ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

安倍首相ドバイ訪問

2007年05月02日 23時10分48秒 | 時事
関西空港発EK317便で定刻の5時半に、ドバイ国際空港に到着した。機内では映画を1本(「7月24日通りのクリスマス」)をみながら、出された軽食を平らげた後、いつものとおり、「Do not disturb」のステッカーを座席に貼り、アイマスクとのノイズキャンセルのヘッドフォンをつけて寝た。ぐっすり寝たのはよいが、寝違えたようで、右肩が痛い。

機内へのドアの手前にあるテーブルに平積みになっていた新聞の中から、5月1日付ガルフニュースをとる。4月30日には、安倍首相と経団連のミッションがドバイを訪れているはずで、どう報道されているか気になっていたからだ。

安倍首相は前日にアブダビを訪問しており、大方は書き尽くされていたせいもあるかもしれないが、紙面での扱いは1面写真入りとは言え、扱いは小さく、同じ日にアブダビでハリファ大統領を訪問したウルグアイ大統領の記事と全く同じスペースを与えられていた。

8面にはもう少し詳しい記事が載っているが、隣のウルグアイ大統領の訪問の記事が写真入りで紹介されているのに比べて、明らかに見劣りする。バージュ・アル・アラブで催された昼食会についてはわずか一文だ。首相は、アブダビからバージュ・アル・アラブの屋上にあるヘリポートにヘリコプターで移動するという噂を聞いていたが、どうしただろうか。「ムハンマド首長は安倍首相にドバイを案内した」("Shaikh Mohammad took Abe on a tour of Dubai.")とあるが、これはムハンマド首長が愛車のベンツを自ら運転し、市内観光を買って出たということかもしれない。日本の報道では170人に及んだとされる経団連ミッションについては全く言及がないが、彼らの移動もつつがなくいっただろうか。

アブダビからのとんぼ帰りで、おそらくは当地をじっくり視察する時間はなかっただろうが、短時間とは言え首相や日本企業のトップがドバイを訪問することは、当地の日本企業のビジネスには明らかにプラスだ。欲を言えば、1995年1月の皇太子夫妻の公式訪問以来途絶えている皇室の訪問が実現すれば、その経済効果は計り知れない。

なお、ガルフニュースには、安倍首相からの日本訪問の招聘をムハンマド首長が承諾したと書かれている。ガルフニュースに限らず、湾岸諸国の新聞は、政府の事実上の支配監督下にあり、政府広報誌とも揶揄されるほどだ。時期は特定されていないし、安倍首相としてはお世辞で言ったつもりかもしれないが、新聞にこう書かれた以上、ムハンマド首長は訪日するつもりになっている。外務省を初めとする関係諸機関の準備は大変だろうが、どうせなら、今回の訪問のような視察・表敬にとどまらず、具体的な成果をもたらす訪問になることを期待したい。

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