女性管制官がアメリカで医者になった場合ーアメリカンドリーム

アメリカでアメリカンドリームを達成するには?
マーティンもと子(旧姓多尾もと子)の場合は?

MRSA その5

2010-03-20 04:46:58 | Weblog


ER訪問#2 五日目

救急車で担ぎこまれたこの患者は、今回は39度の発熱とともに、首の痛み、呼吸困難、嚥下困難、四肢の麻痺を訴えた。
緊急MRIが、施行され、なんと、C1-C6にかけて大きな硬膜外膿瘍が見つかった。
緊急手術が行われドレナージされた膿瘍からはMRSAが見つかった。

原因は 最近受けた疼痛専門医による硬膜外ブロック(硬膜外に麻酔薬を注射して痛みを止める)であったことが後ほど判明した。

現在、彼女は呼吸を気管切開に頼り、日常生活のほとんどを、介助を通して行っている。


そして、医療訴訟、現在進行形であるという。


このケースは、患者にすでに首の慢性関節炎による痛みが存在し、一見 その痛みの憎悪とみなされても仕方がない状態にあったこと、激しい痛みのために神経学的な診察が十分できなかったこと、硬膜外ブロックを受けていた事実は ER訪問1日目の問診であきらかにされていなかったことなどなど・・・かなり難しいケースであり、と同時に学ぶことが多いケースであると言える。