ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

首長国をまたがるバス・タクシーの運行

2007年09月18日 00時03分27秒 | 車/交通事情
日曜日の7時過ぎのこと、目覚まし時計は7時半にセットしてありまだベッドでうとうとしていると、居間で充電中の携帯電話が鳴り起こされる。インド人社員からだ。通勤に利用しているバスが来ないので、これから私のアパートに行っていいかと言う。駄目だとも言えず、急いで着替えオレンジ・ジュースとヨーグルトで簡単に朝食を済ませた頃に、社員が到着。私の運転する社用車で出勤する。

社員の話をよくよく聞いてみると、こういうことのようだ。UAEでは、バスは首長国ごとにライセンスを与えられていて、ドバイのライセンスで運行するバスはドバイで客を乗せシャージャーで降ろすことは問題ないが、シャージャーで客を乗せることは違法にあたる。社員が利用していたバスは、ドバイのライセンスで営業していて、おそらくは違法であるのを承知で、シャージャーで客を乗せていたのだろう。だが、この日RTAに見つかり5000ディルハムの罰金を科せられてしまった。

そういえば、タクシーでも思いあたることがある。シャージャーでレンタカーが動かなくなった時のことだ。やっとの思いでつかまえたタクシーが、ハイアットリージェンシーまでなら乗せるが、それ以上はお断りだと言う。しぶしぶハイアットリージェンシー(ガレリア・アパート)で友人を降ろすと同時にドバイナンバーのタクシーに乗り換えたものだ。シャージャーのタクシーはドバイで客を乗せることができないから、ドバイで客を降ろすと、空車でシャージャーまで帰ってこなければならない。その距離を極力少なくするために、シャージャーとドバイの境界に近いハイアットリージェンシーまでと言ったのだろう。

社員の住居については、クリークを渡るのに時間がかかるので、デイラなどその東側はなるべく避けた方がいいとは言ったが、意図的にあまり立ち入らないようにした。だが、こういうことが起こることは全く想定していなかった。シャージャーはドバイに比べるとまだ家賃が安いこともあって、(日本人ではほとんど聞かないが)シャージャーに住んでドバイに通勤する人は多いと聞く。シャージャーの住居を検討する場合、通勤手段についてはあらかじめよく考えた方がよさそうだ。

我が事務所のインド人社員はと言えば、ますます運転免許の取得に闘志を燃やす結果となった。インド人など、自国の運転免許の書き換えができない人達にとって、この国で運転免許を取るのがいかに難しいかはいずれ書きたい。

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3 コメント

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Unknown (松本)
2007-09-19 10:06:59
日本でもありますよね、営業区域の制限。余り意識することがないので、近頃は規制緩和されているのかと思ったのですが、次のページの記載とかだと、そうでもないようですね。それともこの記載が言うほどではないのが実際なのか、どちらかは知らないですが。
☆タクシーのお部屋 
http://www2s.biglobe.ne.jp/~mtomita/taxi_kisoku.htm

PS コメントするのは久しぶりですが、毎日見ています。本当に毎日更新していて、感心しています。
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タクシーの営業区域 (duke_h)
2007-09-19 22:49:15
松本さん、眼からうろこの情報ありがとうございます。ちょうど日本や米国ではどうだったっけと思っていたところですが、「回送」というのがそういうものだとは知りませんでした。この規制、独占禁止法上のテーマにもなりそうですが、なにより地球に優しくない気がします。京都議定書の公約を実現するためにも(?)、空車で走行する距離を減らす方向に規制緩和したらどうかと思います。カナダが公約実現をギブアップしたというニュースを聞いて、地球温暖化を憂う今日この頃です。
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違う見方も.... (松本)
2007-09-20 23:47:35
ご返事ありがとうございます。

確かに、空車で帰るのを強制しているところに着目すると、エコに反しますね。でも、そもそもが自動車が余りエコでないものでもあります。

そういう意味では、タクシーを制限することは、エコにつながる、という可能性もあるかも知れません。

この手の話は、本当の影響を評価するのは、とっても難しいです。
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