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pride and vainglory -澪標のpostmortem(ブリッジ用語です)-

初歩の文書分析と論理学モドキ(メモ)

Maxwell's Silver Hammer再訪

2018-10-21 07:43:57 | 音楽巡礼
 とある野暮用でMaxwell's Silver Hammerをグーグル様にて検索していたら、とても面白い記事にぶつかりました。

 「今一生のブログ」
 http://con-isshow.blogspot.com/2015/10/maxwells-silver-hammer.html
 このコラムで、今さんは以下のように書いています。
 ” 『Maxwell's Silver Hammer』は、マックスウェル自身がハンマーで誰かを殺したわけではなく、彼のハンマーが突然落ちてきたというニュアンスがわかってきました。

 マックスウェルがあげたか、作って売ったかわからないけど、彼の名前のついたハンマーがいろんなところにあって、それが落ちてきたことで人が次々に死んでしまうという、とても不吉な内容。”

 残念ながら全くの誤読です。

 ” "Maxwell's Silver Hammer" is a pop song with dark, eccentric lyrics about a medical student named Maxwell Edison who commits murders with a hammer.”
 https://en.wikipedia.org/wiki/Maxwell%27s_Silver_Hammer

"Back in school again Maxwell plays the fool again
Teacher gets annoyed
Wishing to avoid and unpleasant
Sce, e, e, ene
She tells Max to stay when the class has gone away
So he waits behind
Writing fifty times "I must not be
So, o, o, o"
But when she turns her back on the boy
He creeps up from behind
Bang! Bang! Maxwell's silver hammer
Came down…"
Maxwell's Silver Hammer第二スタンザ

「He creeps up from behind」が決め手です

 無生物主語:概念的に日本語には該当するものがないので難しいです。佐々木高政さんの本あたりで丹念に習得するしか方法がないかも知れません。<脱線しますが、日本語に印欧語的な意味での主語が存在するかどうかは、議論のあるところです。

 それ以前に、Deus EX Machinaでもない限り無生物は運命の主にはなれません。付喪神が跳梁跋扈する世界とは異なります。
 「多に蛍火の光く神,及び蠅声なす邪しき神あり。復草木咸に能く言語有り。」、日本語の根底に堆積し、私たちの言語に刻印された、見えない思考の枠組みの一つです。

 
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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (ソム)
2018-10-21 18:04:18
「無生物主語」は言われて初めて意識しました。ミステリーやスリラーなど、特定の分野の小説で、翻訳調の日本語が使われる傾向があるように思います。

(例)
太郎はベッドに寝ている。コトリ。クローゼットの扉がゆっくりと開く。隙間から奇妙にねじれた腕が伸び、、、

それから、実験系の論文の記述で、つい主語として実験者に相当する名詞やWeを使ってしまいたくなりますが、無生物主語にすると、すっきりした英語になるようです。
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Unknown (ソム)
2018-10-21 18:14:33
「象は鼻が長い」論争でしたか?

私は日本語に主語にぴったりくるものはないと思っています。少なくとも主語が文の必須要素とは思いません。今の時代なら、もっとデータサイエンスとして、あるいは、実効的に議論したらよい問題かとも思います。日本語形態素分析で「主語」があるとしたほうが便利なら、したらいいんじゃないか、ぐらいです。
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Unknown (澪標)
2018-10-21 18:33:30
無生物主語と自動詞を組み合わせてうまく文章が作れるようになると自由度が上がり、免許皆伝とは行きませんが切り紙程度にはなります。

上記の文も主語がありません。隠れた主語は”英語のスキル”ですが、コンテキスト上必要ありません。ただし主語、時に目的語を必要としないと言う日本語の特徴は時に会話の錯乱を生じます。
意図的ならば喜劇、無意識ならば更に喜劇。(^^♪
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