海辺の町から

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農民作家山下惣一

2023-09-24 09:12:58 | 日記

  今日も暑くなりそうな朝です


  Fさんの遺したレモンが枝先までたわわに


日本人は農なき国を望むのか ~農民作家山下惣一の生涯~を観た。
名前は知っていたがここまでの思いの人とは知らずに来た。
玄界灘に面した土地でミカンを作りながら物書きと二足のわらじを履き
物言う百姓の86歳の生涯を昨年閉じた。

1960年 当時の池田勇人は所得倍増計画を打ち出し翌年には農業基本法が制定された。
自給自足型農業から選択的拡大へとスローガンを掲げ機械化へと大幅収量UPを目指した。
八郎潟干拓の稲作同様 国が奨励結果生産過剰に陥りオレンジの自由化も相まって価格が暴落
国は指導はしても強制はしていないと冷たい。

ミカンの木全てを切って米作に切り替えた。
ある年死米(精米した際お米の形が崩れ白濁している。)が出た。
肥沃な土は微生物の働きで稲わらなどの養分を食べ収量にも大きな差が出ていた。
田んぼの生き物調査をしたところ無数の命が田んぼの中に育まれ鳥や虫蛙が其れを餌として
多くの生き物を生産し食物連鎖の基本を作っていた。

「商品としての米は輸入できるけれどこの様な環境は輸入できない 食べると言うことと
環境と地域社会は密接に繋がっていることを分かって欲しい」と話していた。
「小さな農業は残ると思うんです 強い農業と言うけれども強い農業が残るんではなくて
残った農業が強いんですよね。」と

日本経済が高度成長を遂げて農業の輸入自由化が加速し出した頃「日本農業不要論」が
巷で叫ばれ出した そんな中「食と農の大切さ」を訴え続け
「農業は成長よりも安定 拡大よりも持続 競争よりも共生」と唱えた。

道の駅が賑わっている。その地に根を張る家族農業は大規模農業と違って
身近に消費者がいることかも知れない そして目に見える安心安全な食べ物を求めていると言うことも。