ありがとうって伝えたくって

「同軸コリニアアンテナ研究会」でgoogle検索するとHPをご覧いただけます。研究成果がまとめてあります。

Qマッチを考える

2015年06月21日 09時02分11秒 | 同軸コリニアアンテナ

Qマッチに関して検討してみたい。

アマチュア無線的に考えるならば、1/4λ長の同軸ケーブルを使用してインピーダンス変換を行い目的のインピーダンスを得ようという話だ。

基本的には、R(負荷インピーダンス)とZ1(1/4λ同軸ケーブルのインピーダンス、Z1は通常50Ω、75Ωだ。)、そしてZi(等価インピーダンス)とすると、これは式の関係となる。

(但し、Rが純抵抗分になっているのが条件だ。)

この夫々の関係を分かりやすくグラフ化したのが図1だ。

[オレンジ:50Ω同軸のインピーダンス変換値。ダークブルー:75Ω同軸のインピーダンス変換値。]

この使い方を、スタックケーブルの製作を例にしてみよう。

スタックケーブルは、大まかにいうと、A、B及びT分岐から成り立っている。

Aの部分を50Ω同軸任意長とした場合で考えてみる。

  1. 50Ωのアンテナから2本の同軸がT分岐へ並列に来ているのでT部分では合成インピーダンス25Ωとなる。
  2. 合成インピーダンス25Ωを1/4λ 50Ω同軸で変換すると100Ωになる。図1青1の矢印だ。
  3. さらに100Ωを1/4λ 75Ω同軸で変換すると56.5Ωとなり、ほぼ50Ωへ整合できる。図1青2の矢印だ。

つまり、Aの部分を50Ω同軸任意長(通常は位相差なしなので、左右同じ長さ)、Bの部分に1/4λ 50Ω同軸、次に1/4λ 75Ω同軸を接続し、25Ω→56.5Ω変換を行い、50同軸で給電する。

次にAの部分に1/4λ 75Ω同軸を使うとどうなるか?

  1. 50Ωの負荷を75Ω同軸(1/4λのN倍することでスタック間隔の長さを確保する)へ接続すると、等価インピーダンスは112.5Ωとなる。図1赤の矢印だ。

そうなると考えるまでも無い、2つのアンテナから来る同軸の合成インピーダンスは、56.25Ωとなるので、B部分は任意長の50Ω同軸が使えることになる。

 [下記のアイコンをクリックして拡大すると、等価インピーダンスを細かく確認できます]

 拡大

Qマッチは、25Ω、50Ω、100Ω(±10%くらい)のインピーダンス変換を繰り返す場合は、使いやすいが、それ以外の負荷インピーダンスでは使いにくい。

同軸を並列に接続する方法で、同軸のインピーダンスを1/2にする手法もあるようだけど、簡便なインピーダンス変換とはいえないので、この項は終わりとする。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
参考情報 (7K1CRZ)
2015-07-05 12:36:42
Qマッチですが、良いページを見つけました。
ご参考まで・・・。

http://www.dxzone.com/cgi-bin/dir/jump2.cgi?ID=13225

1/4λ×短縮率で
 75Ω 1本=112.5Ω
 75Ω 2本=28Ω
 50Ω・75Ω=18Ω
 50Ω 2本=12.5Ω

同軸でバランを作った先端に近い値の抵抗を付け、SWRを測れば
検証できるのではないでしょうか。
返信する
しばらくです (7K3DIW)
2015-07-05 20:05:12
CRZさん

例の本も手に入れて・・少し考えています。
マッチング部に1/4λの同軸を使うのは、難しいかもしれません。
いやいや、そもそも同軸コーリニアの理論を考えなおす時期かなあ?とも思っています。
また、メールでもします。
返信する

コメントを投稿