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「演歌・オブ・ザ・デッド」公式ブログ
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大蜥蜴の怪

2007年05月26日 23時09分43秒 | 映画・DVD・テレビ番組
GIANT GILA MONSTER
1959年アメリカ
監督:Ray Kellogg
出演:Fred Graham(保安官)、Don Sullivan(チェイス)、Lisa Simone(フランスから来た女)、Shug Fisher(ハリス)、Ken Knox(成金っぽいDJ)他

こ、これはチープ過ぎます。でも、結構面白いです。期待せずに見たら、まぁ、暇潰し程度には楽しめる映画です。もう半世紀近く前の映画なので、フィルムの状態も悪く、この為DVDの画質もそんなに良くはないですが、昔の映画に現代の画質とか状態を求めちゃいけんですたい、はい。

今回は、WHDジャパンとフォワードの「レトロムービーコレクション」シリーズで発売されたものを買って見ました。価格は780円(税込)と、ちょっと外のPDもののDVDよりかは高めですが、まぁ、こんなB級っていうか、誰も知らないような映画を発売していくれている手数料だと思って、ちょっとばかり御布施な気分で投資してみましょうよ。

え~、例によって例の如く、ネタバレ豊富な方針で書いていきますので、御布施してから、自分の目で見て確かめるっていう人は、ここから下は見ないで下さいね。

ネタバレ ネタバレ ネタバレ

これは、Don Sullivanっていうアイドル(なんかな)主演の、所謂アイドル映画ですね。昔、よく作られていたでしょう、たのきんトリオの映画とか、そんなノリです。そういうものに、何故か怪獣パニックというオマケを付けてみたっていうものですね。

ストーリーをば。アメリカの超ど田舎の町の外れで、バカップルが巨大な蜥蜴に襲われます。町の若者集団のリーダー格のチェイスは、襲われたバカップルの男パパに疑われますが、ど田舎の保安官はチェイスの人柄を知っているので、彼を庇うどころか、調査協力を依頼したりなんかしたりします。職権濫用です。

チェイスは、病気の妹や家計及び母親(母子家庭のようです)を助ける為に、自動車修理工として一所懸命働いています。エンジニアの通信教育も受けてます(真偽は不明)。色々お金が入り用です。その為には、保安官事務所に掛かってきた電話も勝手に盗聴してます。保安官にはバレバレやけど。っていうか、昔の電話って、何処でも聞けたんかなぁ。

チェイスの雇い主のコンプトンさんは、何故か仕事の帰りにニトログリセリンを持ってきます。そして、何故か扱い方を知ってるチェイス。やるなぁ。っていうか、モロに最後の展開がバレちゃってますが、気にせずにゴーですよ。

バカップルの事件をきっかけに、町の周りでは車が襲われたり、人がいなくなったりします。そんなこんなで、有名DJを助けたりして、チェイスが最後に自分の車にニトログリセリンを積んで、巨大蜥蜴に喰らわせて、爆発して、事件はハッピーエンド(喰われた人は戻って来ないけど)で終了します。

あ、ストーリーを端折り過ぎたかもしれませんが、まぁ、ええでげしょ。そんなノリですわ。能天気な町、能天気な人々、能天気な大蜥蜴、そして能天気に事件は進行していくって感じです。緊張感は全くありませんが、緊張感を求めること自体がナンセンスです、きっと。

しっかし、チェイスが素晴らしい。品行方正かと思いきや、昔は走り屋(今回の事件の8ヶ月前まで)として保安官を悩ませ、事件の証拠の車から部品を取るわ(一応保安官の許可を事後承諾とはいえ取りはしましたが)、忙しい合間に曲は作るわ、レコードを吹き込むわ、助けたDJのコネでレコードデビューの計画は進めるわ、逢い引きはするわ、保安官に爬虫類事典を貸すわ、大蜥蜴を吹っ飛ばすわ、もう大活躍ですよ。家族思いだしね。歌がまたほんまに上手いんですわ。

大蜥蜴の演技(?)も見所ですよ。作り物バリバリのセットを、ノソノソ、ゆったりと壊します。きっと、彼はNGは一回も出してないでしょう。見事な演技です。

低予算アイドル映画ではありますが、ソツなく纏められてます。古き良き時代の空気を堪能しつつ、気軽に、午後の暇潰しとかに格好の一本だと思いますよ。「サバイバル・オブ・ザ・デッド」なんかよりも、余程映画らしい映画です。あ、他の作品を貶めるのは駄目ですね。すんません。

あ、ミネラルと塩分が豊富なところで育ったから(そういう場所の植物とかを食べて)っていって、全部巨大化されたら、堪ったもんじゃありませんよ、保安官さん。

参考リンク
WHDジャパン
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