今回は、「染付 菊花帆掛舟図 中皿」の紹介です。
先日(令和3年(2021)3月8日)、これに似た雰囲気の「染付 家紋文 小皿」を紹介しましたところ、或る方から、これは「江戸末期の三川内焼(平戸焼)の禁裏御用の作品ではないでしょうか」とのコメントをいただいたところです。
しかし、私としては、それを三川内焼(平戸焼)とすることには賛同しかねたところです。でも、そのコメントをヒントに、その「染付 家紋文 小皿」は、或いは、有田の禁裏御用を務めた辻家の作品だったのかもしれないと想像したところです(~_~;) もっとも、辻家の作品というものがどのような物であったのかの実態がわかりませんので、あくまでも、その想像さえも、私の想像の域を超えません(~_~;)
ところで、今回紹介します「染付 菊花帆掛舟図 中皿」は、まさに、或る方の言う「江戸末期の三川内焼(平戸焼)の禁裏御用の作品」と言えるのではないかと思います。
表面
三川内焼(平戸焼)は、天草の磁石を原料としていますので、澄み切った淡い
風合いの高雅な味わいの素地となります。
そこに、淡い上質な呉須を使い、十六弁菊、波頭、3種類の帆掛舟を繊細な
タッチで丁寧に描いていますから、いかにも禁裏御用品という雰囲気です。
外周文様の拡大(その1)・・・2種類の帆掛舟
外周文様の拡大(その2)・・・1種類の帆掛舟
側面
造形がしっかりしているため、歪みがみられません。
また、高台畳付きにも歪みがないため、ガタツキもありません。
底面
三川内焼(平戸焼)の原料の磁石は、有田の磁石と違って耐火度が高いため、
焼成中に高台内がヘタラないので針支えの必要が無く、従って、目跡がありません。
外側側面文様の拡大
生 産 地 : 肥前・三川内
製作年代: 江戸時代末期
サ イ ズ : 口径;18.4cm 高さ;2.8cm 底径;12.3cm