二枚の坤輿万国全図
すこし脱線しますが坤輿万国全図写本の日本近海部分図を二枚ご覧ください
図1

図2

どちらも後代の写本で日本で作成されたものとされます。特に図2は図の最下部にカタカナが見える事から少なくとも日本での加筆は確定的です。しかも北回帰線が書き込まれていることから見て図2はかなり後代のものと推定できます。
稿本もしくは初期の写本の写本の日本近海の拡大図が見つかりませんので(国会図書館デジタルアーカイブはかなり初期のものだと思いますが時代が確定できません)、この地図で代用しますが、図1の左下部分に「小琉球」、図2の北回帰線沿いに「小琉球」、「大琉球」の文字が見えます。「小琉球」=沖縄、「大琉球」=台湾を指す最も初期の例だと思います。
図3

混一彊理歴代国都之図西本願寺版の当該部分です。
詳細はhttp://www.afc.ryukoku.ac.jp/kicho/cont_13/pages/1390/1390_L.html?
l=1,1&b=1&p=1&c=31&q=
でご確認いたけますが、この地図上では「琉球」=台湾、「大琉球」=沖縄と比定されることが多いのです。(私には、台湾が地理的視野外もしくは中国本土沿岸の諸島と認識されていて、「琉球」=先島諸島、「大琉球」=沖縄本島と比定する方が無難に見えます)
いづれにせよ、この海域の地名を含めた情報の不安さが図1~図3から見て取れます。
図4

サルマナザールの台湾誌の挿入地図です。
東アジア海域の海域地図としては3つの上図に比べて遥かに正確です。16世紀末から17世紀中期までの航海者の知識を反映しているものと思われます。
後代の眼から見ると、肝心の台湾・琉球領域の島嶼情報がでたらめですが、刊行された東アジアの海域図としては当代きっての物だと思います。
この地図と地誌についての知見は次回に続きます。
すこし脱線しますが坤輿万国全図写本の日本近海部分図を二枚ご覧ください
図1

図2

どちらも後代の写本で日本で作成されたものとされます。特に図2は図の最下部にカタカナが見える事から少なくとも日本での加筆は確定的です。しかも北回帰線が書き込まれていることから見て図2はかなり後代のものと推定できます。
稿本もしくは初期の写本の写本の日本近海の拡大図が見つかりませんので(国会図書館デジタルアーカイブはかなり初期のものだと思いますが時代が確定できません)、この地図で代用しますが、図1の左下部分に「小琉球」、図2の北回帰線沿いに「小琉球」、「大琉球」の文字が見えます。「小琉球」=沖縄、「大琉球」=台湾を指す最も初期の例だと思います。
図3

混一彊理歴代国都之図西本願寺版の当該部分です。
詳細はhttp://www.afc.ryukoku.ac.jp/kicho/cont_13/pages/1390/1390_L.html?
l=1,1&b=1&p=1&c=31&q=
でご確認いたけますが、この地図上では「琉球」=台湾、「大琉球」=沖縄と比定されることが多いのです。(私には、台湾が地理的視野外もしくは中国本土沿岸の諸島と認識されていて、「琉球」=先島諸島、「大琉球」=沖縄本島と比定する方が無難に見えます)
いづれにせよ、この海域の地名を含めた情報の不安さが図1~図3から見て取れます。
図4

サルマナザールの台湾誌の挿入地図です。
東アジア海域の海域地図としては3つの上図に比べて遥かに正確です。16世紀末から17世紀中期までの航海者の知識を反映しているものと思われます。
後代の眼から見ると、肝心の台湾・琉球領域の島嶼情報がでたらめですが、刊行された東アジアの海域図としては当代きっての物だと思います。
この地図と地誌についての知見は次回に続きます。
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