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mcHFV0.5改造へ向けた試作

2017年06月06日 14時16分27秒 | mcHF

mcHFは優れた受信性能と機能もっている。しかしV0.5以前の送信回路にはいくつか問題がある。

私はV0.5を所有しているが問題解決のため予備実験を行い改造を実施した。

更にネットでは様々な解決方法が提案されている。なので一番簡単で効果のある改造を考えてみた。

①mcHFで一番大きな課題はD3,D4のピンダイオードだ。

2016年のmcHFV0.5以前及び最新のV0.6も含め本項目の改造は必須である。

私のV0.5ではD3,D4の影響で7MHzの送信波形にトラブルが発生した。

こればかりは個体により7MHzだったり、21MHzだったり・・出ない場合もあるかもしれない。


 RF-04/05-H-029

PIN diode switching often produces spurious TX signals and distorted TX signals. They are only present at some frequencies and not at all TX power levels (so difficult to identify). We have not found any successful modification to the PIN diode switching stage except for removing it and replace it by an "old school" relay switching. Remove RFC2, RFC3, R54, C79, D3 and D4. Apply the following parts: Schematics

If you are in RX mode the Antenna is connected by relays directly to the RX input. If you are transmitting, contacts open and the antenna now disconnects from RX preamp. It is also a good idea to fit two antiparallel diodes (like 1N4148) at position of D4 to prevent preamp input from overvoltage. There are some discussions about IM3 problems using antiparallel diodes. Problems can only occur if antenna signal increases above ~0.5Vss. These are very rare and strange RX antenna levels and do not exist under most circumstances. But we do have more than a few destroyed BFR93A in our German Project group at mcHFs where antiparallel diodes are left out. Check and decide by yourself.

更にV0.5以前のボードにはもうひとつ課題がある。(V0.6では解決済み

②各バンドの送信出力調整はベースバンドIQ値のレベル設定で行う。しかし、パワーを出そうとして設定値を大きくすると送信波形が歪む。設定値を下げるとキャリアリーク・高調波等との余裕が無くなり帯域外スプリアス40dBを満たせなくなる。

パワー設定及びTXIQ設定を全バンドで良好にするには相当な困難を極める。

そこでV0.6仕様への改造で解決する方法を試した。

[ボード波形や電圧がチェックできるようにジャンパー線でボードを繋ぐ


V0.5以前の回路はMixerの手前にLM386が入りIQ信号を増幅してMixerへ信号を送る。しかし信号のレベルが大きくなるとMixerで混変調を起こし波形が崩れる。(HPの要約)

解決方法はLM386をはずしてMixer以後でRF増幅するというものだった。

『LM386の削除』

基板のTXIQ回路のLM386を取り去り0.18径のジャンパーでMixerへ直接繋いだ。

よーく見ると1本は裏面へ伸びている。LM386の5番ピンから反対面の電解コンのランドへつながってMixerへ入る。

電解コンが脱落した際にランドが剥離した為、直接電解コンの足に繋いでいる。

結果はベースバンドIQのレベルを最大にしても波形は崩れなくなる。確かに効果はあるようだ。

『AMPの検討』

次にMixer後のAMPを検討だ。V0.6ではHMC482ST89Eが使用されているが同様に手持ちのMicrowave帯AMP、mini-circuitのgali-2を使用した。

GAINが16dBあるのでバイアス抵抗を検討し80Ωに決定。

[手持ちのチップ部品でAMPを構成した、基板は2.54mmピッチスルホール基板6x4穴(16mmx12mm)]

当初バイアス抵抗はゲインを10dBに抑えようと100Ωを取り付けたが動作電圧が低くなりすぎて波形が歪んだ(歪を新潟の仲間に指摘され定数変更した)

次段のベースでAMPの出力波形を観察した。30mV入力で1Vpp出力。つまり3.5MHzバンドのPAのIQ信号3で30mV。

【Q3へのベースの入力波形(=gali-2の出力波形)】

『TR交換』

ついでにQ3Q4もゲインのあるBFQ18Aに変更した。参考までにQ3の出力を確認する。

PAのIQ信号は目盛りが1増えるごとに30mVアップする。なので10で240mV。この時パワーMOS-FETへの入力電圧は6Vppとなった。

【Q3コレクタの出力波形】

『Mixerのバイアス調整』

改造前のV0.5でキャリアリークを抑えるためにMixerのバイアス回路にVRを取り付けて可変できるようにした。

しかしこの調整も難しい。あるバンドを落すと別のバンドが高くなったりだった。改造後はどうなるやら。

[BAIAS調整VRが斜めになっているのは上部のシールド板との干渉を避けるため]

ここまで終わったのが実は先週末!!ところがここからが地獄に堕ちた。

 『夢の跡』

あとは終段のFETだけとたかをくくっていたけど・・・終段を取り付けても動作しない!!

壊れているのかな?とMOS-FETを取り換えるとなぜか電源が入らない!!

新品を取り付けたのに?調べると電源にしていたリチウム電池のショートセンサーが働き回路断。

電源を復旧させて繋ぐ。またまた電源断。改造してなんかショートさせたかな?

仕方なく・・MOS-FETを外すと普通に電源が入った!

その時気付くまさかRD16HHF1のFake???』

試しに他のMOSも含めて差してみる!。

 一番左の黄色が元々使っていて片方が壊れたRD16HHF1。

青色の部品は、実装即ショートした部品。赤は全く動作しなかった部品。

赤枠の三菱マークは確かに嘘っぽいな。

MOS-FET10個中、6個がfake??または保存状態が悪く故障か??入手先は殆どがUSAの小さな部品屋。1個は国内購入。

現在、国内代理店からRD16HHF1を手配中です。

MOS入手後の結果は次回・・結果が良ければ関係者に部品を配布して改造命令を出す。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありえるかも・・ (JF1DIR)
2017-06-07 00:09:42
JF1DIR/広瀬です。
いろいろご苦労様です。
三菱のFETは、過入力に弱く壊れやすい印象です。
RD16HHF1は町田または小机のサトー電気で売ってますよ。
返信する
えらいことになってますね・・・。 (ja0jhq)
2017-06-07 05:12:19
本稿、驚きました。かなり根本まで掘って改造されているんですね。測定を行いながらの改造、凄いなあ・・・。
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ですよね (7K3DIW)
2017-06-07 11:29:54
DIRさん

ご無沙汰していました。
>三菱のFETは、過入力に弱く壊れやすい印象
そうですか!最初に実装したFETは過入力で壊れたと思われます。
終段前のドライバーTRも焼損してました。
気を付けて扱います。
返信する
いやいや (7K3DIW)
2017-06-07 11:38:36
jhqさん

大規模システムのデバッグに比べると1モジュールの修正みたいなもので簡単??です。
但し、回路変更や用語はさっぱりなので本blogにコメントを頂いたJA0LKAさんにアドバイスを頂きました。
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