一昨日、骨董市から買ってきた「染付 浮玉 (5個)」を紹介いたします。
5個のうちの3個は同じ文様なのですが、それらの汚れが酷かったものですから、漂白剤に浸けて綺麗にしてから、紹介することにすることにしたわけです。それで、さっそく、漂白剤の中に、、、。
漂白前の3個の浮玉(染付 花文 浮玉)
浮玉A 浮玉B 浮玉C
浮玉A (直径10.0cm)
浮玉B (直径7.8cm)
浮玉C (直径4.0cm)
上の写真から分かりますように、中央付近に酷い汚れが付着していたわけです。これは、多分、水に浮かべて浮玉として実用に供されていたため、水との接触部分に汚れが付着したのでしょう。
それで、このような汚れなら、漂白剤に浸けておけば、直ぐに綺麗になるだろうと思ったところです。
それで、一昼夜以上が経過しましたので、先ほど、漂白剤の中から引き上げてみましたら、予想外で、いくらか綺麗になった程度で、ほとんど汚れは落ちていませんでした(><)
これまでの、経験からすれば、この程度の汚れは、直ぐに綺麗に落ちるわけなのですが、、、。
でも、これ以上浸けて置いても同じだろうと諦めることにしました。それとも、これは、よほど永らく汚い水の中に浮かべられていたのでしょうかね、、、?
ということで、以下は、漂白後の浮玉を紹介となります。
漂白後の3個の浮玉(染付 花文 浮玉)
浮玉A 浮玉B 浮玉C
浮玉A (直径10.0cm)
浮玉Aの空気孔部分の写真
空気孔は、上の方に、左右に2個、下のほうに縦に2個開けられたようです。
ただ、上の方の左右の2個の孔は、焼成中に塞がれて窯疵として残り、下のほうの
縦の2個は孔が開いた状態で焼きあがり、その後、その部分は、水に浮かべた時に
水が入り込まないように、接着剤のような物で塞がれたようです。
ところで、陶磁器の浮玉は、中を中空にして作るわけですが、それを、そのまま窯の中に入れて焼成すると、中の空気が熱で膨張し、破裂してしまいますので、必ず、空気孔を作って窯入れするようです。そのため、浮玉には、空気孔が、必ず1個以上は開けられているようです。
浮玉B (直径7.8cm)
浮玉Bの空気孔部分の写真
空気孔は、上の方に、横一列に3個、下のほうに1個開けられたようです。
ただ、下の方の1個の孔は、焼成中に塞がれて窯疵として残り、上のほうの
横一列の3個は孔が開いた状態で焼きあがり、その後、その部分は、水に浮かべた時に
水が入り込まないように、接着剤のような物で塞がれたようです。
浮玉C (直径4.0cm)
浮玉Cの空気孔部分の写真(その1)
空気孔は、真ん中に1個開けられたようです。
焼成後に出来た孔の部分には、水に浮かべた時に水が入り込まないように、
接着剤のような物が詰め込まれたようです。
浮玉Cの空気孔部分の写真(その2)
空気孔の部分に詰められた接着剤のような物を爪楊枝で押してみましたら、
詰められた物が浮玉の中に落下し、穴が開いてしまいました(~_~;)
一昨日は、浮玉を5個買ってきたわけですが、その内の3個は、以上で紹介しましたように、同じ文様でした。それに反し、他の2個は、以上の3個とは全く文様も異なりますし、それに、それぞれ1個ずつなものですから、特に欲しいとは思わなかったものです。しかし、売主が、是非、5個全部をまとめて買って欲しいと言いますし、全部まとめて買ってくれるなら勉強するということでもありましたので、たいした金額でもありませんでしたから、オマケのつもりで買ってきたものです。
他の2個の浮玉(染付花唐草文浮玉と染付花文浮玉)
浮玉D 浮玉E
浮玉D(染付 花唐草文 浮玉)(直径5.0cm) (その1)
浮玉D(染付 花唐草文 浮玉)(直径5.0cm) (その2)
浮玉Dの空気孔部分の写真
空気孔は、真ん中に1個開けられています。
焼成後に出来た孔の部分には、水に浮かべた時に水が入り込まないように、
接着剤のような物が詰め込まれています。
浮玉E(染付 花文 浮玉)(直径4.0cm) (その1)
浮玉E(染付 花文 浮玉)(直径4.0cm) (その2)
浮玉Eの空気孔部分の写真
空気孔は、真ん中に1個開けられています。
焼成後に出来た孔の部分には、水に浮かべた時に水が入り込まないように、
接着剤のような物が詰め込まれています。
以上で、5個の紹介は終りです。
最後に、5個全部を並べた、全員集合の写真を次に掲載しておきます(^-^*)
5個全部の浮玉
浮玉A 浮玉B 浮玉C 浮玉D 浮玉E
なお、これを最初に見たときは、浮玉Eを除いては、生産地は有田で、制作年代は幕末~明治くらいはあるかなと思ったところです。つまり、浮玉A~浮玉Dは、ギリギリ「古伊万里」ではないかと思ったのです。
しかし、どのような用途のために作られたものか分かりませんし、古伊万里関係の本にはこのようなものは載ってないんですよね(~_~;)
でも、古伊万里にはこのようなものもあるのかもしれないな~、伊万里ではいろんなものを作っているようだから、ということで、勉強のために買ってきたものです。
そのうち、どうも、これは「浮玉」らしいということが分かり、ネットで調べてみました。
そうしましたら、アマゾンなどで沢山売られているんですよね。しかも、新しいものが、安く、、、(~_~;)
また、漂白剤に入れておきましたら、空気孔に充填されていたものは、どうも、現代の接着剤のようなものらしいことが判明しました。私は、漆喰のようなものが詰められていることを期待したのですが、、。漆喰のようなものが詰められていたのなら、制作年代が幕末~明治ということも考えられますが、接着剤のようなものではね~。やはり、最近作られたものと考えるのが無難ですよね(><) もっとも、空気孔に詰められたものは、現代になって詰め直されたと考えることも出来ますけれど、、、。
ただ、一昼夜以上も漂白剤に浸けておいても汚れが落ちないということは、かなり長い間、水に浸っていた、つまり、作られてからかなりの年月を経ているとも考えられるわけではありますが、、、。
いろいろと考えましたが、やはり、これらの浮玉は「古伊万里」ではないと考えるのが無難なようです。従いまして、これらの浮玉の生産地、制作年代は不明ということにいたします。
生 産 地 : 不明
製作年代: 不明
サ イ ズ : 上記のとおり