穏やかな晩冬

2019-12-16 14:13:17 | 日記
穏やかな晩冬
一キロ程の鯛を釣ってきた。何にしようかと迷ったが 活きているので昼食のお刺身にと。
弱った頃合いを見て包丁で エイッと
相手も最後の力を振り絞りまな板の上でピタピタ動いている。
ヒヤッ-と小さな声を発し 此方を睨んでいる眼光を布巾で隠し
ごめんなさいと 頭を落とした。
三枚に下ろし 食べないお刺身を造り
身の一杯付いた中骨をあら炊きにしようと。
 凪いだ海には釣り船が在り
 波立つ海面すれすれをカモメが獲物を狙い
 誰にも邪魔されないゆったりとした時の流れがここにはある。

読みかけの本

2019-12-12 14:09:28 | 日記
好きな作家の一人に辺見庸と言う人がいる。
最新書「純粋な幸福」が手元に届いた。文庫本になる迄と思ったが・・・。
初版本が届いた。読みかけの本を家事の合間に閉じながら
 命を吹き込まれた言葉は内面を揺さぶり 眠っている細胞を静かに覚醒させて。
 放たれた言葉は弱者へ優しく寄り添い
 矛盾だらけの世の中を律し
 言葉を持って抗う人なのだと思う。
 静かに静かに不織布で弱き者貧しき人々の涙を拭うように。
 沸々と滾るエネルギーを感じながら 読みかけの本を読もう。

シロコズナ釣り

2019-12-08 15:43:40 | 日記
釣り好きの小2の孫と息子がシロコズナ釣りに出掛けた。
めったに釣れない高級魚なので小さい魚でも釣れたら孫が喜ぶのになァと・・・。
南国と言えど12月の今は風が冷たく気温も低い おまけに波もある。
いやになったら帰りたいって言うのよ と孫に伝え 背中にカイロを貼ってこれでもかと云う位の服を着て
孫は急いで親の後を追った。
 先日息子が2.6㎏ものシロコズナを釣り上げた。これに気をよくして孫を連れて出掛けた。
お昼には戻ると云って出掛けたのに一向に帰って来る気配もなく メールの返信もない。
寒さに震えている孫を思うと気がきではなく そうこうしていると1時を大分過ぎて帰ってきた。
急いで外に出て行くとナント孫がシロコズナを釣っていた。寒かったでしょうと声を掛けると 
最初はチョット寒かったけど大丈夫だったと 誇らしげに魚を見せてくれた。
宿題を済ませ夕食にお刺身にするのと ママと妹の住む町へ帰って行った。

義母サヨコさん

2019-12-06 13:46:49 | 日記
大腿骨転子部骨折で入院して50日余 先日リハビリのための転院をした。大正生まれの気性の強い義母で幾度となく涙した事か。
きっと何時かと胸に秘めていたが 今、年老いて小さくなった義母を見ていると其れは酷な事だと。**さんにはようして貰って
有難うございました。と、嘘じゃないんでほんとで なんかしてやろうと思う 目頭に涙をため動けない義母の涙を拭った。
そしたらお母さん元気になってお寿司を作って頂戴 私の言葉に黙って笑っていた。食が細くなり日に日に弱っていく姿を見ていると
もう一度家に連れて帰ってあげたいと思っている。リハビリ頑張ろうねサヨコさん。

長かった沈黙から

2019-12-04 20:00:27 | 日記
ダークグレーの重く垂れ込めた雲が一面に広がり
時折見せる色あせた太陽の光は弱々しく 本格的な冬が来た。
北西の風が吹くと 海辺の町は人の往来もなく 野良猫が大きなおなかを揺らして我がもの顔でいる。
人口減少に歯止めの効かなくなった今 この田舎はあと何年田舎であり続けるのだろうかと思う。
 市の中心部からくねくねと車で一時間余 
 まだ若いと言われてきた団塊世代 高齢者は施設のお世話になり 若者は一足飛びに年長者になった。
 
 魚が釣れたと情報が入ると 忽ち波止は釣り人たちで賑わいジッと静かに見守る住人たち
 魚に無農薬の野菜そして果物と 物々交換は日常的に行われ 井戸端会議は今も健在
 補い合って支え合って暮らしている。
 少しばかりの魚を釣って 野菜を育て少しの趣味をもち何気ない日常が過ぎていく。
 海辺の町のおばさんの独りごとです。