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pride and vainglory -澪標のpostmortem(ブリッジ用語です)-

初歩の文書分析と論理学モドキ(メモ)

僧侶に纏わる用語① 官度僧・私度僧

2018-07-31 19:20:48 | まだ見ぬ昔
 少し時代を遡りますが、律令制度の下では僧侶は原則律令国家の統制下にありました。得度の対象となる人数は厳密に決定されており(年分度)、度牒と呼ばれる身分証明書が発行されて種々の特権が付与されました。こうした手続きによって僧侶となったものを官度僧と呼ばれます。謂わば上級職国家公務員としての僧です。
 8世紀中期に制度化され実施に移された当初は天下三戒壇(奈良:東大寺、筑紫:観世音寺、下野:薬師寺)でのみ可能でしたが、822年延暦寺に大乗戒壇を認める事により、四戒壇体制へと移行します。
 その後下野:薬師寺の有名無実化、年分度数(当初10)からの増加、死亡者の補充、国家の慶事等における臨時実施等の付加的変化はありながら、この謂わば僧侶公務員制度は鎌倉初期まで独占的に機能します。
 一方この制度の実施当初から、こがの制度によらず謂わば勝手に出家する者が後を絶たちませんでした。このような僧の事を私度僧と呼びます。
 前回の表に掲げた人物は、一遍を除いてすべて官度僧です。例外である一遍の場合も天台宗から浄土宗西山義に師匠を替えた事、父の死後一旦還俗した事が影響を与えたものだと思います。
 このような”国家公務員僧侶”体制が崩壊しはじめるのは、真言律宗の叡尊等による自誓受戒(1236年)以降ですが、年分による得度と度牒の発行は15~16世紀まで残存したようです。
論者によっては、江戸幕府の成立まで下限を見ていますが、鎌倉初期(上記律宗自誓受戒開始)と見る方との激しい論争の対象となっています。

中世における死と仏教
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=41430&item_no=1&page_id=28&block_id=31

鎌倉新仏教論の深化を目指して
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shigaku/99/10/99_KJ00003675052/_article/-char/ja/


書評「鎌倉新仏教の成立」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shigaku/99/3/99_KJ00003675133/_pdf/-char/ja

 とても知見と示唆に富んだ論争ですが、不遜を承知で敢えて付言すれば、両者とも論理学の素養にかけるのか、自家中毒気味です。
 これも不遜を承知で言えば、日本の人文学者(特に歴史学者、国文学者)の多くではリベラルアーツの素養不足が目立ちます。







 
 
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