世界一高い建物はどこへ ドバイ？ジェッダ？

バージュ・ドバイの完成が来年９月になるというのに、早くも次の世界一高いビルの建設をめぐり、駆け引きが始まっているようだ。

最後に建物のてっぺんに乗っける帽子の高さで決まるが、バージュ・ドバイの完成時の高さは８００メートルと９００メートルの間になりそうなことがわかってきている。

この高さを超えて、高さ世界一を狙うのは、同じドバイの不動産開発業者ナキールが計画するアル・バージュと、サウジ・アラビアの皇太子と彼の持つ会社キングダム・ホールディングが進めるプロジェクトの二つに絞られてきたようだ。

ガルフ・ニュースによれば、アル・バージュは、当初ドバイ・ウォーターフロントに１０５０メートルの高さを持つ建物として計画されたが、現在ではイブン・バトゥータ・モールの近くに建てることになりそうという。

ナキールのスポークスマンは、建物の価値は高さだけでは決まらないと、高さ競争からは一歩引いた発言をしている。一方で、サウジのプロジェクトを請け負うジョイント・ベンチャーのパートナーであるロンドンの会社、ハイダー・コンサルティングは、守秘義務協定があるため詳細については話せないとしつつも、世界一高いビルを狙っていることを隠そうとしない。

どちらのプロジェクトも着工すらしていない。バージュ・ドバイの高さを抜くことは当然として、当面相手の動きをうかがう我慢比べが続くのだろう。国家の威信をかけたこの争い、どうでもいいといえばそのとおりだが、アラブ人の駆け引きを学ぶ上で面白い教材を提供してくれそうだ。