女性管制官がアメリカで医者になった場合ーアメリカンドリーム

アメリカでアメリカンドリームを達成するには?
マーティンもと子(旧姓多尾もと子)の場合は?

ERの航空管制 その2

2010-09-10 05:54:20 | Weblog

今日から2回に分けてERのトラフィックフローをご紹介します。
トラフィックフローというと航空管制でよく使うコンセプトなのですが、
どうやってたくさんの患者さん=航空機を効率よく安全にさばくか、元管制官としては 腕の見せ所でしょうか。



この2台のスクリーンは患者さんがどこにいるか、担当のドクターは誰か、担当のナースは誰かという情報が一目でわかるメディテックというシステムです。
患者さんの守秘義務がありますから お名前はフルネームでは表示されなくて私たちがこのメディテックを扱う時にはパスワードを入れないといけないことになっています。
オーダーされた血液検査、尿検査、CT レントゲンなどなど、終了次第 一目でわかるようになっていて、クリックするだけでその結果がわかります。
とっても便利ですよ!



患者さんのカルテは人の目に触れないようにこのような二つ折りのバインダーのようなものに入れます。
こういう木箱がいくつかあるのですが、この木箱はまだドクターが診察していない患者さんようのもの。
つまり、トリアージュが済み次第 カルテはこの木箱へ入れられるわけです。



この棚には、カルテ用のTシートがつまっています。
それぞれの主訴によって特別に作られたドクター用の診察ノートがTシートと呼ばれるものです。



これは 腹痛を主訴としている患者さん用のTシート。
主訴を書き込む欄に始まって 訴えている症状を詳しく書き込む欄、過去の既往症や服用している薬やアレルギーの情報などなど、表と裏に渡っていろいろな欄があって ドクターは書き込むというよりもチェックマーク式にチェックしたり
バックスラッシュしたりしてTシートを埋めます。
ERはペースが速いので、このTシートはとても助かります。
また、過去の医療訴訟に基づいてうまく作られてあり、鑑別診断がしやすいようになっているんですよね。

このTシートはたくさん種類があり、怪我の場合でも頭だけのものから足だけのものまで 種類はいくつもあります。
たとえば切り傷でみえた患者さんに 破傷風の予防接種の有無を聞く欄もちゃんとあって聞き忘れしなくてすむのでほんとうに便利!



拡大するとこんな感じ。
お腹と背中の図、どこが痛いのかどんなふうに痛いのかちゃんと書きこめますよね。