DayDreamNote by星玉

創作ノート ショートストーリー 詩 幻想話 短歌 創作文など    

flake37.微塵

2019年03月01日 | 星玉帳-Star Flakes-
【微塵】


港の待合椅子に座り猫を撫でた。


星の港に棲みつく猫の毛模様は黒地にまだらの銀色が点々と光り


まるで華やかな星図のようだった。


ほら息を吹いてごらんなさいとその猫は哀切に鳴く。


ふうと息を吹きかけるだけで


ここに在るものは粉々になり宙に散り微塵になるのだと


全ては微塵であるのだからと。




flake37『微塵』