森中定治ブログ「次世代に贈る社会」

人間のこと,社会のこと,未来のこと,いろいろと考えたことを書きます

新刊「プルトニウム消滅!」のご紹介

2012-09-04 12:19:55 | 原発・エネルギー

昨日(2012.9.3)「アゴラ」に「日韓関係を値踏みする米国の態度」として初めて投稿させて頂きました.私のブログも昨日立ち上げたばかりで,数行のご挨拶しか書いてなかったのですが,沢山のご訪問を頂き恐縮しています. 

ごく最近上梓した一般書「プルトニウム消滅!」をご紹介させて頂きます.

本書では,核廃絶と世界レベルでの脱原発をパッケージで行う新思考(具体的な方法)を示します.脱原発は一国でできても世界中でできなければ実質的に成功とは言えないと思います.例えば,日本で脱原発が成功しても,韓国には沿岸に21基,中国は2020年までに80基も予定しています.日本が止めても,韓国も中国も止めなければ,日本のもつ潜在的な危険性はさほど変わらないでしょう.

中国も脱原発して,総ての必要電力を再生可能エネルギーで賄えればそれは最高ですが,これから13億の国民の生活レベルを向上させ,世界中から食料を買い付け,そのエネルギーを供給していく熱意に燃えています.日本の人口の比ではないのです.それはちょっと無理でしょう.

 しかも,現在の軽水炉は核弾頭のプルトニウムを産み出します.社会形態の異なる米国や日本がいつでも核弾頭のプルトニウムを産み出す軽水炉をもっているのに,一方的に中国だけが止める筈はありません.両陣営の核抑止の軍事バランスがあります.脱原発をするなら両陣営が同時です.併せて核弾頭も消滅させねばなりません.脱原発という社会的行為は,ここまで考える必要があります.

殆どの人が知りませんが,人類は核弾頭をこの世から消滅させ得る実現性の高い技術をもっています.この技術は,同時に使用済み核燃料の消滅も可能にします.これについては,あらためて書くつもりです.

本書は,原発やエネルギー問題を切り口としていますが,科学がどれほど進歩しても,人間は真実を知り得ないこと,つまり“無知”であることをモンシロチョウから例証します(生物学).そして,無知つまり真実を見出すことのできない人間にとって民主主義とは何なのか,どのようにより善い社会を築くのか(公共哲学)を考えます.そして,経済学が単に人,物,金を扱う学問ではなく,人間の“生き様”の学問であることを述べます.

マイケル・サンデル教授のハーバード白熱教室(NHK ETV)で,解説をされた小林正弥教授(千葉大学公共哲学)が序文を書いてくださいました.喫緊の原発の話題だけでなく,人類は今後どのように生きていくのか,どういう姿になるのかを示しています,その姿を見たい方,関心のある方に本書をお勧めします.

一般書店では殆どおいてないのでご注文いただくか,インターネット書店か展望社(出版社)でご注文ください.

本書のご案内(展望社)

【書名】プルトニウム消滅!脱原発の新思考【著者】森中定治【刊行】2012年6月22日【頁数】238 pp.【定価】本体価格1400円+税【ISBN】978-4-88546-242-9

---

【目次】

本書に寄せて 小林正弥(千葉大学大学院人文社会科学研究科教授・地球環境福祉センター長),みちしるべ,まえがき

第一章   恐竜理論

K-T境界,恐竜理論,ネズミを捕るのに虎を飼う,現在の原発の致命的な欠点,プルトニウム・核廃棄物の処理方法を模索する

第二章  プルトニウム消滅!

古川和男氏との出会いと別れ,熔融塩原子炉(熔融塩炉)の特性,プルトニウム熔融塩とトリウム熔融塩,半分しか知らない原発,プルトニウム消滅!熔融塩炉の大きな目的,オバマ大統領のプラハ演説

第三章   エネルギーをどうするか

なぜ経済を考えるのか,お金とは何か?生命と富,収益と求心力,脱原発の新思考

第四章    公共の土俵に上げる

真実の色,公共の土俵に上げる,ポジション・トーク,科学と科学者,第一章から第四章までのまとめ

終章 環境なくして人間なし 人間なくして経済なし

人類の夢,人類の盾 あとがき

生命,そして人間の正義--最初の読者より 島田和子(株式会社JAIA代表取締役),引用・参考文献

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 次世代に贈る社会 | トップ | 慰安婦問題,竹島問題 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

原発・エネルギー」カテゴリの最新記事