ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

ボーイ・フロム・カザフスタン

2007年03月09日 14時44分47秒 | 未分類
今朝は、朝8時に東京からの携帯電話で起こされる。10時半には別の電話会議がある。いずれもこちらから依頼した急ぎの仕事なので、仕方がないが、日本やヨーロッパとの休日の違いとどう折り合いをつけて行くかは、今後も頭を悩ましそうだ。

さて、昨日の話の続き。アルグレア・センターのスピニーズの前でタクシー待ちの行列に並ぶと、すぐ前に背の高い東洋人がいた。年の頃は20代後半から30代前半と言ったところ。韓流スターのウォン・ビンに少し感じが似ている。韓国人かと思い、「ハングク・プニセヨ(ハングルで「韓国人ですか」)」と話しかけるが、通じない。日本語も中国語も通じない。英語でどこの国から来たかと聞いて、はじめてカザフスタンから来たとわかる。お互いタクシーを待つ以外にすることがないから、おしゃべりが始まる。彼によれば、カザフスタン人は日本人とルーツが同じなのか見分けがつかないらしい。彼の友人は最近日本人の女性と結婚したと言う。

彼は税などの優遇策があるドバイのフリーゾーンに持株会社を置くカザフスタンの石油関係の会社の御曹司で、手続か何かの関係でドバイに来ているということだ。じゃあ、ゆくゆくはあなたが社長を継ぐんだね、と聞くと、経験を積んでからだけど、とはにかみながら言う。私がカザフスタン人に会うのは初めてだと言うと、会っていても日本人や他のアジア人に見えるので気づいていないだけでは、となかなかウィットがある受け答えをする。カザフスタンではみんな英語を話すのかと聞くと、土地の言葉とロシア語が公用語で、彼が英語を話せるのはイギリスに留学していたからだと言う。イスラム教が多数派だが、戒律はあまり厳しくなく、酒も飲める。彼もムスリムだが、ひげは生やしていない。アフガニスタンなどとは違い、政治は安定していて、テロもないとのことだ。

聞けば、彼の行き先はデイラのマリオット・ホテルで、(今の気候なら)歩いて行けないこともない距離だ。ドバイの地理をまったく知らないようだ。こちらももう1台のタクシーを待つのも時間の無駄だし、料金を払わなくていいから相乗りしよう、と持ちかける。ドバイでは、短い距離だとタクシーの運転手から乗車拒否をされたり領収書やつり銭を拒まれることもあるのだ、と教えると、それは知らなかったと言う。案の定、マリオットに着いた時のメーターは5.5ディルハムだった。タクシーを下りる時、「ありがとう、○○○さん」と、しっかりとした日本語で言った。

おっと、名刺を渡しておくのを忘れた。今の会社を辞めたら、雇ってもらえたかもしれないのに。

最新の画像もっと見る