マッスルゾイドバス

プラモデル、バスフィッシング、スポーツジムと趣味についてのブログです。

紀伊半島の夜の山道③

2014-06-02 18:33:13 | 釣り場での不思議な話
●奇妙な高揚感
道沿いに道路標識が見える。車から飛び降り標識を見ると3日目の目的地である十津川ダム付近であった。時間を確認すると1時すぎで神社に入る前と時間がほとんど変わってなかった。恐怖感より奇妙な高揚感が大きかった。神社であった何かは、神社の神様か何かではないかと考える余裕が出てきた。釣り仲間に報告しても信じてくれるかわからへんななど考えていた。人里に出て安心感が出たと思う。とにかく朝一で十津川ダムにボートを浮かべたいのでスロープ(ボートを下ろせる所)付近に移動する。十津川温泉の看板を見ながら移動した。信号や民家を見ると生きている実感をひしひしと感じた。スロープ付近に着いた私は、その時なぜか4日目の目的地、島ノ瀬ダムに行かなければならないように感じた。奇妙な高揚感が大きく、眠気は全然感じなかった。とにかく今行かなければならないように思った。神社の神様か何かのお告げかなと考え、2時から島ノ瀬ダムを目指して、425号線を龍神温泉経由で出発したのであった。

●山道の女性
体を奇妙な高揚感が体を包んでいたが、425号線に入り高揚感が減少していくを感じた。道は林道ではなくしっかりしているのだが、クネクネとした山道で疲労感が出てきたからである。なんで十津川ダムで休息しなかったんやろと考えるようになっていた。道はさらにクネクネ度が増し、所々でガードレールがなかったりしていた。地震の影響か交通事故による影響か解らなかったが、時折、ガードレールがない場所で花を飾っているのが見えた。私はものすごい恐怖感を感じるようになった。神社への林道や神社での出来事など忘れるくらい、この道が怖くてしかたなくなった。カーブに飾っている花の場所が増えてきている。カーブごとに花を飾っているように見えた。カーブから見える谷底が死へ誘っているように感じた。まるで死界への誘いだ。恐怖心が最高に達しようとした時、向こうから女性が歩いてきたのが見えた。
最初はびっくりしたが、手を振りにこやかに微笑んでいる。ライトでシルエットがはっきり見えるし、なぜか安心した気持ちになった。女性が困っているなら力にならないと思い、車を降り女性と話をすることにした。どうしたのですかと声をかけると女性は道を教えて欲しいと話してきた。女性は龍神温泉から十津川温泉へと温泉めぐりを母としていると言う。初めての道で、この道が十津川温泉へと続いているか教えて欲しいと話された。私が十津川温泉から来たことを告げると、女性はありがとうと返答し、向こうで母が来るまで待っているのでと道を戻り始めた。私も車に戻り、前進すると道脇にライトが見えたので女性が車に戻ったのだと思い、そのまま進むことにした。その後は不思議に恐怖心がなくなりカーブごとの花が減少していった。龍神温泉に着くと睡魔に襲われパーキングエリアで仮眠をとることにした。時間は3時、高揚感や恐怖感がなくなりすぐに寝たことを覚えいる。

●後日談、真の恐怖
3日目・4日目は島ノ瀬ダムで釣りをして問題なく旅を終える事になった。私は釣果よりも、神社の神様か何かに出会ったことで頭がいっぱいになっていた。休み明け、職場の喫煙場で釣り仲間に釣果と神社の出来事を自慢げに話していた。当時の釣り仲間で、故郷が池原ダム付近の方がいて、その付近に神社はないで、すごい体験したなとびっくりしながら感想を述べてくれた。みんな、休みを楽しんでいたようで釣りの話から、女性の話へと自然と話題がシフトチェンジしていった。合コンがどうのこうのなどから、最近あった女性関連の話題をみんな楽しそうに話している。女性の話になり、山道であった女性の事を思いだし、そのことをみんなに話した。親孝行な女性で結婚するならああいう女性がいいなど話していたと思う。
話をしているとみんな少し困った顔をしているのに気がついた。理由を聞くと、深夜に母を連れて初めての山道を夜中走るかと言うものだった。もう一度、当時のことを思いだし話してみろと言われた。それまであまり疑問に思わなかったことが色々と出てきた。なぜ夜中に私でも躊躇するような山道を母と一緒に車で走っていたのか、普通なら昼間走ればいいのではないか。カーブの多く見通しの悪い、夜の山道を女性が歩く危険性などである。女性の事を思い出そうとするとボヤけて、顔や服装など先日の事なのに思い出せない。また私は女性と母親が乗っていた車を見てないのである。ライトが光っていたが車かどうかわからないし、今思い出せば車が止まっている場所は、闇で解りにくかったが崖の上で道がなかった感じがする等である。また、あの道から感じていた何とも言えぬ恐怖感がある。神社や林道では感じたことのないあの恐怖感、、、、。
話を聞いていた釣り仲間が、それって神社の神様か何かがお前を守ってくれて、女はお前を連れて行こうとしてたんちゃうかと話した瞬間、体全身、悪寒に包まれた。釣り仲間を見ると、みんな暗い顔をしている。何とも言えぬ感じが喫煙場を支配した。

それから数年後、ツーリングの最中にその女性とあった道を通ったのだが、道に岩が転がっているなど、夜間車が走るのには不向きな道であった。カーブのガードレールもない所があったが花を飾っている所はなかった。走っている時、気持ち良い開放感だけであの時感じた恐怖感はなかった。当時のことを思い出すと神社での何者かの強烈な視線と山道で女性が手を振っていたシルエットを思い出す。あれ以来、初めての山道を夜間走ることはなくなった。神社や女性の事を調べようと思ったが止めた。あまり深入りしたくなかったからだ。皆さんも初めての夜の山道は注意して欲しい。


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