京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

ハイ、皆さん、今日は詩人です 11月下旬

2016-12-20 08:16:48 | 日記
ハイ、皆さん、今日は詩人です  西山寮のお話  十一月下旬
         金澤ひろあき
 ハイ、皆さん、こんにちわ。お元気そうで何よりです。
 11月の中頃に京都駅に行ったところ、毎年恒例の大きなクリスマスツリーがもう立っていました。もう年の暮れか、早いなと実感しました。
 少し前まではハロウインだと言って盛り上がっていました。ハロウインは、カボチャのお化けを作ったり、仮装したりで、この2~3年で、若い人を中心に急に盛り上がっています。
 新しい秋のお祭りとして、日本に定着しそうですね。「ハロウイン」で一句。
  ハロウインの仮装の百鬼夜行かな   ひろあき
 それでは皆さんの作品を拝見します。
  可愛さや孫の手をとり芒道       野原 加世子
 野原さん、たくさん作ってくださり、ありがとうございます。私はこの「可愛さや」の句が好きです。秋の天気の良い日、お孫さんといっしょに歩いている姿。とてもほのぼのとしています。幸せな感じがよく出ていますよ。
  名月を梨とだんごで待っている    塚本 一枝
 塚本さん、この「名月」の句はとても正直な句だと思います。気取らずにお月見をしている。そののびやかな雰囲気がいいですね。
  七輪の頃思いつつ秋刀魚焼く     中野 賢一
 中野さん、七輪を使った頃ですか。本当に懐かしいですね。今の若い人達、使ったことがあるのかな。持ち運びができて、火力があり、屋外では活躍していましたね。普通のガスコンロとは味が違うような気もしました。その後始末は大変でしたけど。
  萩原をさっそうと行くバイク連ねて  高田 操
 高田さん、バイクのツーリングをしている人達が、萩の咲く中をさっそうと走り抜けて行ったのですね。萩とバイクのスピードの取り合わせがおもしろいですよ。
  稲刈りが早くおわってひろびろと   井上 昭子
 井上さんの言われる通り、特に稲刈りが終わった直後、田んぼはこんなに広かったんだと驚くことがあります。ハッと気がついたことをそのまま書くと、新しい感じが生まれることがありますね。
  母の忌や娘の手作りの菊供へ     宮崎 清枝
 宮崎さん、親子孫の三代がそろうことになりますね。お母さんの仏壇に、孫に当たる娘さんの手作りの菊をお供えする。亡くなった方が一番喜んでいるという感じがあります。そして、皆で偲んでいるようすも伝わります。
  碧空を翔べる白鷺青に染む      畑 ヨシ枝
 畑さんの句、若山牧水の短歌によく似た世界です。「白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」ですが、それとは逆の、空のあおに染まった白い鳥のうつくしさ。純粋さのようなものが伝わります。
 今年もいい句をたくさん有り難うございました。良いお年をお迎え下さい。

セルロイド

2016-12-19 08:37:27 | 日記
セルロイド
              金澤ひろあき
 ある人から聞いた話である。
 昭和の生活を再現した博物館に、赤いセルロイドのおもちゃがあった。やや老年の域に近づいている男が足をとめた。
 彼には弟がいた。三つぐらいで病気になり、あっという間に亡くなった。弟が亡くなった後、父が赤いセルロイドのおもちゃを買ってきた。
 「こんなことになるのだったら、がまんなどさせずに、おもちゃを早く買ってあげればよかった。と、父は泣いた。
 そのおもちゃはその後、お寺のお地蔵さんに供えられた。幼くて死んだ子どもをお地蔵さんが助けてくれるからだそうだ。
 四十年ぐらいたち、男の息子が病気になった。弟と同じ病名だったが、簡単な手術ですぐに治った。
 男はお地蔵さんのところに祀られている弟が助けてくれたような気がしてならなかった。
  弟は子どものままでくくれんぼ    ひろあき

交流誌より「祭演」25

2016-12-17 13:33:00 | 日記
【交流誌より】『祭演』NO、52 発行 森須蘭  千葉県
追いかける他人の空似夏帽子     鈴木あやめ
キーケース新しい鍵蝶孵る      高遠朱音
秋の水死にゆく女の瞳かな      阿部吉友
初氷どうでもよくなる世間体     岩淵真智子
金沢に入れば口紅ほんのりと     今井達雄
二重虹かくしていることあるんでしょ 金澤ひろあき
問われれば下町育ち江戸風鈴     森須蘭

池田城

2016-12-16 09:32:03 | 日記
 池田城
    金澤 ひろあき
 池田城は阪急池田駅の北の小高い丘の上にあります。戦国時代、地元の領主池田氏のお城だったのを、荒木村重が乗っ取ったそうです。荒木村重はその後、織田信長を裏切り敗北。なぜか秀吉とは気が合い、お伽衆として平穏に生を終えています。茶もたしなむ文化人だったらしい。
 池田城の近くには、阪急グループの創始者、小林一三の旧居もあります。小林一三も実業家ですが、茶もたしなみ、宝塚歌劇団なども創っているのです。
 城跡には想像上の天守閣が建てられています。三階建ての小さな物見櫓という感じ。かわいらしい。
  山の手の百八十度冬紅葉    ひろあき
 天守閣からの風景で一句。
 井戸の傍には桜。返り花が五輪。
  返り花私も咲いてみようかな  ひろあき
 ご一緒したお二方の句。
  幾度の落城跡に浮き紅葉    青島 巡紅
  池田城山はねむりに入る頃   三村 須美子

フリー句自由連句「萩の風」

2016-12-15 08:15:06 | 日記
 フリー句 自由連句「萩の風」の巻

萩の風遅刻の理由申し上ぐ            金澤 ひろあき
遅刻とな頃合よくば秋の月            青島 巡紅
たぬきぽんぽこ出迎えに来て           ひろあき
腹太鼓ビールゴクゴク連句かな          巡紅
飲み放題コースえらんだ夜長なの         ひろあき            
また今度思う前にゴー秋深し           巡紅
ストップをかけない月見の宴だから        ひろあき
宴たけなわに首を刎ねよとさるお方        巡紅
まんじゅしゃげまっ赤な首を空に出す       ひろあき
年老いた真っ赤なスカーフ            巡紅
秋晴れや青春の道またたどる           ひろあき
歩道橋もっと長く高かったあの頃         巡紅
同じ目線でヒコーキ雲をもあげた日        ひろあき
飛行機雲が大気温度をあげているとか知ると・・・ 巡紅
ネットではちょっと大げささわぎすぎ       ひろあき
利用しているつもりで利用されている情報     巡紅