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子ども手当、「所得制限なし」で決着 後は財源の確保

2009年12月22日 10時08分33秒 | 子ども手当・子育て
21日、鳩山首相が、子どもは「社会全体で育てはぐくんでいくもの」と考え、「所得制限は、基本的に設けない」という方針を出し、ここ数日の議論に決着をつけた。右往左往した感はあるが、これからは財源確保のための調整。国債発行額に44億円のキャップがかかっているのだから、どこかから捻出しなければならない。長妻大臣は、所得制限を設けるべきでないと主張し続けたのだから、厚生労働省から何とか財源を捻出しないと他省庁からの協力を得られないだろう。こちらも「政治主導」で決着をつけてほしい。

子ども手当の所得制限なし、タバコは増税 首相が表明
http://www.asahi.com/politics/update/1221/TKY200912210330.html?ref=goo

子ども手当の財源、地方・企業も負担で調整 鳩山内閣
http://www.asahi.com/politics/update/1222/TKY200912210453.html?ref=goo

たばこ、1本5円増税の方針 1箱100円値上げ見通し
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/politics/K2009122104400.html

このブログでも書いたが、民主党が所得制限を設けるように求めたことから、800万円から2000万円まで様々な基準額と意見が出された。しかし、結局のところ、所得を正しく把握することが難しく、把握しようとすると事務経費がかさむことから見送られることになったようである。管副総理が所得の把握のためには納税者番号の導入が不可欠と述べていたことが思い出される。藤井大臣が納税者番号の導入時期について「4年間の任期の後半の仕事」と述べていたが、検討が加速する可能性も出てきた。
また、読売新聞社の調査結果では、子育て世代の30歳代で所得制限を設けるべきが75%、全体でも72%と多数を占めている(反対は22%)。高所得層にも配るのか、バラマキではないかとの批判に対しては、自治体に寄付する制度を設けるとしているが、定額給付金のように申請しないようにするだけでも十分かと思う(定額給付金は、先日、予算の1%にあたる190億円が国庫に返納された)。国庫に返納されると、どう使われるかわからない。それならば、自治体に寄付するという積極的な行動を選択することで、自分の住む地域の子育て環境の充実などに使うことができる。自治体は、子ども手当を寄付することの意義を積極的にアピールすべきだろう。

子ども手当に所得制限「賛成」72%…読売調査
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20091219-567-OYT1T01242.html


電通が子ども手当が支給されることになる世帯の500人にインターネットを使って調査したところ、子ども手当の使途は「将来のための貯金(6636円)」「子どもの塾や通信教育など(1485円)」「通園料・授業料の補填(1429円)」となった。1万3千円の半分ほどが貯蓄にまわることになり、経済効果としてはそれほど大きくならないことが明らかになった。

経済波及効果は2.4兆円=子ども手当、半分が貯蓄に-電通調査
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-091221X766.html

子ども手当は、景気対策・経済対策を目的とするものではない。貯蓄にまわった分が、将来、子どものために使われるならば、それでもよいかと思う。生活費にまわってしまうかもしれないが、各家庭のお金の使い方にまで国が口を出すこともないだろう(子ども手当法の目的には、しっかり書き込まれると思うが)。