「金時にんじん」と「くわい」は京都府内での栽培が少なく近年のブランド品としての出荷の実績がないということらしいです。
「金時にんじん」
公式テキスト『京の伝統野菜と旬野菜』より
⚫︎ニンジンには西洋種と東洋種があるが、「金時にんじん」は東洋種である。
⚫︎「市では伝統野菜に準じる」p128
と書いてありますが、「京の伝統野菜」からは外されています。
※『「京にんじん」ともいわれ、京野菜の代表のように思われていますが、正確には明治以前から京都が主産地で栽培していたという史実はなく京の伝統野菜には含まれません。』さいさい京野菜倶楽部ホームページより。
余談ですが、
最近「京かんざし」という金時にんじんを早採りしたのが出ているようですね。こういうのもいずれブランド指定されるのでしょうか。
余談2
お隣の大阪では「金時にんじん」が「なにわの伝統野菜」に認証されています。大阪での伝統野菜の認証基準に「概ね100年前から大阪府内で栽培されてきた野菜」とあります。なにわの伝統野菜の「金時にんじん」は江戸時代から昭和初期にかけて大阪市浪速区付近の特産であり、「大阪にんじん」と呼ばれていたということらしいです。大阪府のホームページより。
過去問より
⚫︎第6回問題20写真問題、第2回問題46より。
ニンジンの葉に来る代表害虫として「アゲハチョウの幼虫」があります。
※アゲハチョウはヒガンバナやニラの花などのユリ科に来るのをよく見かけますが、確かにニンジンの葉を幼虫に喰われた経験があります。
⚫︎第1回問題16より。
平成18年の京都市中央卸売市場に入荷した府県別の内訳で香川県がダントツ1位で、京都府が3位。
公式テキスト『京のブランド産品ガイドブック』p52では『近年のブランド品としての集荷実績はありません。』とありますが、「ブランド品でない金時にんじん」は出荷されているのだと思います。早採りの「京かんざし」がサラダ向けとして出荷されていますから。
【追記1/12】
旧テキスト「ほんまもん京野菜ガイドブック」より
第5回の検定試験まで公式テキストになっていた「ほんまもん京野菜ガイドブック」に「金時にんじん」の項目がありますので念のため、そこからも参照します。
⚫︎ニンジンには西洋種と東洋種があって、「金時にんじん」は東洋種である。
⚫︎西洋種のニンジンのオレンジ色は色素がカロテンが主体ですが、それに対して東洋種の「金時にんじん」の色素ははリコペンの含有量が多い。
⚫︎赤紅色の赤い体をした「足柄山の金太郎(坂田金時)」になぞらえ、金時にんじんという。
「くわい」
⚫︎クワイは冬から春のはじめの寒い季節に、水田の湿地の中から採る。
※おせちに入っているのを考えると「冬の寒い季節」に収穫と思えばよいですね。
⚫︎クワイとは「鍬芋(くわいも)」の約語で、葉の形がクワの形の刃のようであること、葉と葉柄の付き具合が「二刃鍬」の形に似ているのでこう呼ばれた。
⚫︎葉の形が二つに分かれて長く尖っている(ツバメの尾っぽに似ている)ので
「燕尾草(えんびそう)」の名もある。
⚫︎クワイは漢字で「慈姑」と書く。
⚫︎栽培起源として豊臣秀吉が天正14年(1588)に京都に御土居を築いた時、土地を掘ったため低地ができて湿地ができた。そこへ朝鮮から輸入した球根を植えたが普及せず、その後、大阪三島郡鳥飼村からの鳥飼種が栽培されて今日に至る。
⚫︎2毛作のできるような良田に植えると病害などのため成績が悪い。
⚫︎栽培種には「青クワイ」と「白クワイ」があるが、日本で栽培されているのはほとんど「青クワイ」である。
ブランド産品としてはあと、「京たんご梨」、「丹後ぐじ」、「丹後とり貝」、「祝」がありますが、これらは『野菜』のくくりではないので京野菜検定の出題範囲からは外れるのですね。ただし『果実』の分類の「京たんご梨」は入っていませんが、「丹波くり」は入っています。
全部ひっくるめてブランド産品27品目です。