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mcHFV0.5改造完結編 6月11日

2017年06月12日 23時55分57秒 | mcHF

V0.5の改造実験も進んで残るはファイナル部だけとなってきた。結果は良くなるのやら?

『BFA18Aへ交換』

ファイナル部のドライバーTRを高域の延びるBFQ18Aへ交換した。

『FET回りの改造』

様々な改造例を調べて一番効果があり改造が簡単な方法を検討した。その結果ファイナル部は下記の改造を行うことにした。

RD16HHF1のドレイン以降の回路は原型を留めてないがコア材も1個で済むし工作も簡単、パワーも素直に増加する。

主な変更点は、

①T6を取り外しコンデンサを追加

②RFC8をFT50-43材の14Tに変更する

③出力トランスT7を回路図のように変更する(1Tx2/1Tx2:4T)

④1次側中点にパスコンを取り付けVCCを供給する

⑤フィードバック回路を追加する

回路的には大きく変わるが元の基板パターンがそのまま利用できる。回路修正後の基板は下記の写真だ。

変更部品はSMDを使用したかったが耐圧100V以上は国内で即入手が出来なかったのでリード部品で代用している。

『コイルの修復』

このように試作・実験・手直しを何度も行い裏表をひっくり返したせいでLPFのコイルが断線していた。

それを知らずに出力が出ないとPA設定を上げてFETを壊したのもあるだろう。(10dBアンプを入れてあったので)

断線していたコイルを太目の0.6mmエナメル線で巻きなおした。0.6mmにすると基板をひっくり返してもコイルが動くことはなかった。

(全部0.6mmで巻きなおすか?)

3.5MHzのコイルは足の長さに余裕があったので再度半田付けした。

[黄色囲みのコイルが断線していた。LPFは手直しが必要なのでボンドでの固着はしてなかった]

『FET回り修復』

MOS-FETを合計5回抜き差しした。その結果FETのランドは全て剥離してしまった。6本の足のうち4本が通電しなくなったのでジャンパーを飛ばして修復した。

FETのソースの内層パターンだけは生きているみたいだ。

[FETの足回りはひどい状態!]

『SerialEEPROMについて』

最近、ある方から24LC1026でないと動作しないのでは?との指摘を頂いた。一応自分のEEPROMの型番を確認すると24LC1025。

ソースコードを確認してみるとEEPROMの容量をチェックして動作を決めている。いずれにせよ私の推奨する安定動作版のV1.1.4及びV2.024LC1025では問題なく動作する。

V1.1.4以降はSerialEEPROMの有無で電源OFFの時間がかなり短縮される。

(コメントでアドレッシングの確認要望あり追記:

ファーム1.1.4以上で確実に対応しているのは、24XX1025,24XX1026,24CM01,24CM02です。

またファーム内で各デバイスに合わせたアドレッシングを行っています。

更にデバイスに合わせて

1025は0xA0,0xA2
1026は0xA0,0xA2,0xA4,0xA6

のコントロールbitを書き込んでいる。

元々V0.5基板は24LC01Bでパターン設計されているのでジャンパーで24LC1025に対応させた

ここまで完成させて送信部の波形とレベルを確認すると綺麗に動作していた。

『RF AMPを外す』

いよいよPA設定とIQlevel設定を行う。ここで10-20dBの送信用RF AMPを残すか外すかを考えた。

ここまでの改造の効果確認とFETが壊さないことを優先し一旦RF AMP回路を外して確認することにした。

『IQ調整等』

PAの出力調整を実施したあと7MHzの5W出力で波形を確認した。

まずはIQレベル設定を未調整でスペアナで確認。キャリアリーク及び下側サイドバンドのレベルが高い。

そこでIQLevel,Phase調整を行うとキャリアリーク及び下側サイドバンドに2-5dB余裕が出てきた。

ここで再度Mixerのバイアス電圧調整VRで確認を行う。現在の設定(抵抗比1:2)が一番キャリアリーク等が小さかった。

改造以前にも調整してあった結果だな。

他にも3.5MHzを確認すると7MHzよりも綺麗な波形だ。

 『出力確認』

3.5-10MHzは楽に10W出た。

14-21MHzが最大5W程度。24MHz以上は2W程度となった。

LM386を削除して代替AMPも無しの状態でmcHFキットの組立て時の出力が確保できたのは改造が成功だ。

これにAMPを追加すればハイバンドで10Wも夢ではないかも。

『まとめ』

mcHFV0.5ではパワーを上げると波形が歪むという問題がありその原因となるLM386を削除したが

  • 各デバイスの性能向上
  • ファイナル回路の手直し

で元の出力が確保できることがわかった。

いずれにせよD3D4及びLM386(V0.6では対応済み)の削除は必須となる。

V0.6でもファイナル部の回路を上記方法で変更すれば10dB AMPを実装済みでありハイバンドでも5W以上が可能かも。

改造実験での失ったもの

RD16HHF1  7個(入力電力過大による破壊も含む)

RD16HHF1の両面ランド 6個

LCD バックライト 

DXT2150のランド 2個

・・・等等ジャンパー数知れずとなった。新たなLCDが手元に来るまでは検証を一旦保留とします。

最後に本実験に当たりこの1ヶ月間技術面で多大な協力を頂いたJA0LKA局、ありがとうございました。

また測定器類の使用を快諾頂いた7N4AJE局にも感謝致します。


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8 コメント

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いえいえ (7K3DIW)
2017-06-27 00:03:15
JA0LKAさん

素人の戯言に気長にお付き合い頂き、ありがとうございます。
mcHFはまだ先が長いのでLCDが手元に来るまで他の製作に手をつけてしまいました。
最近はSMDやSSOPも楽しくはんだ付けしてますが・・ルーペでSMD確認、老眼鏡で回路図確認で一個のハンダ付けに手間がかかります。
これからもご指導宜しくお願いします。
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SerialEEPROMについて訂正 (JA0LKA)
2017-06-26 23:47:00
 いろいろDIWさん、いろいろ調べていただきありがとうございました。
お手数おかけいたしましたが、結局私の勘違いというか早とちりでした。
ということで?上のほうで書いた24LC1025と24LC1026に関しての私のコメントを訂正します。
 V0.6基板では24LC1025がオプション指定されています。
現状、V0.5基板でV0.6に合わせてジャンパー配線し、24LC1025を実装し動作しています。
ここで、「ある方から24LC1026でないと動作しないのでは?との指摘があった」とのことでしたので、「じゃあ1025が実際に動作しているのだから『この同じ改造で《1026も》動作する』ということかな」と考えて、その場合の条件を推察したのが上の内容なのです。
が、いろいろ調べていましたら「V0.5基板には改造無しで24LC1026が動作可」と書かれたドキュメントをWEB上で見つけました。
つまり、1025と1026では結線が異なっていたのです!(←これを見落としていたのがそもそもの間違い)
よって、V0.5基板においてV0.6にあわせた改造をした場合24LC1025が実装可能、パターン改造無しでは24LC1026が実装可能となると考えられます。
但し、24LC1026は実装してみたことが無いのであくまでも予想ですが・・・。
 DIWさん、前提がまったく違っていた状態でファーム調べていただために混乱させてしまって申し訳ありませんでした。
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調べました (7K3DIW)
2017-06-14 20:18:43
LKAさん

色々、ありがとうございます。

仕事を終えて戻ってきました。
ファーム上での処理は、
Blogに追記しましたが1025と1026で書き込みアドレスが6ビットずらされていました。
24CM系では0X30000とorをとって15ビットシフトしています!!
それぞれアドレス計算がされています。
A[0]=0X00FF&((ADR)>>8)
↑アドレスを8ビットずらして上位を00/ADRは32ビットです。
A[1]=0X00FF&ADR
1025と1026の違いはこの部分でそれ以外は共通モジュールでした。
これがチップセレクトに関係しているとしか思えません。
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そんげこと言われッと、しょしらてば! (JA0LKA)
2017-06-14 14:01:22
おおごくろうさまでした。
いやあ、ほんとうにDIWさんのガッツには
脱帽です。
ここまで突っ込んで?いく人は少ないと思います。
私はただあーだこうだと見当違いのことを書きなぐっただけですHi
ちなみにタイトルは「そんなことを言われると恥ずかしいですよ」という方言です。
 例によって前置きが長いので本題1025と1026の件です。また、まちがえていたら御免なさいですが・・・。
 1025と1026ではChip Address Inputsに関するピン配置(1から3ピン)と
それに対応するDATA SHEETのCONTROL BYTE FORMATが異なります。
 CONTROL BYTE FORMATは
「Block Select bit」(512Kbの2Block構成のため)と「Chip Select bit」(A1,A0もしくは2,A1の2bit制御による同一バス最大4chip選択)の並びが異なります。
 結論からいえばVer0.6のE2ROM結線においては、プログラム上で「CONTROL BYTE」が「1010 100*」(*はR/W)になっていれば、どちらのICでも動作するはずです。
 厳密には、1025はadoress「0」のチップで
上位512Kb使用。
1026はadoress「2」のチップで下位512Kb使用。
因みに「100*」の1が0になっていた場合つまり「000*」のときは1025は動きますが、1026は動きません。
1026を動かすにはハード上の3番ピン(A2)を現状のVccからGNDに変更する必要が有ります。
なおその場合は1025は動きません。
 ということでDIWさん、お手数ですが該当箇所ご確認いただけるとスッキリしますHi
 この件はE2ROM購入時にファーム確認していただこうかとも思ったのですが説明するのが面倒だったもので・・・。

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ありがとうございます。 (7K3DIW)
2017-06-14 13:31:19
AJEさん

本文にも書きましたが皆さんの協力のおかげです。
>次はSGを使用した市販品との感度比較およびSメーター調整
LCDを修理したらSメータ校正と感度チェックです。
正しい測定器で成果を確認できると気持ち良いです。
その時はまた機材を貸して頂きます!
いつも協力頂き感謝してます。
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機器類はご自由に (7N4AJE)
2017-06-14 13:21:46
いつも技術力に感心しています。
次はSGを使用した市販品との感度比較およびSメーター調整?
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いえいえ (7K3DIW)
2017-06-13 15:26:45
jhqさん

いえいえ。私は単なるソフト屋です。それがJUMAのパワーアンプ製作で少し目覚めました。
但し基本的な事は分かっていませんので、「どうして?」の連続でしたよ。
自分のmcHFは改造に成功しましたので・・次はjhqさんのを改造?予定です。
簡単な改造で送信波形も改善され出力もアップです。
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驚きました! (ja0jhq)
2017-06-13 12:00:16
改造記事、読みました。素晴らしいですね。技術力があって凄いなあ、と感心しております。
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