ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

ドバイのリサイクルの現状

2007年10月27日 17時39分44秒 | 暮らす
10月26日のガルフニューズの記事は、当地に赴任してから長く違和感を覚えていたことを思い起こさせてくれた。それは、資源のリサイクルについてだ。

当地では、時々思い出したように行われる空き缶の収集のキャンパーンはあっても、資源ゴミを恒常的に分別する仕組みがない。アパートに入居した当初は、日本での習慣からビンや缶をゴミ箱の外に置いておくようにしていたが、せっかく別々にしておいても週2度部屋の掃除に来てくれるフィリピン人メイド(男性)がポイポイと同じゴミ袋に放り込んでいくのをみて、いつか無意味であることを悟った。三角コーナーやそれ用の水切り袋は、私の知る限りダイソーにしか売っていない。生ゴミも同じゴミ袋に行く運命だから、無意味と言えばそうかもしれないが、習慣なのでなんとなく気持ちが悪いので分別はやめられない。新聞紙も、日本のようにトイレットペーパーと交換してくれるような気の利いたサービスはない。

オフィスでも状況は同じだ。日本ではよくみられる、紙とダンボール、雑誌を分別する箱はない。燃えるゴミと燃えないゴミで別々のゴミ箱を使うことすらない。

ゴミを減らす努力としては唯一あるのは、カルフールでレジ袋を減らすために2ディルハムで売っているバッグくらいだ(写真)。(これ、なかなか丈夫で気に入って使っている。)日本ではレジ袋はゴミ袋として使っていたので、なかなか捨てられずどんどん溜まっていく。

こんな状況だから、UAEに24以上あるというリサイクリング・センターの稼働率は低いらしい。リサイクルには、資源ゴミが生まれる場所で分別するのが重要であるのは日本人にとって常識だが、当地ではこれを理解していないか、理解しても実行できていない。

ドバイと似たような状況であるとしたら、湾岸諸国は人口あたりのゴミの生産量で軒並み世界10位内に入るというドバイリサイクリングパークの指摘もうなづける。

この国に住んで初めて、日本のリサイクルが非常に進んでいることがわかった。日本が環境問題で世界をリードするつもりなら、そのノウハウと「もったいない」精神をUAEをはじめとする湾岸諸国に輸出することを考えたらどうかと思う。イランへの核技術移転や米軍への洋上給油と違い、これには誰も異議を唱える人はいまい。

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