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静岡ラーメン放浪記2

ラーメン大好きな管理人が、自ら食べ歩いた静岡のラーメン店を巡る紀行文と居酒屋放浪記です。
土曜と日曜はお休みです。

藤井聡太の神局

2021年09月15日 07時10分54秒 | 最近読んだ本
藤井聡太の神局
佐藤慎一 著



 長らく工事中で閉館だった静岡市の中央図書館が、やっとオープンしました。
我が家からも近いので、これからは昔通りに利用できることになりました。
暇な時間にはやっぱり読書が一番です。
その図書館で見つけた将棋の新刊図書です。



 本書は藤井聡太さんの指した将棋の解説書ですが、大きな特徴があります。
それは一手ずつ解説が書いてあるということです。
もちろん序盤の解説は面白くないんですが、中盤以降は丁寧で実に面白いです。
藤井さんの名局をじっくりと楽しむことができますね。



 そして面白いことがもう一つあります。
普通この手の本は「勝利局」を取り上げることが多いんですが、本書は敗れた対局も含まれています。
全15局のうち4局は藤井さんの敗局です。
敗けても絵になるのはやはりスーパースターだからでしょうね。

 ワクワクするような棋譜の中から二つだけご紹介します。
といっても将棋を知らない方には全く分からないでしょうから、気分だけでも感じてください。
まずは「AIを超えた△7七同飛成」です。
これは当時大反響を呼びました。



 石田5段との対戦で、こんな場面で飛び出しました。
飛車先に歩を打たれた場面です。
飛車と言えば将棋ではかなり価値の高い駒です。
そして歩は最も安い駒です。

 私のような素人ですとこの場面では三つしか選択肢はありません。
一つは飛車を逃げる手、二つ目は角と交換する手、そして最後は逃げずに他の手を指す。
しかし藤井さんはそのすべてを指しませんでした。
なんと、打たれたばかりの歩を取ったわけです。

 当然ながらその奥には深い読みがあって、どんどんと攻め続けて、勝利したわけです。
なんとも素晴らしい一手でした。
そしてもう一つは、去年の棋譜です。
渡辺さんから「棋聖」を奪い取った棋聖戦の第2局です。



 「初タイトルを引き寄せた△3一銀」です。
これは派手な手ではなく、単純に受けただけの手に見えます。
金を助けるためだけに打った持ち駒の銀。
見た目は非常につらい受けの一手です。

 しかしなんとこれが盤上唯一の好手というのがすごい。
派手な手だけではなく読みの入った受けの地味な手まで大衆を唸らせるのがさすがですね。
今年も藤井さんは好調で、先日はついに史上最年少での三冠に輝きました。
これはもう素晴らしいの一言です。

 次は棋界最大のタイトル「竜王戦」が待っています。
頑張れ、藤井三冠。

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